EPA/DHA製剤はスタチンに上乗せするとCVDリスク低減に有効ですか



EPA/DHA製剤はスタチンに上乗せするとCVDリスク低減に有効ですか

☑️はじめに

オメガ3脂肪酸の心血管疾患(CVD)予防については、多くの基礎研究や、疫学研究からほぼ確立された認識です。

しかしながら、介入試験でのエビデンスはネガティブ・データの歴史です。特にスタチンが一般化した現在、スタチンの効果を凌駕するエビデンスを示すことは困難となっています。

2009年のJELIS試験、2019年のREDUCE-IT試験は、ポジティブデータを残した数少ないEPA製剤の臨床試験ですが、試験デザインや対照薬の設定で、批判される側面もありました。

2020年のSTRENGTH試験はREDUCE-ITに準じた高用量のEPA/DHA製剤を使用した試験でしたが、一転して心血管イベントの発生に差がない結果でした。

2020年のコクランレビューでは、確実性の高いエビデンスとして、EPAやDHAを増量しても総死亡数および心血管イベント数に対する効果は、ほぼまたは全く認められず、確実性が中等度のエビデンスとして、心血管死、脳卒中、不整脈にも差がほぼまたはまったく認められない可能性が高いと結論しています。

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)ではスタチンに高純度EPA製剤を併用するのは考慮してもよいとされます(推奨クラスIIb、エビデンスレベルB)。

エビデンスは更新されていくよ。一緒に確かめよう。

プロローグ

本邦では、n-3系多価不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に分類され、摂取量が多くなれば心血管事故が減少するとの報告がある…

脂質低下療法に関する無作為化大規模臨床試験のメタ解析では、心臓死と総死亡の両イベントを低下させるのはn-3多価不飽和脂肪酸とスタチンのみであることが示されているが、いずれの試験も2000年代の試験である。

REDUCE-IT試験が報告され、現在、本邦を含め世界中で進行している大規模臨床試験の結果によっては推奨度が変更される余地がある。

急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版)

出典: www.j-circ.or.jp

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