薬局はあなたの毎日を守る小さな小さな最後の砦(「アンサング・シンデレラ」単行本帯より)その2

帯状疱疹で92歳の女性Aさん(仮)にバルトレックス錠500mg 6錠 分3 毎食後が処方されました。

体格は、身長140cm、体重40kgと小柄です。体表面積(BSA)は1.24m2です。

Aさんの処方箋は、このまま調剤して良いのでしょうか?

高齢の人はバルトレックスを減量する必要がないかチェックが必要

バルトレックスは腎臓で濾過されて、尿に排泄されます。腎機能は年齢とともに衰えるので、高齢の方は減量しなくて良いか、チェックが必要です。

血液検査の結果をスキャンしたものが電子薬歴にありましたので、Aさんの腎機能が確認出来ました。

標準化eGFR47mL/分/1.73m2でした。

標準化eGFRは、体格を反映した個別eGFRへの変換が必要

標準化eGFRは、体表面積1.73m2に標準化して表記した腎機能です。

そのため、Aさんの投与量を決めるためには、体表面積の補正を外し、個別eGFRを求めなければいけません。

Aさんの個別eGFRは、34mL/分でした

個別eGFRは、添付文書のクレアチニンクリアランスに近似できる

詳しい説明は省きますが、個別eGFRは添付文書のクレアチニンクリアランス(Ccr)に近似するので、読み替えることが出来ます。

バルトレックスの添付文書を見ると、クレアチニンクリアランス49~30mL/分では1000mg 12時間おき、記載されています。

減量が必要と判断、処方医への疑義照会でバルトレックスが減量となった

Aさんの場合も減量が必要と判断した為、処方元の医院に照会しました。

照会後、バルトレックス錠500mg 4錠 分2 朝夕食後に変更となりました。

バルトレックスを減量することで、アシクロビル脳症のリスクを低減出来たと思います。

減量がスムーズに出来たのは、普段から良好なコミュニケーションがあったから

Aさんのバルトレックスの減量は、教科書に書かれているようにスムーズに行えました。

これは、薬局で普段から良好なコミュニケーションがあって、血液検査の結果や、身長・体重と言った基本情報が分かっていたからです。

薬物療法のリスクを最小に、効果を最大にするのが薬剤師の仕事

この記事を読まれた方は、処方箋が常に万全ではなく、時に修正が必要なこと、その判断には血液検査の結果や体格が重要なことを分かって頂けたと思います。

薬剤師は、薬を飲む方にベストな薬物療法を提供するのが仕事です。

その為に検査値や体格の情報が必要です。

お薬手帳に検査値などを貼って、有効活用しましょう

安全に効果的に薬を飲むために、お勧めするのはお薬手帳の活用です。

病院でもらった検査値の紙は、お薬手帳に貼っておきましょう。身長や体重も、お薬手帳に記入しておきましょう。

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