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痛風管理に関する薬剤師の知識は教育介入によって向上しますか
☑️はじめに
皆さんが仕事でよく参照する医薬品情報は何でしょうか。
簡便に確認できる添付文書や医薬品集を使用する場合が多く、ボリュームのあるガイドラインを読まれる場合は少ないのではないかと思います。
添付文書はアップデートされるのにタイムラグがある場合が多く、最適な治療方針を学んで患者教育をするには、ガイドラインの知識は不可欠です。
今回、アイルランドで薬剤師にオーディオフォーマットによる14分間の教育介入をすることで、痛風知識をアップデートさせ、さらにガイドラインを参照する行動変容を促した論文を紹介します。
e-learningによる薬剤師の知識のアップデート、PHARMYUKI™の理念に関わる論文ですね!
そうだね。痛風管理の知識を向上させ、GLを参照する行動変容を促したよ。わたしたちも頑張ろう。
プロローグ
Rp.アロプリノール
コルヒチン👨薬剤師の友達が、コルヒチンは発作の時だけじゃない?て言うんだけど。
👧💭この前e-learningで習ったなんだっけ。
👧実はコルヒチンカバーと言って…
👨なるほど、そうなんだ!じゃあ飲んでみるよ。出典: twitter.com
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☑️論文紹介
論文の抄録を翻訳します。
「痛風管理に関する薬剤師の知識:教育介入の影響」
【背景】
薬剤師は地域の痛風教育において重要な役割を担っている。我々は、痛風管理に関する薬剤師の知識を調査し、教育的介入を開発し、アイルランドの薬剤師のコホートで評価した。
【方法】
薬剤師の知識を評価するために、痛風管理に関する10問の質問票を作成した。14分26秒のビデオ教育介入を、リウマチ専門医、薬剤師、および薬学教育リソースのデザイナーが共同で設計した。この薬学的介入の有効性は、薬剤師53名(介入群25名、対照群28名)に対して同じ質問票を用いて評価された。群間差の分析には分割表が用いられた。
【結果】
痛風治療の第一選択薬はキサンチンオキシダーゼ阻害薬(アロプリノールなど)と予防薬(コルヒチンなど)の併用であると答えたのは35.3%、尿酸降下療法開始時にコルヒチン予防薬を使用すべきと回答したのは28.9%であった。教育介入後、薬剤師の痛風管理に関する知識は、尿酸降下薬使用時の血清尿酸値目標値(p = 0.006)、コルヒチン予防薬の使用(p = 0.011)、コルヒチン使用期間(p < 0.001)など多くの領域で向上した。
【結論】
痛風の管理に関する推奨事項は、薬局での実践が軽視されると妨げられる可能性がある。薬剤師は患者にとって貴重な情報源である。薬剤師と共同で簡単な教育介入を行うことは、痛風の管理に関する薬剤師の知識を高めるための効果的で低コストの方法である。
Emma R Dorris, et al.,
Pharmacist knowledge of gout management: impact of an educational intervention
BMC Rheumatol. 2022 May 23;6(1):30.
PMID: 35599318 PMCID: PMC9125937 CC-BY
☑️コルヒチン添付文書
2016年の改定から、コルヒチンには痛風発作の予防の適応があります。
予防投与は1日0.5~1.0mg/日です。
発作の緩解の用量も1回0.5mgですので、知識がなければ予防投与と分からない場合もありそうです。
用法及び用量
痛風発作の緩解及び予防通常、成人にはコルヒチンとして1日3〜4mgを6〜8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5〜1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。コルヒチン錠「タカタ」添付文書
☑️コルヒチンカバーについて
痛風発作の予防を目的に、コルヒチンを連日服用することは、コルヒチンカバーと呼ばれます。
日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」では、コルヒチンカバーについて、次のように説明しています。
尿酸降下薬開始後に急性痛風関節炎が生じることがある。このような急性痛風性関節炎の予防方法の1つがコルヒチンカバーである。コルヒチン0.5~1.0mg/日を尿酸降下薬と併用し、3~6か月後にコルヒチンを中止する。必ずしも行う必要はないが、急性痛風性関節炎が頻発している場合や慢性関節炎例では行ってみてよい。
日本痛風・核酸代謝学会
「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」
☑️論文を読んで考えた事
論文の調査では、アイルランドの173人の薬剤師のうち、67.6%はコルヒチンを6か月連続投与することを知らず、コルヒチンの情報を参照したソースについて、85.8%は医薬品集を挙げました。ガイドラインを挙げたのは8.7%に留まりました。
薬局薬剤師は最もアクセスしやすい医療チームのメンバーであり、患者教育の中心メンバーです。その一方、この研究では、薬剤師は情報ソースとしてガイドラインを使用しておらず、そのため、痛風管理の推奨について最新の情報を把握していない可能性があることが示されました。
そしてe-learningの結果、介入群は対照群よりも痛風管理についての知識が有意に多い結果でした。さらに、介入グループの大部分が、痛風の管理にガイドラインを情報源として使用すると報告しました(介入グループでは48.0%、対照では17.9%、p = 0.037)。
注目すべきことに、論文では薬剤師と教育介入を共同設計することが、痛風の管理に関する薬剤師の知識を増やすための効果的で低コストの方法である可能性があることを実証したとしています。
PHARMYUKI™のような活動が薬剤師の行動変容を促すエビデンスになると言えないでしょうか。
☑️まとめ
薬剤師の生涯教育として、薬剤師と共同設計したオーディオフォーマットのe-learningが有効であるとの報告を見て来ました。
ガイドラインを参照するという行動変容も有意でした。
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最終更新日2022年6月25日
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