インフルエンザに対して麻黄湯は何日服用すればいいですか

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インフルエンザに対して麻黄湯は何日服用すればいいですか

☑️はじめに

インフルエンザに漢方を処方する医師は増えています。

なかでも麻黄湯は保険適応があり、基礎研究や臨床研究のエビデンスもあるため、処方頻度が高い方剤です。

いったいどのような方に適すのでしょうか。

おそらくRCTのプロトコルから5日間処方される機会が多いと考えますが、飲み切る必要があるのでしょうか。

漢方ですよね…RCTとか薬理的な知識はあるのですが…

隋証治療の知識も大事。いっしょに見ていこう。

プロローグ

Rp.麻黄湯 5日分

👨インフルエンザかなあ。寒気がひどくて。汗はまだ出てないです。
👨胃腸は丈夫で体力もある方です。
👨薬は5日分飲みきらなくていいって言われたけど、何時まで飲んだらいい?

👩💭えっ…何時まで飲んだらいいのかな…

出典: twitter.com

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☑️麻黄湯の基礎研究・症例集積研究の知見

麻黄に含まれるタンニンのエピカテキンには、塩酸アマンタジン類似のウイルス不活化作用のあることが明らかにされています。

また、桂皮のシンナムアルデヒドには、ウイルス遺伝子転写後の蛋白合成の阻害による抗ウイルス作用が明らかにされています。

これらの薬理効果は、ノイラミニダーゼ阻害薬に代表される抗インフルエンザ薬とは、作用点が異なるものです。

また小規模ですが、複数の臨床研究で、インフルエンザによる発熱などの諸症状の発現期間を短縮することが報告されております。

インフルエンザに対する麻黄湯使用上の注意
社団法人日本東洋医学会

出典: www.jsom.or.jp

☑️RCTのエビデンスのプロトコルは5日間

タミフルの処方日数、もしくはインフルエンザの標準的な経過を考えてでしょうか。

麻黄湯の臨床研究のプロトコルは5日間となっています。

ですが、随証治療の考えからは、麻黄湯を一律に5日間服用するのは考えにくいことです。

また、試験対象に60代が含まれていますが、この年代は麻黄湯より麻黄附子細辛湯等が適す場合があり、年齢だけで単純に試験結果を適応するのは注意が必要と思われます。

インフルエンザに対する漢方薬の効果は?

出典: medical.nikkeibp.co.jp

☑️実証=体力充実(悪寒・無汗・脈が力強い)に用いる方剤

麻黄湯はどのような方に適すのでしょうか。

麻黄湯は平素から体力があり、発熱しても汗が出ない患者さんが適応となる方剤です。

虚弱な患者さんでは脱汗、すなわち過度の発汗によるショック状態を来す可能性があります。

また、麻黄湯の主薬である麻黄にはエフェドリン類が含まれており、交感神経刺激作用があります。

高血圧、虚血性心疾患、緑内障、前立腺肥大症の患者には特に注意すべきです。

動悸や排尿障害が生じたら服薬中止の指導も必要になりそうです。

インフルエンザに対する麻黄湯使用上の注意
社団法人日本東洋医学会

出典: www.jsom.or.jp

☑️汗が出たら中止する

麻黄湯を服用し、汗がじわっとでる状態(微似汗)になれば服用をやめて構いません。

麻黄湯を服用する場合、解熱剤の使用はできれば半日は待つことが勧められます。

解熱剤を使用すると汗をかき、麻黄湯を止めるタイミングが分からなくなってしまうからです。

もちろん、高熱で解熱が必要な場合は解熱剤を使うべきですし、解表しながら裏熱を冷ます大青竜湯の方が適切かも知れません。

インフルエンザ治療のための麻黄湯の使い方

出典: medical.nikkeibp.co.jp

☑️数日経過した場合、もし漢方を飲むなら桂麻各半湯や柴胡剤などの方が適切

傷寒論では、「微似汗が得られた後は桂麻各半湯に変更する」とあります。

太陽病にあればこの方剤が考慮されます。

また、寒熱往来と言って、寒気の後に熱感が生じ、また寒くなって熱感が現れることを繰り返す場合があります。

これは半表半裏の少陽病期で、口が苦い、胸脇苦満など多彩な症状を伴い、治療には柴胡剤を用います。

頭痛、関節痛など表証を伴う場合は、柴胡桂枝湯が適します。

喉の痛みが強い場合は、小柴胡湯加桔梗石膏を用います。

インフルエンザ治療のための麻黄湯の使い方

出典: medical.nikkeibp.co.jp

☑️まとめ

インフルエンザに対する麻黄湯の使い方を概観しました。

麻黄湯は体力があって胃腸が丈夫な方、すなわち病邪に対する抵抗力が十分な方に適する方剤です。

インフルエンザの初期に悪寒があって汗が出ていない場合に用います。

隋証治療を見れば、じわっと汗が出た時点で麻黄湯の服用は止めて頂いて構わないと考えられます。

その後は麻黄湯よりも、桂麻各半湯や柴胡剤が適していると考えられます。

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最終更新日2022年12月3日

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