潜在性結核感染症の治療はイソニアジド単剤で行われ、リスクのある方には神経障害を回避する為にピリドキサールが予防投与されます。

こんばんは🌙😃❗アロマ薬剤師のゆきです。今夜も処方解析をしましょう。

前期高齢者で、パートナーが結核の標準治療(イソニアジド・リファンピシン・ピラジナミド・エタンブトール)を受けている方に、次のような処方がありました1)。

イソニアジド錠100mg 3錠 1日1回 朝食後
ピリドキサールリン酸エステル水和物錠10mg 6錠 1日2回 朝夕食後

イソニアジド単剤は、潜在性結核感染症(LTBI)の治療目的と考えられます。 結核菌に感染しているけれど、発症していない状態です1)。

この治療の利益とリスクについて述べます。

肺結核と同じようにイソニアジド5mg/kg/day、最大300mg/dayを服用します。治療期間は6ヶ月ないし9ヶ月です。服薬による結核発症の抑制効果は、未治療と比較した場合リスク比で20-50%とされます。

結核菌に感染した場合、生涯に結核を発症するベースラインリスクは10%です。 結核を生涯に発症するのは未治療で100人中10人程度ですが、イソニアジドを飲むことによって2-5人程度まで軽減すると考えられます。

イソニアジドによる副作用は、神経障害が有名です。 機序はイソニアジドがピリドキシンと結合して、尿中にピリドキシンが過排泄される為と考えられています。

疫学的には、神経障害の発症リスクは0.2-2%程度、発現までに要する期間は16週程度。高齢者、糖尿病、HIVなどのリスクファクターが無ければ、まず起こらないと考えられるので、リスクのある方のみ補充を行います。

各国のガイドラインでは、イソニアジドを内服する場合、10-50mg/日のピリドキシン予防投与が推奨されています。

この辺りは、倉原優先生のブログで詳しく紹介されていますので、ぜひご覧になって下さい☺

参考
1)JAID/JSC感染症治療ガイド2014

2)呼吸器内科医(倉原優先生のブログです。)

http://pulmonary.exblog.jp/20720592/


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処方解析。透析患者に対する、肺MAC症の治療。

こんばんは😃アロマ薬剤師のゆきです。今晩も処方解析をしましょう✨

総合病院の呼吸器科から次のような処方せんが来ました。

リファンピシンカプセル150mg 3カプセル
1日1回朝食後
エサンブトール錠250mg 2錠
1日1回昼食後(月・水・金のHD後)
クラリスロマイシン錠200mg 1錠
1日1回朝食後

珍しい処方です。

リファンピシンやエサンブトールが含まれますが、イソニアジドやピラジナミドがなく、結核治療とは異なる処方です。
用量もずいぶん少なく、特殊な感じがします。

結論から言うと、透析患者に対する、肺MAC症の治療と考えられます。

肺MAC症は非結核性抗酸菌(NTM)症の一種です。
非結核性抗酸菌症の原因菌の80%以上をM.avium complex(MAC)が占めます1)。

肺MAC症化学療法について述べます。
基本はリファンピシン(REF)、エサンブトール(EB)、クラリスロマシン(CAM)の3剤併用を行います。
頭文字を取って、RECAM(アール・イー・カム)と呼ばれます。
単剤では効果が弱く、特にクラリスロマイシン単剤では数ヶ月以内に耐性菌が発生する為、注意が必要です。

日本結核病学会非結核性好酸球症対策委員会と、日本呼吸器学会感染症・結核学術部会が推奨する、国内の標準療法は次のようなものです2)。
REF 10mg/kg/day (600mgまで) 分1
EB  15mg/kg/day (750mgまで) 分1
CAM 15mg/kg/day(600-800mg) 分1または分2  (800mgの場合は分2とする)

透析の場合の参考用量は以下になると思われます3)。
REF 10mg/kg/day 1日1回 HD患者も非HD患者と同じ(透析性x)。
EB 10~15mg/kg/dayを48h毎、HD患者はHD日はHD後に投与(透析性○)。
CAM 1回200mgを1日1回(透析性x)。

参考文献
1)「寄り道」呼吸器診療―呼吸器科医が悩む疑問とそのエビデンス 倉原優 シーニュ 2013年
2)肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2012 年改訂
3)腎機能低下時の主な薬物投与量一覧 改定38版 2014年



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カペシタビンとアプレピタントの併用はC法になるので、カペシタビンの用量監査に注意しましょう。

こんにちは👋😃アロマ薬剤師のゆきです。

今日も処方解析をしましょう。

先日、消化器外科から次の処方箋が来ました。

カペシタビン1回1,500mg 1日2回 14日分
アプレピタント80mg 1日1回 2日分

抗がん剤ですね😓慎重に考えたいです。

お薬手帳から、鉄剤、マグミット、大建中湯の処方歴が確認出来ました。

診療科と合わせて考えると、結腸・直腸がん術後の化学療法でしょうか。

患者さまにインタビューした所、次のような追加情報が得られました。

今日イメンドの1回目を服用した。点滴と併用する。点滴は3週間に1回。ゼローダは2週間飲んで1週間休薬する。身長165cm、体重61kg(デュボア式体表面積1.67m^2)

以上の情報から総合的に考えて、C法(結腸・直腸がんにおける補助化学療法)でXELOX療法など、催吐リスク中程度の白金製剤を使用するレジメンではないかと推測しました。

添付文書には次のように書かれています。

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法を使用する。

C法:体表面積にあわせて次の投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。

体表面積1.36㎡以上1.66㎡未満:1回用量カペシタビンとして1500mg

今回の用量とも整合性があります。

エビデンスを付記します。

Stage Ⅲ大腸がんに対する術後補助療法として実施したNO16968試験1)では、XELOX療法の3年DFSは70.9%、5年OSは77.6%と報告されている。
1)Haller DG, et al.: J Clin Oncol. 2011; 29(11): 1465-71.

DFC:無病生存期間。治療後、再発や他の病気がなく患者さんが生存している期間。
OS:全生存期間。臨床試験において治療法の割り付け開始日もしくは治療開始日から患者さんが生存した期間。

カペシタビンによる手足症候群は投与初日から数えて1週間を過ぎた頃から現れ、Grade1は1~2クール目から、Grade2以上はおよそ5クール目から出現する。

化学療法が、奏功することを願いました。



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