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☑️はじめに
クラビット®️(レボフロキサシン)を3日間飲んだが効かない
膀胱炎で受診した60代の女性の患者さんが再来されました。
👵クラビットを3日間飲んだけれど、よくならなくって。薬が変わってるでしょ?今度のは効くかな?
📝フロモックス(CFPN-PI)100mg 3錠 分3 5日分
👩⚕️💭膀胱炎と言えば、クラビットでしょ。フロモックスなんか効くかな?誰かタスケテ…
出典: twitter.com
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☑️閉経後膀胱炎の起因となる細菌及び、その感受性、薬剤の選択
JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015を参照しましょう。
閉経後女性の単純性膀胱炎
JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015-尿路感染症・男性性器感染症日本感染症学会、日本化学療法学会
大腸菌の割合が多く、キノロン耐性率が高い
閉経後の女性における急性膀胱炎の分離菌としては、グラム陽性球菌の分離頻度が低く、大腸菌はキノロン耐性率が高いと記載しています。
閉経前は腐性ブドウ球菌などのグラム陽性球菌が比較的多く、大腸菌のキノロン感受性も良いのと対照的です。
ガイドラインの第一選択はセフェム
そのため、第一選択としてはセフェム系薬またはβラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬を推奨(BⅡ)しています。
ガイドラインを抜粋しますが、今回の処方と全く同じ薬剤、用法用量の記載があります。
閉経後女性の単純性膀胱炎の第一選択
CFPN-PI 経口1 回100mg
1日3回 5~7日間JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015
グラム陽性球菌は少ないが、セフェム無効が多い
また、グラム染色でグラム陽性球菌が確認されている場合には、キノロン系薬を選択するとあります。もし起因菌が腸球菌だった場合、セフェムでは自然耐性があるからでしょう。
…β-ラクタム系薬はグラム陽性球菌には無効なことが多いため、尿培養でグラム陽性球菌が疑われる場合はキノロン系薬を選択する(BII)
JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015
本患者の場合はグラム染色なしで、経験的にレボフロキサシンが投与されましたが、キノロン耐性大腸菌が疑われて、セフェム系に変更になったのでしょうか。
効くまでの投与期間は
ニューキノロンで3日、セフェムで1週間
また、抗菌薬の投薬期間については、一般にキノロン系薬、ST合剤は3日間 1)、βラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬、セフェム系薬などは7日間 2)必要とされています。
ただし、一部の第3世代セフェム系薬も3日間投与での有効性が示されています(Ⅰ) 3)。
キノロン系抗菌薬CPFX 3日間投与と1週間投与を比較しても有効率、再発率に有意な差がなかったと報告されています。1)(AⅠ)
☑️まとめ
処方内容の妥当性は確認出来ました。患者さんには、治療効果が期待出来ること、治療を完遂出来るよう、抗生物質を飲み忘れなく、日数分服用することを指導しました。
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最終更新日2021年1月5日
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☑️参考文献
1)Vogel T, Verreault R, Gourdeau M, Morin M, Grenier-Gosselin L, Rochette L:Optimal duration of antibiotic
therapy for uncomplicated urinary tract infection in older women;a double-blind randomized controlled
trial. CMAJ 2004;170:469―73.
2)Gupta K, Hooton TM, Naber KG, Wullt B, Colgan R, Miller LG, et al.:International clinical practice guidelines
for the treatment of acute uncomplicated cystitis and pyelonephritis in women;A 2010 update by the Infectious
Diseases Society of America and the European Society for Microbiology and Infectious Diseases. Clin
Infect Dis 2011;52:e103―20.
3)Hooton TM, Roberts PL, Stapleton AE:Cefpodoxime vs ciprofloxacin for short-course treatment of acute
uncomplicated cystitis:a randomized trial. JAMA 2012;307:583―9.
4)Kavatha D, Giamarellou H, Alexiou Z, Vlachogiannis N, Pentea S, Gozadinos T, et al.:Cefpodoxime-proxetil
versus trimethoprim-sulfamethoxazole for short-term therapy of uncomplicated acute cystitis in women.
Antimicrob Agents
Chemother 2003;47:897―900.