クランベリージュースはワーファリンと安全に併用出来ますか?

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クランベリージュースはワーファリンと安全に併用出来ますか?

☑️はじめに

ワーファリンは様々な薬物と相互作用が知られています。

それだけでなく、納豆やクロレラに代表される食品との相互作用もあります。

近年では健康食品ブームで馴染みのないジュースやジャムに触れる機会も増えました。薬剤師の出番が増えたと言えないでしょうか?

クランベリーとワーファリンの相互作用は馴染みがありませんがなかなか重篤です。

わたしたちと一緒にワンランク上の薬剤師を目指しましょう!

プロローグ

👺ワーファリン飲んでいるが、この数日痣が出来るんだ🌊

👧あらあら今度は何でしょう🦋

👺クランベリーソースをもらったので、ヨーグルトにかけて食べている🌊

👧すぐ病院に。わたしからも連絡しておきますね🦋

🐗なんなんだ?

👧クランベリーとワーファリンの相互作用ですね🦋

出典: twitter.com

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☑️クランベリーについて

クランベリーは白から桃色の花をつける常緑灌木。果実をジュースにしたものは北米ではポピュラーな飲料です。

俗に、膀胱炎によい、肌に良い、かぜやインフルエンザの予防によい、等と言われています。

人においては尿路感染症に対してのみ有効性が示唆されています。


クランベリー・ツルコケモモの健康食品の安全性・有効性情報
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
素材情報データベース

出典: hfnet.nibiohn.go.jp

☑️大量摂取でワーファリンの効果が増強される

適切に用いれば経口摂取でおそらく安全であるとされます。

しかしながら、クランベリージュースを大量摂取した後、INRが上昇したとする複数の報告があります。

症例報告を紹介します。

症例1

ワーファリン服用中の69歳男性 (英国) がクランベリージュースを約2 L/日、2週間摂取したところ、INRの上昇がみられ、術後の過剰出血が起こった。

Warfarin and cranberry juice: an interaction?

J Heart Valve Dis. 2004 Jan;13(1):25-6.
PMID : 14765835

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

症例2

ワーファリン、ジゴキシンおよびフェニトインを服用していた70代の男性が食欲不振のため、ほとんど何も食べずクランベリージュースを摂取していたところ、6週間後にはINRが50以上になり、消化管および心嚢出血により死亡した。

Possible interaction between warfarin and cranberry juice
BMJ. 2003 Dec 20;327(7429):1454. doi: 10.1136/bmj.327.7429.1454.
PMID : 14684645)

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

症例3

心房細動の治療のために6年前から45mg/週のワーファリンを服用していた78歳白人男性が、1週間前からクランベリー/アップルジュースを1/2ガロン (約2 L) 飲んだところ、INR が2.96から6.45に上昇し、摂取中止により回復した。


Interaction between warfarin and cranberry juice
Clin Ther. 2007 Aug;29(8):1730-5. doi: 10.1016/j.clinthera.2007.08.018.
PMID : 17919554

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

☑️CYP2C9の相互作用が想定される

理論的に考えられる相互作用として、CYPの関与が想定されています。

クランベリージュースは、CYP3A4、CYP2C9で代謝される医薬品の薬効に影響を与える可能性があります。
(Natural Medicines)

また、クランベリー抽出物の高分子ポリフェノール分画にCYP3A4およびCYP2C9阻害成分が含まれているとの報告があります。

in vivo系でもワーファリンの排泄遅延を示唆するデータが得られています。

機能性食品の過剰摂取又は医薬品との相互作用に伴うリスクに関する基礎研究

出典: kaken.nii.ac.jp

☑️まとめ

クランベリージュースを大量に摂取した患者のINRが上昇したとする報告が多数あり、ワーファリンの作用を増強する可能性があることが分かりました。

また、CYP2C9の阻害作用が関与していると考えられている事が分かりました。

日本ではクランベリージュースは北米に比べると手に入りにくいので、ジュースを大量摂取する事は少ないと思われます。

しかし、ヨーグルトソースやジャムの形でクランベリー由来のポリフェノールを大量摂取する場合はあるかも知れず、ワーファリン服用患者への情報提供に取り入れるのが良いとわたしは考えます。

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最終更新日2021年4月6日

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