カルバマゼピン服用中の甲状腺機能低下について



こんばんは。アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。

薬局で電子薬歴を見ていたら、カルバマゼピン服薬中に甲状腺の数値(具体的には不明)が少し下がっていて、薬剤性の疑いがあると主治医から説明されたと書かれていました。

恥ずかしながら、知らない内容でしたので、カルバマゼピン(CBZ)の服用と甲状腺機能の低下について調べました。

検索していて、2報の論文を見つけましたので、簡単に紹介します。

CBZ服用の29例の前向き研究において、甲状腺機能障害のない群においては、TSH値の上昇は正常範囲、一方、甲状腺機能障害があり、レボチロキシン投与が行われていた群においては、TSH値の上昇があり、治療の変更が必要になったと報告されています1)。

CBZ服用群(n=58)と対照群(n=54)のFT3,FT4,TSHを測定したところ、統計的有意差は示されなかったと言う報告もあります。論文では、CBZは甲状腺ホルモン濃度を低下させるが、甲状腺機能低下症を起こすことは希としています2)。

さらに検索していて、厚労省の重篤副作用疾患別対応マニュアルを見つけました。甲状腺ホルモンの代謝を促進するものとしてカルバマゼピンが挙げられています3)。前述の内容を整理できると考えたので、マニュアルの記述を抜粋しました。

カルバマゼピンは、甲状腺ホルモンであるT4及びT3の代謝を促進します。甲状腺ホルモン産生予備能があまりない場合、またレボチロキシン補充中の患者の場合にカルバマゼピンを投与すると、甲状腺機能低下症を発症してレボチロキシン補充療法の開始が必要になったり、既に発症している患者では補充量の増量が必要となる場合があります。

カルバマゼピンは、肝臓における薬物代謝酵素系を誘導するとともに、結合蛋白であるTBGと甲状腺ホルモンの結合を阻害します。血中総T4 は40%程度減少、総T3 はそれより軽度減少します。遊離ホルモンであるFT4は、多くのキットでは、artifact として低く測定されますが、血中TSH の値は正常域にとどまります。

どうやら、甲状腺の基礎疾患のある場合はチラーヂンが必要になりそうですが、そうでなければ経過観察となりそうです。

参考文献
1)Carbamazepine and risk of hypothyroidism: a prospective study. Acta Neurol Scand. 2007 Nov;116(5):317-21.  PMID:17850408

2)The effects of carbamazepine on thyroid functions in childhood epilepsy.2013; 40 (4): 533-536 Dicle Medical Journal doi: 10.5798/diclemedj.0921.2013.04.0328

3)重篤副作用疾患別対応マニュアル 甲状腺機能低下症 平成21年5月 厚生労働省



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