血清中テオフィリン濃度の測定に基づく最終的な投与量の調整

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血清中テオフィリン濃度の測定に基づく最終的な投与量の調整

☑️はじめに

喘息の治療薬はICSが基本となりました。

ですが、重積発作の緩解や中等度~重度の症例においては、いまだテオフィリンは治療上重要な位置を占めています。

安全で効果的に用いるには、血中濃度モニタリングが重要です。

さくら先輩、TDMのデータからどのように用量調整したら良いですか?

ゆきさん、良い質問ね。一緒に見て行きましょう。

プロローグ

👩‍⚕️テオフィリンの用量調整を教えて下さい

👨‍⚕️5~15ug/mLが有効血中濃度域とされる

👨‍⚕️血中濃度測定の結果と、患児の喘息症状を考え合わせて用量が決定されるよ

👨‍⚕️監査の時には体調もきめ細やかに確認出来るといいね

👩‍⚕️はい、先輩❗

出典: twitter.com

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☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  5未満

1日投与量の適切な調整は、100%増量です。

喘息症状が見られていない場合は、投与中止を検討します。投与量調整後は血清中濃度を再度測定します。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  5~7.5

1日投与量の適切な調整は、50%増量です。

ただし、50%あるいは100%の増量は、安全性と耐薬性をより確実にするため2日間隔で25%ずつ増量します。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  8~10

1日投与量の適切な調整は、20%増量です。

喘息症状が見られていない場合でも、さらに濃度を上げることにより、ウイルスによる上気道感染時、吸入アレルゲンに暴露された時、あるいは激しい運動をした時の喘息症状を予防できる可能性があります。

ただし、ウイルス感染(上気道炎)に伴う発熱時には、テオフィリン血中濃度が上昇するとの報告があるので、ウイルスによる上気道感染時には慎重に投与する必要があります。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  11~13

臨床症状によって注意しながら10%増量します。

喘息症状が見られていない場合、増量の必要はありません。上気道感染時や運動時に喘息症状が見られる場合、表示の通り増量します。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  14~20

投与量の調整はありません。

非徐放製剤の場合で、服用間隔の終わりに喘息症状が現れている場合は、徐放製剤に変更して血清中濃度を再度測定します。

まれですが、耐薬性のない時は10%減量します。

すなわち、副作用が発現している場合は、表示の通り1日の投与量を減らします。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  21~25

10%減量です。
副作用が見られていなくても減量します。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  26~30

1日投与量の適切な調整は25%減量です。

副作用が見られていなくても次回の投与を中止し、表示の通り1日の投与量を減らし、血清中濃度の再測定を行います。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  31~35

1日投与量の適切な調整は、33%減量です。

副作用が見られていなくても次回の投与を中止し、表示の通り1日の投与量を減らし、血清中濃度の再測定を行います。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️ピーク時のテオフィリン濃度(μg/mL)  35以上

1日投与量の適切な調整は、55%減量です。

以後2回の投与を中止し、表示の通り減量し血清中濃度の再測定を行います。

薬剤師・薬学生のための実践TDMマニュアル

出典:

☑️まとめ

いかがでしたでしょうか。血清中テオフィリン濃度と臨床症状を合わせて、用量が決定されることが分かりました。

処方監査の場合でも、患児の喘息の様子を決め細やかに聞き取り出来ると、自信を持って監査出来ると思います。

各自研鑽を積んで行きましょう。

最後に引用文献を提示しておきます。

Hendeles L., et al. :Guide to oral theophylline therapy for clonic asthma.  Am. J. Dis. Child., 132 : 876-880, 1978

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

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最終更新日2021年6月16日

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