糖尿病患者の生活習慣改善による体重減少のエビデンス。心血管リスクを増やすことなく、減薬出来ました。

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Look AHEAD Trial は2型糖尿病患者に強化生活習慣改善介入(ILI: Intensive Lifstyle Intervention)を加えることにより、1年後(PMID:17363746)、4年後(PMID:20876408)それぞれにおいてHbA1cのみならず、心血管疾患(CVD)リスク因子が低下したことを示しました。

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観察期間の中央値9.6年で試験は中止されましたが、減量を中心としたILIは心血管疾患イベントの発生を減少させませんでした。

5145例の過体重の2型糖尿病患者(45~74歳・BMI>25・HbA1c<11・BP 160/100未満・TG<600を2群に分け、ILI群では>7%の減量およびその維持を目標、グループセッションおよび個人面談を行い、カロリー制限食(脂肪によるカロリー摂取を最大30%減少、蛋白質によるカロリー摂取を最低15%減少)と運動(目標は中等度の運動175分/週)を実施しました。

さらに必要に応じて減量薬の投与または行動療法を実施しました。対照群では食事・運動・社会支援に関するグループセッションを3回実施しました。1年後・4年後の体重は臨床的に有意に減少(1年後:8.6%vs0.7%、4年後:6.15% vs 0.88%)、それにより糖尿病コントロールおよびCVDリスク因子は改善され、薬物療法を要する患者も減少しました。

試験は2012年9月に中止され、治療経過観察期間は中央値は9.6年でした。試験終了時、依然として体重減少率に有意差がありました(6.0%vs3.5%、P<0.05)。

HbA1cは、ILI群で7.3%、対照群で7.2%でした。複合一次エンドポイントである心血管疾患新規発症は、ILI群403例(1.83/100人・年)、対照群418例(1.92/100人・年)と有意な差は認められませんでした(ハザード比0.95, 95%CI:0.83-1.09, P=0.51)。

見方を変えれば、心血管リスクを増やさず、薬が減らせたと解釈することも出来ると考えられます。

高価なDPP-4阻害剤が心血管リスクに関してプラセボと有意差なしと謳って販売されているのを見るにつけ、私たちの社会的コンセンサスでは、リスクを増やさないと言うだけでアドバンテージと見る事はあながち間違いではないかも知れません。

参考文献 内科診療ストロングエビデンス



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