ラメルテオンはフルボキサミンと併用した場合、AUC82.6倍、Cmax28.1倍に上昇する為、併用禁忌。

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要点:ラメルテオンはフルボキサミンと併用禁忌だが、併用した場合、AUC82.6倍、Cmax28.1倍に上昇する。

ラメルテオンはフルボキサミンと併用禁忌1)ですが、その妥当性について考察したいと思います。

添付文書等によると、フルボキサミン200mgを併用投与した時、ラメルテオン8mgを単独投与した時に比べ、未変化体のAUC0-infは82.6(95%CI;59.7-114.3)倍、Cmaxは28.1(95%CI;19.8-39.8)倍に増加しました1)。これは代謝の競合阻害に起因する相互作用と考えられています。

フルボキサミンは、強力なCYP1A2阻害剤です。未変化体のラメルテオンから代謝物であるM-IIへの変換は、主にCYP1A2が寄与し、M-IIのヒトメラトニン(MT1,MT2)受容体に対するアゴニスト活性は、ラメルテオン未変化体の1/17,1/28です。
次に、ロゼレム添付文書には過量投与に「本剤を160mgまで単回投与した外国臨床研究において、眠気、倦怠感、めまい、腹痛、頭痛等の症状が認められている」とあります。

ラメルテオン160mg投与時やフルボキサミン併用時において投与量と未変化体AUCが線形か厳密には分かりませんが、治療域を逸脱しているとは言えるでしょう。

以上の知見より、メラトニン受容体活性の強いラメルテオンの未変化体は、フルボキサミンの併用によりAUCが顕著に上昇し、死に至る転帰はないかも知れませんが、過量投与とされる場合のAUCを超える可能性があるので、併用は適切ではないとして良いでしょう。

1)ロゼレム錠8mg 添付文書・承認時資料