麻黄附子細辛湯で排尿障害は起こりますか?

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麻黄附子細辛湯で排尿障害は起こりますか?

☑️はじめに

麻黄附子細辛湯で尿が出づらくなり、止めたら治ったと言う患者さん。

80代男性、前立腺肥大の既往ありです。

麻黄附子細辛湯で排尿障害は起こる事はあるのでしょうか?

漢方薬の副作用を集めた成書を紹介します。わたしたちと一緒に見て行きましょう。はじまり、はじまり。

プロローグ

Rp.麻黄附子細辛湯✨
👴前に風邪薬でオシッコが出なくなったんだよな~
👨‍⚕️💭PLかな?あれ、お薬手帳では今日と同じ内容💦

👩‍🎓麻黄が含むエフェドリンのαβ刺激作用で尿閉有り得ます。

👨‍⚕️📞はい、それではカルボシステイン、アスベリン、ロラタジン、カロナールで。

👴何かあった?
👨‍⚕️解決しました✨

出典: twitter.com

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☑️麻黄附子細辛湯について

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)は、高齢者の初期の風邪症候群に用いられる漢方薬です。

成分生薬は、麻黄・細辛・加工附子(附子末)です。

「漢方薬副作用百科 事例・解説・対策・提言」 内藤裕史著 丸善出版 2014年

出典:

☑️市販後調査で0.2%の頻度と報告

麻黄附子細辛湯の市販後調査で、エフェドリンアルカロイドによると考えられる副作用の発生頻度は、動悸、不整脈、尿閉あるいは排尿困難がそれぞれ0.2%ずつであったと報告されています。

「麻黄の副作用とエフェドリンアルカロイド除去麻黄エキス(EFE)の安全性」
薬学雑誌 139,1417-1425 (2019)

出典: www.jstage.jst.go.jp

☑️症例報告

80歳男性は前立腺肥大があり、鼻汁など風邪症状に麻黄附子細辛湯を処方され、排尿中に途切れる感じがあり、自尿量が減少、導尿量が増加。

90歳男性は高血圧と前立腺肥大症で治療中、咳・鼻水など風邪症状に小青竜湯と麻黄附子細辛湯を投与、尿量減少、下腿の浮腫を来した。

小山誠次 麻黄製剤の抑尿作用 日本東洋医学雑誌 1996;46(6):151

出典:

☑️解説

エフェドリンは交感神経α1受容体を刺激し、膀胱底の平滑筋の収縮を起こすので、排尿困難を来しとくに前立腺肥大のある患者では尿閉を起こす場合があります。

麻黄はもっとも身近なエフェドリンですから、高齢者とくに前立腺肥大がある人が麻黄を含む漢方薬を服用していて、麻黄が原因と知らずに排尿困難や尿閉に悩む場合は多いと思われます。

「漢方薬副作用百科 事例・解説・対策・提言」 内藤裕史著 丸善出版 2014年

出典:

☑️まとめ

麻黄製剤の添付文書には使用上の注意として「排尿障害のある患者」とありますが、排尿障害のある患者に投与するのは論外で、前立腺肥大のある患者には禁忌とすべきでしょう。

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最終更新日2020年3月31日

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