授乳しているのですが、胃腸炎で吐き気があり、辛いです。吐き気止めのメトクロプラミドを飲んでも、授乳は出来ますか?

こんにちは。研修認定薬剤師の奥村です。今日まで仕事でしたが、明日から休みです。連休皆さんはどう過ごされますか?家はイオンに映画「シュガーラッシュ」を見に行く予定です。

さて、胃腸炎の流行る季節です。下痢嘔吐は辛いものです。もし授乳婦さんが急性消化管感染症などになった場合、吐き気止めの薬、メトクロプラミドを服用することは可能でしょうか。

まずは添付文書を見てみます。メトクロプラミドは、乳汁中に分泌するとの報告があります。また、薬物動態の基本情報を確認しましょう。

Tmax=1.5±0.20時間、T1/2=10.47±4.69時間です。最高血中濃度に到達する時間は短く、半減期は長いので、服用と授乳のタイミングをずらすのは、あまり有効に思えません。ずらす必要があるのか、ないのか、もう少し考えてみましょう。

米国のサイト、LactMedは授乳と薬に関するデータベースです。検索してみると、情報が見つかりました。「Most infants would receive less than 10% of the maternal weight-adjusted dosage」(母親の体重補正した用量の1/10以下を摂取する場合がほとんど)と記載されています1)。一般的に相対的乳児服用量(RID)<10%で比較的安全に服用できるとされます。どうやら、ずらさなくても大丈夫そうです。

さらに、大分県母乳と薬剤研究会編の『母乳と薬ハンドブック』を参照しました。総合判定は、〇(限られた研究ではリスクは最小、リスクの根拠が見当たらない)「通常量かそれ以下で短期使用であれば授乳との両立可能」としています。

引用されている成書の評価を見ると、G.G.Briggsでは45mg/day以下であれば授乳可能、『授乳婦と薬』ではB(母乳移行する)、Hale.TWではL2(比較的安全)、米国小児科学会(AAP)では4(影響は不明であるが懸念はあり)とされています2)。

以上のことから、乳児が大量に摂取すると錐体外路症状を起こす可能性はありますが、メトクロプラミド5mgを頓用程度であれば、服用は可能と考えます。

いかがでしたか。ご家族の健康を守るための参考になさって下さい。

ブログを書いた後に見つけました。「授乳婦への薬剤(プリンペラン)処方とその調べ方, 〜添付文書の見方, 患者説明」レベルの高い記事です。医療関係の方はご参考になさって下さい。

https://antaa-med.com/antaaqa_book_junyufu_purinperan/

1)LACTMED

https://www.toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/lactmed.htm

2)大分県母乳と薬剤研究会編 『母乳と薬ハンドブック』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です