スタチンによるLDL低下率と6%ルール

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スタチンによるLDL低下率と6%ルール

☑️はじめに

アトルバスタチン10mgを服用していた患者さん。

コレステロールが改善、生活習慣も改善、低リスクとのことで、5mgに減量になりました。

減量により、コレステロール値はどれくらい上昇するのでしょう。

スタチンの効果はどれくらい減弱するのでしょう。

さくら先輩、半量に減量でスタチンの効果はどれくらい弱まりますか?

ゆきさん、スタチン6%ルールがあるよ。いっしょに見ていこう!

プロローグ

🆕アトルバスタチン5mg
🧔こないだまで10mgだけど、低リスクだし数値も生活習慣も改善してるから半分にするって

👨‍⚕️💭どれくらい効果が弱まるんだろう

スタチン6%ルールが知られています。半分にしてもLDL低下率は6%しか変わりません。

LDL低下率36%➡️30%と言う感じです。

👨‍⚕️スッキリ✨

出典: twitter.com

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☑️心血管疾患とスタチンによるLDL低下療法

まずスタチンの服薬の意義について確認しておきましょう。

スタチンにはLDLコレステロール値を下げる効果があります。

そして心血管イベントとLDLコレステロール値の間には正の相関があることが知られています。

心血管イベントリスクを軽減するのが、スタチン服用の意義です。

☑️スタチンのエビデンスについて

過去25年間に報告された大規模臨床試験において、心血管イベントの1次予防、2次予防ともにスタチンを用いたLDL低下療法が有効であることが示されています。

引用文献のFig4を参照してください。

Investigators. Intensive lipid lowering with atorvastatin in patients with stable coronary disease.

N Engl J Med 2005; 352: 1425-35.

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

☑️具体的な治療について

動脈硬化疾患ガイドライン2017では、患者を心血管疾患の1次予防と2次予防、さらに1次予防をリスクに応じて3段階に分け、層別に治療開始域値と目標値を設定しています。

今回の記事では詳述を避けますので、更に詳しい情報について知りたい方はガイドラインをご参照ください。

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版

出典: www.jstage.jst.go.jp

☑️LDL低下率について

スタチンでLDLがどの程度低下するか、すなわちLDL低下率は、過去の研究から分かっています。

ロスバスタチン5mg、アトルバスタチン10mg、シンバスタチン20mgはLDLを平均して36%低下させます。

このように、ストロングスタチンや高用量のレギュラースタチンにはLDLを平均で40%程度低下させる効果があります。

例えばLDL160で開始すれば、LDL96程度まで低下させると言うことです。

☑️リバロ®錠の添付文書にはLDL低下率が記載されている

実例を見てみましょう。

リバロ®錠の添付文書には、次のように記載されています。

高コレステロール血症患者を対象とした臨床試験で、ピタバスタチンカルシウムとして1日1回夕食後1~4mgを投与した862例において、投与8週時のLDL-コレステロール低下率は40%であった。

リバロ®錠 添付文書

出典: www.info.pmda.go.jp

☑️スタチン6%ルール

それでは半量にすることでスタチンの効果はどの程度減弱するのでしょう。

ここでスタチン6%ルールを紹介します。

スタチンの投与量を半分にした場合、LDL低下率は6%減弱する現象が知られています。

LDL低下率が40%であれば、34%に減弱すると考えればよいでしょう。

心血管疾患発症抑制を目指した脂質異常症治療update (コレステロール吸収阻害を中心に)

出典: www.miyazaki.med.or.jp

☑️まとめ

スタチンのLDL低下率、6%ルールについて説明しました。

ストロングスタチンのLDL低下率は平均して40%です。

また投与量を半減する度にLDL低下率は6%ずつ減弱します。

この知識があれば、スタチンの投与量を調整して患者のリスクに応じたLDL管理が可能になります。

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最終更新日2021年11月1日

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