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ラモトリギンはバルプロ酸と併用する時投与補正係数が応用できる
☑️はじめに
ラモトリギンはグルクロン酸抱合された後、腎排泄されます。
バルプロ酸によりUGTが阻害されるため、併用時には投与量を半分にします。
「ラモトリギンに関する連名ステートメント」と言う記事を見つけました。
ラモトリギンの投与方法は複雑である。通常の場合でも25mgより開始し、2週間以上開けて所定の方法で漸増していく。本剤はチトクロームP450による代謝でなくグルクロン酸抱合されるのが特徴である。このためバルプロ酸のようなグルクロン酸抱合を受ける薬剤との併用は、本剤の薬剤血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が125mgで約1.48、500mg で約2.19倍上昇する9)ことにより、皮膚障害をさらに認めやすいことが知られており、25mgの隔日処方あるいは12.5mgからの処方開始が必要とされている。こうした用量・処方間隔に関して今一度遵守することを臨床医に求める。
さくら先輩、添付文書では25mg隔日ですが、確かに12.5mg毎日の処方も見たことがあります。
腎排泄型の薬剤の投与補正係数みたいな考え方だよね。妥当性があるのか、一緒に考えてみよう。
プロローグ
👩ラモトリギンはバルプロ酸併用時に投与補正係数のような考え方ができる
👧何故ですか?👩クリアランスは肝固有クリアランスのみ変動要因で、分布容積も変動しない
👩初回通過効果も変化は殆どないよ
👧メモメモ
👩一緒に詳しく見て行こう。まず…
出典: twitter.com
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☑️ラモトリギンの特徴づけ
ラモトリギンの特徴づけをします。
Ae=0.1, CLtot/F=25mL/min, Vd/F=75L, fuB=53.1~56.2%
F=0.976でF≒1.0とします。
B/P不明で0.5と仮定します。
ラミクタール®️添付文書/インタビューフォーム
☑️ラモトリギンのPKパラメータと特徴づけ
ラモトリギンのPKパラメータと特徴づけをします。
・Ae=10% (肝代謝型)
・CLtot’=25mL/min/0.5(=B/P)=50mL/min
・CLH’=50×0.9=45mL/min
・EH’=45/1600=0.028(消失能依存型)
・Vd’=75L/0.5(=B/P)=150L(分布容積:大)
・fuP=0.55 (蛋白結合非依存型)
各PKパラメータの変動要因を明確にする(Table 1111〜2332)
☑️各PKパラメータの変動要因を明確にする
各PKパラメータの変動要因を明確にします。
緒方らの提唱するTable No. (1111〜2332)に分類します。
なお、これは傾向を把握するためのもので絶対的な分類ではないことに注意して下さい。
各PKパラメータの変動要因を明確にする(Table 1111〜2332)
☑️ラモトリギンはTable1132に該当する
ラモトリギンは、緒方らの提唱する薬物の分類でTable1132に該当すると思われます。
肝血流量QH、肝固有クリアランスCLintH、血漿蛋白非結合分率fuBのうち、経口投与時のクリアランスの変動要因は総薬物・遊離薬物とも肝固有クリアランスのみで、単回投与時に最高血中濃度は不変、半減期のみ延長します。
緒方らの提唱する薬物の分類 Table1132
☑️ラモトリギンの経口クリアランス
経口投与時のクリアランスCLpo、CLpofは次式であらわされます。
CLpo=CLintH/Fa
CLpof=CLintH/Fa
吸収率と肝固有クリアランスが変動要因と考えられます。
☑️ラモトリギンの分布容積
75Lと大きな分布容積を有しており、次式で表現することができます。
Vd=fuB・VT/fuT
Vdf=VT/fuT
fuBは0.55であることより血漿蛋白結合の変化を受けにくい薬物と推定出来ます。
またfuB=0.55,VT=24Lから推定されるfuTの値は0.2程度でありやや蛋白結合非感受性であると推定されます。
従って、分布容積は変動しにくいと考えられます。
Vd=VT/fuT
Vdf=VT/fuT
として差し支えないと考えられます。
☑️ラモトリギンの消失速度定数
仮定としてVdは平均値のままの値にして、全身クリアランスの変動を中心にして推定しても、ラモトリギンの特徴からすると評価を誤る危険性は小さいように思われます。
kel=fuT・CLintH/VT
kelf=fuT・CLintH/VT
☑️まとめ
肝固有クリアランスのみが変動要因でした。分布容積も一定です。殆ど腎排泄されないので、腎クリアランスも考慮しなくて良い。
以上から、投与補正係数のような考え方で投与間隔を2倍、もしくは投与量を1/2とする方法に妥当性があると考えられました。
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最終更新日2021年9月21日
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