1日1回夕食後にリリカを飲んでいて、ふらつきが翌日の午前中まで続く人は、1日3回に分けて飲むと、ふらつかなくなる可能性があります。蓄積率を応用して定量的に考察しました。

Aさんは60代女性です。整形外科から、痛み止めの薬のリリカ75mgを、1日1回夕食後で処方されています。痛みは軽減しているが、翌朝の午前中までふらつきが続いているとの事です。

リリカの投与方法を変えることで、ふらつきを改善することが出来ないでしょうか。痛みを軽減したまま、ふらつきが抑えられれば、ベストな薬物療法が提供できます。

時間とともにふらつきが解消されるので、この副作用はリリカの血中濃度に依存するものと考えられます。最高血中濃度を抑えてやれば、副作用を回避出来るのではないかと考えました。

では、1日1回投与と、1日3回の分割投与では、どれくらい最高血中濃度が変わるのでしょう。

ブログでは、蓄積率と言う概念を使って、試算して見ます。これを読めば、根拠を示しながら分割投与の処方提案が出来るようになります。

年齢から腎機能を推定

Aさんの腎機能は、Jaffe法によるクレアチニン・クリアランス(CCr)(≒個別eGFR)で60mL/min程度と推定されます。(20歳の腎機能100mL/minで1年毎に1mL/minづつ低下すると仮定しました。)腎機能が中程度低下していると考えられます。

リリカは1日3回投与も添付文書に記載がある

リリカの添付文書を読むと、腎機能が中程度低下している(CCr:30~60mL/min)場合、オプションとしてリリカ25mg 1日3回と言う、分割した飲み方が記載されています。1日1回と比べて、どれくらい体内動態が変わるのか、添付文書の情報から考えてみることにしましょう。

リリカのCmaxとAUCは投与量に比例する

リリカは、ほぼ100%、未変化体のまま腎排泄されます。単回投与した時の最高血中濃度とAUCは、投与量に比例して上昇します(線形です)。

その裏づけとなる、リリカの基本データが、添付文書に記載されていました。

リリカ50mgを腎機能の異なる群に単回投与した(海外データ)
CCr:60mL以上 T1/2 9.11hr
CCr:30~60   T1/2 16.7hr
CCR:15~30   T1/2 25.0hr

リリカを単回投与した際のCmaxとAUC
50mg 2.03μg/mL 10.7μg・hr/mL
100mg 3.56     20.4
200mg 6.35     43.2
300mg 8.25     61.7

1回投与と3回分割投与のCmaxを試算する

ここで、(A)75mg 1日1回投与と、(B)25mg 1日3回投与した場合、それぞれの反復投与時の最高血中濃度を推算してみます。

①CCr:60mL/min以上の場合、
(A)τ/T1/2=24/9.11=2.6  ∴蓄積率R≒1.2
(B)τ/T1/2=8/9.11=0.88  ∴蓄積率R≒2.2

リリカ25mgを単回投与した際のCmaxをC25maxとすると、定常状態の最高血中濃度は
(A)3.6・C25max
(B)2.2・C25max

従って、1日3回にすれば、定常状態の最高血中濃度は1日1回に比べて約40%抑えることが出来ると考えられます。効果の指標であるAUCは同等と考えられます。

②CCr:30~60mL/minの場合、
(A)τ/T1/2=24/16.7=1.44≒1.5 ∴蓄積率R=1.5
(B)τ/T1/2=8/16,7=0.48≒0.5 ∴蓄積率R=3.4

リリカ25mgを単回投与した際のCmaxをC25maxとすると、定常状態の最高血中濃度は
(A)4.5・C25max
(B)3.4・C25max

従って、1日3回にすれば、定常状態の最高血中濃度は1日1回に比べて約33%抑えることが出来ると考えられます。AUCは同等と考えられます。

ちなみにリリカ75mgを1日1回の場合、定常状態の最高血中濃度は、CCr:60mL/min以上に比べて30~60mL/minでは、蓄積率から計算すると25%上昇していると考えられます。

まとめ

以上より、投与方法を変えるオプションは、一考の価値があると考えます。

処方提案も根拠を示しながら行えば、受け入れられるのではないでしょうか。

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