ザイザル半錠を1日2回服用すると、1錠1日1回と比較して、定常状態の体内濃度のピークをー32%抑える。

こんにちは。アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。スギ花粉症の季節ですね。わたしはラッキーなことに花粉症がないのですが、アレルギーのある人には大変な季節だなあと思います😞

さて、今日はアレルギーの薬のザイザルの話をします。ザイザルは、大人の場合、1回5mgを1日1回、就寝前に飲む薬ですが、7歳から15歳未満のお子さんは、1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前、と飲み方が変わります。

一日量が同じなのに、分割して飲むのは、意味があるのでしょうか?一回量は減るけれど、飲む間隔は短くなりますよね?どう考えたら良いのでしょう😥

これは、薬学部で勉強する、薬物動態学の知識を応用すれば説明出来ます。やや専門的な内容になりますが、なるべくかみ砕いて書きますので、お付き合いお願いします🙇

体内の薬の量が、半分になるまでにかかる時間を、半減期T1/2(ティー・ハーフ)と言います。半減期を重ねる度に、体内の薬の量は、1/2、1/4、1/8、1/16…と減っていきます。1/16になれば、体内の薬の量は、ほぼ0になったと考えて良いです。

半減期が長い薬の場合、薬が0になる前に、再度薬が体の中に入ります。そのため、繰り返し飲んでいると、体内の薬物量の推移は一回しか飲んでいない時よりも少しずつ多くなって行きます。

やがてピーク濃度は一定の値になります。この状態を、定常状態(ていじょうじょうたい:Stedy State)と呼びます。

体内の薬の量がピークになっている時の濃度を、最高血中濃度と呼びます。濃度はCで表します。

一回だけ飲んだ時の最高血中濃度をCmax(シー・マックス)とすると、定常状態の最高血中濃度であるCss.max(シー・ステディ・ステイト・マックス)は、変数である蓄積率R(ちくせきりつ、アール)を使って、Css.max=R・Cmaxと表現されます。

蓄積率Rは、投与間隔τ(タウ)とすると、投与間隔/半減期を計算し、表から得ます。

τ/T1/2 >4.0  3.0  2.0  1.5  1.0  0.8  0.7
R      1.0  1.1  1.3  1.5  2.0  2.4  2.6

分割して飲むと、1回量は減るのでCmaxは減りますが、投与間隔が短くなるので蓄積率Rは大きくなります。

総合的には体内の薬のピーク濃度が抑えられると予想されますが、本当にそうなのか、また、どの程度抑えられるのか、計算してみましょう。

ザイザルは、成人の半減期T1/2=7.3時間です。

また、投与量と最高血中濃度であるCmax、利用出来る薬の総量である、血中濃度‐時間曲線下面積AUC(エーユーシー)は、投与量に比例して増加することが次の表より分かります。

Cmax(ng/mL)   AUC(ng・h/mL)
5mg   232.60    1814.06
10mg  480.00    3546.51

小児も同様と仮定して、話を進めて行きます。

①ザイザル5mgを24時間おきで投与した場合、
投与間隔/半減期=τ/T1/2=24/7.3=3.28
∴蓄積率R≒1.1
ザイザル5mg単回投与時の最高血中濃度をCmax5と表記すると、
定常状態の最高血中濃度Css.max=1.1・Cmax5

②ザイザル2.5mgを12時間おきで投与した場合、
投与間隔/半減期=12/7.3=1.64
∴蓄積率R’=1.5
ザイザル2.5mg単回投与時の最高血中濃度をCmax2.5と表記すると、Cmax2.5=0.5・Cmax5
定常状態の最高血中濃度Css.max’=1.5・Cmax2.5=0.75・Cmax5

ここで、Css.max’/Css.max=0.68 です。

したがって、②の飲み方をすると、①の飲み方と比べて、定常状態の最高血中濃度が‐32%抑えられる、と予想されます。

このように、二回に分けて飲むのは、ピーク濃度を抑える事が目的と考えられます。おそらく、分割せずに飲むと、眠気などの副作用が出やすくなるのではないでしょうか。

いかがでしょうか?学部で習った知識が、日常業務の疑問を解いてくれます☺みなさんも、蓄積率をぜひ活用して下さいね!



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