ritschel理論と蓄積率で定常状態の最高血中濃度を予測する

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ritschel理論と蓄積率で定常状態の最高血中濃度を予測する

☑️はじめに

さくら先輩、反復投与で最高血中濃度がどのくらいになるか予測出来ますか?

ゆきさん、いい質問ね。ritschel理論と蓄積率を使えば簡単に分かるよ。一緒に見てみよう。

プロローグ

📝アムロジピン2.5mg 1錠 分1 朝食後

👧徐々に血圧が下がると説明があったそうです

👩アムロジピンは蓄積性があるよ。添付文書には次のように書いてある

“反復投与6~8日で定常状態に達し、初回投与時の約3倍に達し、以後の蓄積は認められなかった”

👩これはRitschel理論と蓄積率で説明出来る。

出典: twitter.com

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☑️ritschel理論で定常状態があるか判別出来る

👩ritschelの理論では次のことが分かる

“投与間隔(τ)を半減期(t1/2)で割ったものが3以下であれば、t1/2の5倍の時間で定常状態になる”

👩アムロジピンはτ=24, t1/2=36.5とすると0.657≦3

半減期の5倍は約7.6日

詳細は後で説明するけれど、この時の蓄積率R≒3

添付文書に書いてあった事が説明出来たね。

出典:

☑️蓄積率で反復投与時の最高血中濃度が単回投与の何倍になるか予測出来る

蓄積率(R)を使用すると、薬物の定常状態における最高血中濃度(Css.max)を簡便に計算することが出来ます。

詳しくは論文を参照下さい。

灘井 雅行 薬物動態の基礎と薬物投与設計への応用 日児腎誌 Vol.19 No.2 111-123

出典: www.jstage.jst.go.jp

☑️早見表で蓄積率Rを求める

τ/ t1/2と蓄積率の関係を計算した表を利用して、簡便に最高血中濃度を推定してみましょう。

パラメーターは投与間隔と半減期の2つだけです。投与間隔を半減期で割った数値に対応する蓄積率が、次の表から得られます。

 
τ/ t1/2 ≧4 3.0 2.0 1.5 1.0 0.8 0.7
蓄積率R 1.0 1.1 1.3 1.5 2.0 2.4 2.6

蓄積率は次の公式で求めます。

R=1 / (1-exp (-kel・τ) )
 =1 / (1-exp (-0.693 τ/ t1/2) )

Css.max=R・Cmax

kel : 消失速度定数

出典: www.jstage.jst.go.jp

☑️まとめ

添付文書に記載された内容が、理論的に説明出来ました。

添付文書に体内動態の記載がない薬剤でも、早見表を用いれば定常状態の最高血中濃度が何倍になるか、予測する事が出来ます。

普段から半減期を確認して、蓄積性があるのか、あれば定常状態の最高血中濃度がどれくらいになるのか、頭に入れておくと良いでしょう。

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最終更新日2021年6月27日

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