閉経後の急性膀胱炎が治らなくて、薬が変わりました。どんな抗生物質を何日間飲んだら良いですか?

はじめに

膀胱炎で受診した60代の女性の患者さんが再来されました。

「クラビットを3日間飲んだけれど、よくならなくって。薬が変わってるでしょ?今度のは効くかな?」

フロモックス(CFPN-PI)100mg 3錠 分3 5日分

膀胱炎と言えば、クラビットでしょ。フロモックスなんか効くかな?誰かタスケテ…

そんなあなたに、閉経後の急性膀胱炎のエビデンスを紹介します。

感染臓器と原因となる菌及び、その感受性、薬剤の選択について

JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015では、閉経後の女性における急性膀胱炎の分離菌としては、グラム陽性球菌の分離頻度が低く、大腸菌はキノロン耐性率が高いと記載しています。

そのため、第一選択としてはセフェム系薬またはβラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬を推奨(BⅡ)しています。

ガイドラインを抜粋しますが、今回の処方と全く同じ薬剤、用法用量の記載があります。

閉経後女性の単純性膀胱炎の第一選択 CFPN-PI 経口1 回100mg 1日3回 5~7日間

また、グラム染色でグラム陽性球菌が確認されている場合には、キノロン系薬を選択するとあります。もし起因菌が腸球菌だった場合、セフェムでは自然耐性があるからでしょう。

本患者の場合はグラム染色なしで、経験的にレボフロキサシンが投与されましたが、キノロン耐性大腸菌が疑われて、セフェム系に変更になったのでしょうか。

また、抗菌薬の投薬期間については、一般にキノロン系薬、ST合剤は3日間 1)、βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬、セフェム系薬などは7日間 2)必要とされています。

ただし、一部の第3世代セフェム系薬も3日間投与での有効性が示されています(Ⅰ) 3)。

キノロン系抗菌薬CPFX 3日間投与と1週間投与を比較しても有効率、再発率に有意な差がなかったと報告されています。1)(AⅠ)

まとめ

処方内容の妥当性は確認出来ました。患者さんには、治療効果が期待出来ること、治療を完遂出来るよう、抗生物質を飲み忘れなく、日数分服用することを指導しました。

参考文献

1)Vogel T, Verreault R, Gourdeau M, Morin M, Grenier-Gosselin L, Rochette L:Optimal duration of antibiotic
therapy for uncomplicated urinary tract infection in older women;a double-blind randomized controlled
trial. CMAJ 2004;170:469―73.

2)Gupta K, Hooton TM, Naber KG, Wullt B, Colgan R, Miller LG, et al.:International clinical practice guidelines
for the treatment of acute uncomplicated cystitis and pyelonephritis in women;A 2010 update by the Infectious
Diseases Society of America and the European Society for Microbiology and Infectious Diseases. Clin
Infect Dis 2011;52:e103―20.

3)Hooton TM, Roberts PL, Stapleton AE:Cefpodoxime vs ciprofloxacin for short-course treatment of acute
uncomplicated cystitis:a randomized trial. JAMA 2012;307:583―9.

4)Kavatha D, Giamarellou H, Alexiou Z, Vlachogiannis N, Pentea S, Gozadinos T, et al.:Cefpodoxime-proxetil
versus trimethoprim-sulfamethoxazole for short-term therapy of uncomplicated acute cystitis in women.
Antimicrob Agents Chemother 2003;47:897―900.


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