心房細動で薬を飲んでいる人が、花粉症の薬を病院でもらう時に、お薬手帳を持参した方がよい、たったひとつの理由。

こんにちは。アロマ薬剤師のゆきです。

スギ花粉症の季節になりましたね。昨年の夏が暑かったので、今年は花粉の量が多いのではないかと言われています。今まで花粉症の症状がなかったり、軽かったので花粉症の薬を飲んでいなかった人が、今年になって飲み始めることがあるかも知れません。そこで、今日は、花粉症の薬の飲み合わせの話をしたいと思います。

花粉症の薬、セチリジン(商品名ジルテック)の添付文書には、併用注意としてピルシカイニド(商品名サンリズム)が記載されています。引用文献がないので、PUBMED と言う医療データベースで検索したところ、該当すると思われる文献を見つけました1)。再構成して話してみようと思います。

72歳のAさん(仮)は、腎機能が低下している方で、ピルシカイニドを1日150mg服用していました。心房細動の治療薬です。ある時、花粉症の薬、セチリジンを1日量20mgで処方されました。セチリジンを服用開始して3日目、Aさんは失神して病院に運ばれました。

徐脈、幅広いQRS波と、ピルシカイニドの過量投与を疑わせる症状があり、ピルシカイニド中止により回復しました。血液検査で、ピルシカイニドとセチリジン双方の血中濃度が上昇していたことが分かりました。

その後、健康なボランティアにピルシカイニドとセチリジンを単回投与した試験が行われ、ピルシカイニドとセチリジンのクリアランスが、各々半分程度まで低下することが分かりました。

ピルシカイニドもセチリジンも腎臓から尿に排泄される薬であり、排泄経路が競合するために起こる相互作用ではないかと考えられます。

基礎研究の知見から、腎尿細管にある薬物トランスポーター、MRP1やOCT2が、この相互作用に関与しているのではないかと考えられています。

心房細動は加齢とともに発症する病気であり、皆さんのご家族でもピルシカイニドを飲んでいる方は多いのではないかと思います。

もし花粉症で病院を受診する際は、必ずお薬手帳を持参して、病院と薬局の両方で、薬の飲み合わせについて、ダブルチェックを受けて下さい。

1)Severe arrhythmia as a result of the interaction of cetirizine and pilsicainide in a patient with renal insufficiency: First case presentation showing competition for excretion via renal multidrug resistance protein 1 and organic cation transporter 2.



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