処方解析。透析患者に対する、肺MAC症の治療。


処方解析。透析患者に対する、肺MAC症の治療。

はじめに

呼吸器科からの次のような処方箋を、皆さんは監査出来ますか?

リファンピシンカプセル150mg 3カプセル
1日1回朝食後
エサンブトール錠250mg 2錠
1日1回昼食後(月・水・金のHD後)
クラリスロマイシン錠200mg 1錠
1日1回朝食後

珍しい処方です。

リファンピシンやエサンブトールが含まれますが、イソニアジドやピラジナミドがなく、結核治療とは異なる処方です。

用量もずいぶん少なく、特殊な感じがします。

結論から言うと、透析患者に対する、非結核性抗酸菌症の一種である肺MAC症の治療と考えられます。

この記事を読めば、肺MAC症の標準治療と、透析患者への減量処方が監査出来るようになります。

肺MAC症は非結核性抗酸菌症の一種

肺MAC症は非結核性抗酸菌(NTM)症の一種です。
非結核性抗酸菌症の原因菌の80%以上をM.avium complex(MAC)が占めます1)。

肺MAC症に対する化学療法はRECAM

基本はリファンピシン(REF)、エサンブトール(EB)、クラリスロマシン(CAM)の3剤併用を行います。

頭文字を取って、RECAM(アール・イー・カム)と呼ばれます。

単剤では効果が弱く、特にクラリスロマイシン単剤では数ヶ月以内に耐性菌が発生する為、注意が必要です。

肺MAC症に対する標準治療

日本結核病学会非結核性好酸球症対策委員会と、日本呼吸器学会感染症・結核学術部会が推奨する、国内の標準療法は次のようなものです2)。
REF 10mg/kg/day (600mgまで) 分1
EB  15mg/kg/day (750mgまで) 分1
CAM 15mg/kg/day(600-800mg) 分1または分2  (800mgの場合は分2とする)

透析患者の場合の参考用量

透析の場合の参考用量は以下になると思われます3)。
REF 10mg/kg/day 1日1回 HD患者も非HD患者と同じ(透析性x)。
EB 10~15mg/kg/dayを48h毎、HD患者はHD日はHD後に投与(透析性○)。
CAM 1回200mgを1日1回(透析性x)。

まとめ

冒頭の処方箋の妥当性を理解出来るようになったと思います。

薬局薬剤師は、基本、全診療科からあらゆる処方箋を受付ますから、幅広い薬物療法と疾患の知識が必要になります。

質の高い医療を提供出来るよう、調べた内容をEvernoteにまとめているのですが、経験を共有出来たらと思い、ブログを書いています。

これからも更新していきますので、よろしくお願いします。

参考文献
1)「寄り道」呼吸器診療―呼吸器科医が悩む疑問とそのエビデンス 倉原優 シーニュ 2013年
2)肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2012 年改訂
3)腎機能低下時の主な薬物投与量一覧 改定38版 2014年



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