シンバスタチンはフルコナゾールと安全に併用できますか?



シンバスタチンはフルコナゾールと安全に併用できますか?

☑️はじめに

シンバスタチン(リポバス®)とカンジダ治療薬のフルコナゾール(ジフルカン®)は薬物相互作用がある

シンバスタチン5mg服用中の80歳女性に、フルコナゾール50mgが処方されました。これって併用注意…ですよね。

添付文書では併用注意、類薬のイトラコナゾール(イトリゾール®)は併用禁忌

ジフルカン®の添付文書はリポバス®を併用注意としています。

併用注意
(併用に注意すること)
6. 薬剤名等
HMG-CoA還元酵素阻害薬
 アトルバスタチン
 シンバスタチン等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

出典: www.info.pmda.go.jp

一方、リポバス®️の添付文書はフルコナゾールの類薬であるイトラコナゾールを併用禁忌としています。

併用禁忌
(併用しないこと)
1.薬剤名等
イトラコナゾール:
イトリゾール
ミコナゾール:
フロリード
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。
機序・危険因子
これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される。

出典: www.info.pmda.go.jp


次に掲げる成書には、イトラコナゾールの併用でシンバスタチンのAUCが19倍に増加すると記載されています。1)引用文献とともに紹介します。

「これからの薬物相互作用マネジメント―臨床を変えるPISCSの基本と実践」
スタチンとアゾール系抗真菌薬の相互作用一覧(2014年1月現在)

出典: www.jiho.co.jp

Simvastatin but not pravastatin is very susceptible to interaction with the CYP3A4 inhibitor itraconazole
P J Neuvonen et al. Clin Pharmacol Ther. 1998 Mar.

出典: pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

AUC(area under the blood concentration time curve)は、薬物の血中濃度を時間で積分したもので、生体が利用できる薬物の総量を表します。一般に投与量に比例して増加します。

フルコナゾール併用により、シンバスタチンのAUCはどの程度上昇するのでしょう。併用注意と言うものの、いったい何に注意すれば良いのでしょう?

本記事は添付文書以上の情報を得る手順を紹介します。

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フロリードゲルとワーファリンが併用禁忌なのはCYP2C9相互作用のため。



フロリードゲルとワーファリンが併用禁忌なのはCYP2C9相互作用のため。

☑️はじめに

 

循環器内科でワーファリン®️錠を服用中の患者さんに、耳鼻咽喉科からフロリードゲル®️経口用2%の処方箋が来ました。

 

👩‍⚕️先輩が耳鼻咽喉科に電話して、ファンギゾン®️シロップに変更になったけど、どうして?

👩‍⚕️「理由を調べておいてね」って言われたけど、薬歴が溜まって調べる時間が取れない…。

👩‍⚕️誰かタスケテ…。

出典: twitter.com

そんなあなたに今回の記事が役に立ちます。記事は以下の書籍を参考に執筆しました。

「医療現場のための薬物相互作用リテラシー」

出典: hb.afl.rakuten.co.jp

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クラビットはNSAIDsと併用すると痙攣リスクがある?疑義照会は必要?



クラビットはNSAIDsと併用すると痙攣リスクがある?疑義照会は必要?

国試ではニューキノロン系抗菌剤とNSAIDs(非ステロイド性解熱鎮痛剤)は、けいれんを起こしやすくなると習ったけれど、実際に薬剤師として働きだすと、併用を目にする機会は少なくありません。2つのケースを見てみましょう。

ケース1です。

歯科からタリビット錠100mg 1回1錠 1日3回とボルタレン錠25mg1回1錠頓用の処方箋が来た。患者さんは既往症のない若い男性

クリニカルクエスチョン:併用注意で禁忌ではないけれど疑義照会すべき?

ケース2です。

腎盂腎炎でクラビット錠500mgとカロナール錠200mgが処方になった。

別の機会に、頭痛にロキソニン錠60mgが処方されている。カロナールが効かなかったら飲んでも良いかと質問あり。

患者さんはてんかん既往の若い女性。

クリニカルクエスチョン:併用注意だけど、飲んで良い?

今回のブログを読めば、薬理学や基礎研究の知識による推論だけでなく、実際に患者さんが薬を飲んでどうだったかを調査、統計処理した臨床研究を取り入れ、総合的に考える手法を身につけるきっかけが掴めると思います。

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