セファランチンの口内炎に使用する用量は、どれくらいが適正でしょうか?


セファランチンの口内炎に使用する用量は、どれくらいが適正でしょうか?

はじめに

セファランチン末が口腔外科から処方された

歯科口腔外科から次の処方箋が来ました。

セファランチン末 1.2g 分3 毎食後

主訴は口内炎です。

セファランチンは12mg/dayでの使用です。

セファランチンの作用機序、適用

セファランチンは、抗アレルギー作用、血液幹細胞増加作用があります。

造血機能の回復の促進、末梢血管を拡張・末梢循環障害を改善して毛根などに栄養を供給すると考えられています。

通常、円形脱毛症・粃糠性脱毛症、放射線による白血球減少症の治療に用いられます。

保険適用外の使用であることを添付文書から確認した。

セファランチンの添付文書によると、白血球減少症に対して1日3~6mgを2~3回に分けて、脱毛症に対して1日1.5~2mgを2~3回に分けて、適宜増減とあります。

口内炎に対しては保険適用外処方のようです。従って、適切な用量が分かりません。

薬剤師としては、処方の妥当性の根拠を確認したい

添付文書に記載がない、承認外の使用であるため、処方医に問い合わせし、処方通りと確認しました。

しかし、この用量は妥当なのでしょうか?薬剤師としては、処方の妥当性を裏付ける根拠を確認したいです。

セファランチンを口腔粘膜疾患および舌痛症に使用した文献を見つけた

業務上の義務は果たしたので、更に調べて見る

業務上最低限の仕事は果たしたので、セファランチンの口内炎に処方する場合の情報を、もう少し調べて見ることにしました。

Googleで文献検索し、アフタ性口内炎などにセファランチンを試した論文を見つけた

Googleで文献検索したところ、口腔粘膜疾患および舌痛症に対するセファランチン内服単独投与群で有効率50%であったとする論文を見つけました1)。

検討された投与量は20mg/dayでした。

治りづらい口腔扁平苔癬でも検討されていた

難治性疾患である扁平苔癬に対しやや有用以上で87.0%の有用率を示し、副作用の発現を認めなかった、セファランチンの安全性と有用性が示唆された、と結論しています。

口腔扁平苔癬とは

口腔粘膜に生じた角化異常を伴う難治性の慢性炎症性疾患です。口腔粘膜、特に頬粘膜に両側性に白い網状の病変を形成することが多く、びらんや潰瘍を伴うときもあります。口腔扁平苔癬は、40歳以降の女性に多く発症します。

口腔扁平苔癬に気づくきっかけ

患者さんの多くは、食事や会話時の口腔内の刺激・接触痛を主訴に受診されたり、歯科検診などで病変を指摘されて受診されます。

口腔扁平苔癬は視診と組織検査で診断がつく病気なので、口の中の炎症が治らない場合は、放置せず口腔外科を掲げている歯科医院や医療施設へ受診しましょう。

口腔扁平苔癬の原因、治療

口腔扁平苔癬は原因や発症のメカニズムが未だによくわかっていないため、確立された治療法はなく、症状に合わせて行う対処療法がメインとなります。

セファランチンの他、ステロイドを使用する事が多いです。

まとめ

論文からセファランチンの用量に妥当性がありそうと分かった

この論文を勘案すると、12mg/dayは安全に使用出来るかも知れません。

やや古い文献なので注意

ただ、1994年とやや古い文献なので、新しい情報がないか時間を見つけて検索してみようと思っています。

参考文献

1)口腔粘膜疾患および舌痛症に対するセファランチン(R)内服療法の臨床的効果の検討
J.Jpn.Stomatol.Soc.43(1):84~89,January,1994

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