糖尿病患者の生活習慣改善による体重減少のエビデンス。心血管リスクを増やすことなく、減薬出来ました。

Look AHEAD Trial は2型糖尿病患者に強化生活習慣改善介入(ILI: Intensive Lifstyle Intervention)を加えることにより、1年後(PMID:17363746)、4年後(PMID:20876408)それぞれにおいてHbA1cのみならず、心血管疾患(CVD)リスク因子が低下したことを示しました。

観察期間の中央値9.6年で試験は中止されましたが、減量を中心としたILIは心血管疾患イベントの発生を減少させませんでした。

5145例の過体重の2型糖尿病患者(45~74歳・BMI>25・HbA1c<11・BP 160/100未満・TG<600を2群に分け、ILI群では>7%の減量およびその維持を目標、グループセッションおよび個人面談を行い、カロリー制限食(脂肪によるカロリー摂取を最大30%減少、蛋白質によるカロリー摂取を最低15%減少)と運動(目標は中等度の運動175分/週)を実施しました。

さらに必要に応じて減量薬の投与または行動療法を実施しました。対照群では食事・運動・社会支援に関するグループセッションを3回実施しました。1年後・4年後の体重は臨床的に有意に減少(1年後:8.6%vs0.7%、4年後:6.15% vs 0.88%)、それにより糖尿病コントロールおよびCVDリスク因子は改善され、薬物療法を要する患者も減少しました。

試験は2012年9月に中止され、治療経過観察期間は中央値は9.6年でした。試験終了時、依然として体重減少率に有意差がありました(6.0%vs3.5%、P<0.05)。

HbA1cは、ILI群で7.3%、対照群で7.2%でした。複合一次エンドポイントである心血管疾患新規発症は、ILI群403例(1.83/100人・年)、対照群418例(1.92/100人・年)と有意な差は認められませんでした(ハザード比0.95, 95%CI:0.83-1.09, P=0.51)。

見方を変えれば、心血管リスクを増やさず、薬が減らせたと解釈することも出来ると考えられます。

高価なDPP-4阻害剤が心血管リスクに関してプラセボと有意差なしと謳って販売されているのを見るにつけ、私たちの社会的コンセンサスでは、リスクを増やさないと言うだけでアドバンテージと見る事はあながち間違いではないかも知れません。

参考文献 内科診療ストロングエビデンス



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CVDリスクのある日本人においてメトホルミンはSU剤に比して大血管症を低下させることが示唆されている。

CVDリスクのある日本人においてメトホルミンはSU剤に比して大血管症を低下させることが示唆されています。論文アブストラクトを掲載します。

機械翻訳です。

「背景:いくつかの経口血糖降下薬(OHA)は、2型糖尿病(T2DM)における心血管疾患(CVD)のリスクを低減することが示唆されている。 OHAがCVDリスクに影響を及ぼすかどうかは、日本の多元医療費会計データベースのコホート分析で確認した。

方法:(1)単一のOHA(スルホニルウレア、ビグアナイド、チアゾリジンジオン、α-グルコシダーゼ阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤)を用いた治療を開始した(1)2型糖尿病患者の4095および1273人のデータを、グリシン、またはジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤)を投与し、約1〜 (ii)ベースラインでのヘモグロビン(Hb)A1cレベルが利用可能であった; (iii)ベースライン時の年齢は40〜70歳であった。 ICD-10によるスルホニルウレアに対するOHAsのCVDリスクへの影響を、カプラン – マイヤー曲線を用いて104日間分析した(図3)。

結果:CVDの有無のT2DM患者を対象とした研究1では、ビグアニドによる初期およびベースライン治療は、スルホニルウレアと比較してCVDのリスクを有意に低下させ、HbA1cの制御とは無関係であった。研究2では、CVDの病歴を有するT2DM患者において、ビグアニドのスルホニルウレアに対するCVDリスクに対する同様の有意な予防効果が観察された。

結論:ビグアニドの初期治療およびベースライン治療は、日本人のT2DM患者におけるビグアニドの血糖降下効果とは無関係に、スルホニル尿素と比較してCVDリスクを低下させることができる。」

1)Tanabe M et al. Reduced vascular events in type 2 diabetes by biguanide relative to sulfonylurea: study in a Japanese Hospital Database. BMC Endocr Disord. 2015 Sep 17;15:49. PMID: 26382923

BENEDICTでは正常アルブミン尿の高血圧合併2型糖尿病患者における降圧剤の違いを検討している。ACE阻害薬のトランドプリルは微量アルブミン尿の発症を有意に抑制した。

BENEDICTでは正常アルブミン尿の高血圧合併2型糖尿病患者における降圧剤の違いを検討しています。

ACE阻害薬のトランドプリルは、プラセボ及びCa拮抗薬のベラパミルに比して、微量アルブミン尿の発症を有意に抑制しました1)。

以下、論文アブストラクトの機械翻訳を掲載します。

「背景:多施設二重盲検ランダム化ベルガモ腎症糖尿病合併症試験(BENEDICT)は、アンギオテンシン変換酵素阻害剤および非ジヒドロピリジンカルシウムチャネル遮断薬が、単独または組み合わせて、高血圧の被験者における微小アルブミン尿症を予防するかどうかを評価するために設計された2糖尿病、および正常尿アルブミン排泄が含まれる。

方法:トランドラプリル+ベラパミル、トランドラプリル単独、ベラパミル単独、プラセボの4群に無作為に割りつけられた1204名の被験者を少なくとも3年間の治療を受けるように研究した。目標血圧は120/80 mmHgであった。

主要エンドポイントは、持続性微小アルブミン尿症(2回連続して1分当たり20μg以上のアルブミン排泄)であった。

結果:トランドラプリル+ベラパミルを投与した被験者の5.7%、トランドラプリルを投与した被験者の6.0%、ベラパミルを投与した被験者の11.9%、対照対象者の10.0%がプラセボ投与を受けた。

ベラパミルとトランドラプリルとプラセボとの比較(P = 0.01)については、既定のベースライン特性に合わせて調整した推定加速係数(疾患進行の加速または遅延における1つの治療の効果を定量化する)は0.39であり、トランドラプリル(P=0.01)、ベラパミルとプラセボの比較では0.83であった(P=0.54)。

トランドラプリル+ベラパミルおよびトランドラプリル単独では、微小アルブミン尿の発症がそれぞれ2.6倍および2.1倍遅れた。重篤な有害事象はすべての治療群で同様であった。

結論:2型糖尿病および高血圧ではあるが正常アルブミン尿の患者では、トランドラプリル+ベラパミルおよびトランドラプリル単独の使用は、微量アルブミン尿の発生率を同様に低下させた。ベラパミル単独の効果はプラセボの効果と同様であった。」

1)N Engl J Med. 2004 Nov 4;351(19):1941-51. Epub 2004 Oct 31  Preventing microalbuminuria in type 2 diabetes.

PMID: 15516697

Funagata study: 食後血糖の高値は大血管合併症の重要なリスクファクターである。

血糖コントロールの指標として空腹時血糖値とHbA1cが用いられることが多いですが、食後血糖の高値も、大血管合併症の重要なリスクファクターと考えられています。

Funagata Studyは日本人を対象にした観察研究です。一般住民において、75gOGTTによる分類と群間のリスクの評価を行い、空腹時高血糖(110~125mg/dL)ではなく、経口糖負荷試験2時間血糖値(140~199mg/dL)が、動脈硬化疾患を有意に増加していることを報告しました1)。

また、食後高血糖を改善するα-グルコシダーゼ阻害薬を用いた欧米の臨床試験、STOP-NIDDM(The Study To Prevent Non-insulin-dependant diabetes mellitus)においても、プライマリ・アウトカムではないものの、動脈硬化疾患の減少効果が認められました。

以下、Funagata Studyアブストラクトの機械翻訳です。
「目的: 最近、米国糖尿病学会専門家委員会が提案した空腹時グルコース(IFG)の新しいカテゴリーが、心臓血管疾患の危険因子であるかどうかを判断する。

研究デザインと方法: 1990年〜1996年の山形県豊後田町における糖尿病罹患率調査の参加者からなるコホート集団からの死亡証明書および居住者移転文書を、1996年末までに分析した。コホート集団は、(WHO基準に基づいて)正常耐糖能群(NGT) (n = 2,016)、耐糖能障害(IGT)(n = 382)、および糖尿病(n = 253)の3つの群に分類された。その後、同じ集団を(ADA基準に基づいて)空腹時血糖正常群(NFG)、IFGおよび糖尿病に再分類した。群間の累積生存率を古典的生命表法を用いて比較し、年齢調整分析、人年法、およびCox比例ハザードモデルを採用した。

結果: 観察された7年の終わりに、IGTおよび糖尿病の心血管疾患からの累積生存率は、それぞれ0.962および0.954であり、いずれもNGT(0.988)のそれより有意に低かった。COX比例ハザードモデル分析は、心臓血管疾患による死亡時のIGT対NGTのハザード比が2.219(95%CI 1.076-4.577)であることを示した。しかしながら、心血管疾患によるIFGの累積生存率は0.977であり、NFG(0.985)と有意差はなかった。心血管疾患死亡のIFG対NFGのCOX比例ハザード比は1.136(0.345-3.734)であり、これもまた有意ではなかった。

結論: IGTは心血管疾患の危険因子であったが、IFGはそうではなかった。」

参考文献 「エビデンスを活かす糖尿病療養指導」

1)Funagata study Tominaga M, Eguchi H, Manaka H, Igarashi K, Kato T, Sekikawa A: Impaired glucose tolerance is a risk factor for cardiovascular disease, but not impaired fasting glucose. The Funagata Diabetes Study. Diabetes Care 1999; 22: 920-924. PMID: 10372242
Diabetes Care. 1999 Jun;22(6):920-4.

メトホルミンにDPP-4阻害薬を上乗せすることで、SU剤の上乗せに比して心血管複合アウトカムを有意に低下させた。

こんにちは。研修認定薬剤師の奥村です

今日は糖尿病の治療薬の話です。糖尿病には様々な薬があり、1種類で思うように治療効果が上がらない場合に、複数の薬を組み合わせて治療することは良くあります。いったい、どの薬と、どの薬を組み合わせるのが良いのでしょうか。専門家でも迷うような問いと思います。それに示唆を与えるような論文がありましたので、今回紹介いたします。

今回取り上げるのは、英国の大規模なコホート研究です。集団を長期間フォローすることによって、薬剤効果を推定するような研究です。

2型糖尿病患者11,807人を対象に、メトホルミンに上乗せする薬剤としてDPP-4阻害剤とSU剤を比較しています。

プライマリ・エンドポイントとして心筋梗塞、脳卒中、総死亡の複合アウトカムを検討しました。

結果、イベント発生は1.2%/年vs2.2%/年であり、バイアスを排除するための傾向スコアによる調整後ハザード比(HR)0.62; 95%CI, 0.40-0.98で、DPP-4阻害剤を併用した群においてリスクが統計的に有意に低下していました1)。

この論文からは、メトホルミンに上乗せする薬剤はSU剤よりもDPP-4阻害剤の方が好ましいと言えるかも知れません。今後、この研究の結果を支持するような研究が現れるのか、あるいは覆すような研究が現れるのか、注目して行きたいと思います。

今日の話はいかがでしたでしょうか。ご家族の健康を守るための参考になさってください。

最後に、アブストラクトの翻訳を掲載します。機械翻訳を手直ししています。

「目的:ファーストラインの治療に失敗後、DPP-4阻害剤とSU剤、またはメトホルミンを併用した場合、どちらが主要心血管イベント(心筋梗塞および脳卒中)リスク、及び総死亡リスクの低下と関連づけられるかを決定する。方法:1988年1月1日から2011年12月31日の間にメトホルミンまたはSU剤単独療法で新たに治療された患者集団を英国臨床実践研究データリンクを用いて同定し、2012年12月31日まで追跡調査した。 DPP-4阻害剤-メトホルミン併用とSU剤-メトホルミン併用を比較したハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を、Cox比例ハザードモデルを用いて推定し、心筋梗塞、脳卒中および総死亡から成る複合エンドポイントのリスクを研究した。モデルは、高次元の傾向スコアデシルに対して調整された。結果:コホートは、DPP-4阻害剤 – メトホルミンの併用で2286人、SU剤- メトホルミンの併用で9521人を含む11,807人の患者から成っていた。複合エンドポイントの粗発生率(95%CI)は、それぞれDPP-4阻害剤 – メトホルミンおよびスルホニルウレア – メトホルミンの組み合わせについて、それぞれ1.2%(0.8%〜1.7%)および2.2%(1.9%〜2.5%)であった。高次元傾向スコア調整モデルでは、DPP-4阻害剤 – メトホルミンの併用は、スルホニルウレア – メトホルミンの併用と比較して、複合エンドポイント(調整HR:0.62; 95%CI 0.40〜0.98)のリスクが38%減少した。結論:スルホニル尿素 – メトホルミンの併用と比較して、メトホルミン- DPP-4阻害剤の併用は、主要心血管イベントおよび総死亡率の低下と関連していた。」

1)Yu OH et al. The combination of DPP-4 inhibitors versus sulfonylureas with metformin after failure of first-line treatment in the risk for major cardiovascular events and death. Can J Diabetes. 2015 Oct;39(5):383-9. PMID: 25840943
Can J Diabetes. 2015 Oct;39(5):383-9. doi: 10.1016/j.jcjd.2015.02.002. Epub 2015 Apr 1.

微量アルブミン尿のある2型糖尿病患者160人を多因子治療群と標準治療群に分け、検討が行われた。全死亡は46%抑制された。

糖尿病の治療は、単に血糖コントロールを改善するだけでなく、血圧やコレステロール値も良好にコントロールすることが重要です。

今回紹介する論文は、多因子の治療の有効性を検討したものです。

微量アルブミン尿のある2型糖尿病患者160人を多因子治療群と標準治療群に分け、HbA1c<6.5%、TCHO<175, 空腹時TG<150, sBP<130, dBP<80を多因子治療群の治療目標とする検討が行われています。

平均治療期間7.8年で、その後5.5年は群間治療差は設けず観察のみ行いました。全死亡リスクは0.54倍(95%CI;0.32-0.89)、心血管死0.43倍(95%;0.19-0.94)、心血管イベント0.41倍(95%CI;0.25-0.67)と有意に低下していました1)。

以下、論文アブストラクトの機械翻訳を掲載します。

「背景:厳格なグルコース調節およびレニン – アンギオテンシン系遮断薬、アスピリン、および脂質低下剤の使用による、多因子介入の強化は、2型糖尿病および微小アルブミン尿症の患者における非致死性心血管疾患のリスクを低減することが示されている。

我々は、このアプローチがどんな原因および心臓血管の原因による死亡率に影響を与えるかどうか評価した。

方法:Steno-2 Studyでは、2型糖尿病および持続性微小アルブミン尿症患者160人に、集中治療または従来の治療のいずれかをランダムに割り当てた。平均治療期間は7.8年であった。続いて、患者を平均して5.5年間観察し、2006年12月31日まで追跡した。13.3年間の追跡期間の主要評価項目は、いかなる原因による死亡時期であった。

結果:寛解療法群の24人の患者が死亡した(ハザード比0.54、95%信頼区間[CI] 0.32〜0.89、P = 0.02)。

集中治療は、心血管系の原因(ハザード比、0.43; 95%CI、0.19〜0.94、P = 0.04)および心臓血管イベント(ハザード比、0.41; 95%CI、0.25〜0.67; P) <0.001)。

集中治療群の1人の患者は、慣習療法グループの6人の患者と比較して末期腎疾患への進行があった(P=0.04)。

集中治療群では、網膜の光凝固術を必要とする患者が少なかった(相対リスク0.45,95%CI 0.23-0.86、P = 0.02)。

主要な副作用はほとんど報告されなかった。

結論:2型糖尿病のリスクのある患者では、複数の薬剤の併用および行動の変更による集中的介入が、血管合併症およびあらゆる原因および心臓血管の原因による死亡率に関して有益な効果を持続していた。」

1)Effect of a multifactorial intervention on mortality in type 2 diabetes. N Engl J Med. 2008 Feb 7;358(6):580-91. doi: 10.1056/NEJMoa0706245.  PMID: 18256393

SPREAD-DIMCADで、メトホルミンは冠動脈疾患のある中国人2型糖尿病患者の大血管疾患を抑制した。

SPREAD-DIMCADと言う臨床研究を紹介します。

メトホルミンの研究は従来欧米人の肥満患者を対象にした研究が主体でしたが、冠動脈疾患のある中国人2型糖尿病患者を対象とした二次予防研究が計画され、結果、メトホルミンはSU剤と比較してリスクを有意に低下させることが示されました。

大血管疾患複合エンドポイントに対して、SU剤を対照とした調整ハザード比は、0.54(95%CI 0.30~0.90; p=0.026)でした1)。
本検討ではSU剤のglipizideに比して、メトホルミンで大心血管疾患複合イベントが抑制されましたが、メトホルミン群とglipizide群の間で差が認められたのはBMIとウエストサイズのみであり、他の指標には差がありませんでした。

例えば試験終了時のHbA1c値は、glipizide群とメトホルミン群で同等でした。2つの薬剤の血糖改善作用の機序は全く異なりますので、その差異が主要心血管イベントの発症率の差につながったのではないかと考える臨床家もあり、今後詳細な検討が期待されます。

以下、アブストラクトの機械翻訳です。

「目的:抗糖尿病薬の2つの主要なクラスであるスルホニル尿素およびメトホルミンは、糖尿病患者における大血管合併症および死亡率に差異的に影響し得る。

我々は、冠動脈疾患(CAD)の病歴を有する2型糖尿病患者の主要な心血管イベントに対するグリピジドおよびメトホルミンの長期効果を比較した。

研究デザインと方法:この研究は、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験である。

平均年齢= 63.3歳(36-80歳の範囲)のCADを有する合計304人の2型糖尿病患者が登録された。参加者は、グリピジド(1日30mg)またはメトホルミン(1日1.5g)のいずれかを3年間無作為に割り付けた。

主要エンドポイントは、心血管系の原因による死亡、任意の原因による死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または動脈血管再生を含む再発性心血管イベントの複合までの時間であった。

結果:研究薬物投与の終了時に、両群とも糖化ヘモグロビン(グリピジド群で7.1%、メトホルミン群で7.0%)の有意な減少を達成した。

5.0年間の中央値追跡調査では、91名の参加者が103のプライマリエンドポイントを作成した。

Intention-to-treat分析は、グリピジドと比較して、メトホルミンを受けた患者の心血管イベントの複合体に対する0.54(95%CI 0.30-0.90; P = 0.026)の調整ハザード比(HR)を示した。

二次エンドポイントおよび有害事象は、2つのグループ間で有意に異ならなかった。

結論:メトホルミンの3年間の治療は、グリピジドと比較してメジャーなフォローアップ5.0年で主要な心血管イベントを実質的に減少させた。

我々の結果は、リスクの高い患者の心血管のアウトカムに対するメトホルミン療法の潜在的な利点を示している。」

1)Hong J et al. Effects of metformin versus glipizide on cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and coronary artery disease. Diabetes Care. 2013 May;36(5):1304-11. PMID: 23230096

以下、pubmedの転載です。
1. Diabetes Care. 2013 May;36(5):1304-11. doi: 10.2337/dc12-0719. Epub 2012 Dec 10.

Effects of metformin versus glipizide on cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes and coronary artery disease.

Hong J(1), Zhang Y, Lai S, Lv A, Su Q, Dong Y, Zhou Z, Tang W, Zhao J, Cui L, Zou D, Wang D, Li H, Liu C, Wu G, Shen J, Zhu D, Wang W, Shen W, Ning G; SPREAD-DIMCAD Investigators.

Collaborators: Ning G, Hong J, Zhang Y, Wang W, Gui M, Chen Y, Chi Z, Yan Q, Zhai Y, Shen W, Lv A, Zhang R, Yang J, Zhang Y, Fan X, Hang M, Zhang D, Su Q, Dong Y, Xing H, Zhou Z, Li X, Tang W, Zhao J, Guan Q, Zhang X, Cui L, Chen L, Zou D, Li J, Chen Y, Wang D, Shen F, Wu W, Li H, Zhou J, Liu C, Yang T, Shen B, Wu G, Qu S, Sheng C, Cheng X, Shen J, Xue Y, Wang M, Luo X, Zhu D, Shen S, Yao S, Yu X, Jin H, Shi J, Feng B, Ni Y, Yan S, Wang Y, Gong X.

Author information: (1)Shanghai Jiao Tong University School of Medicine, Shanghai, China.

Comment in Ann Intern Med. 2013 Apr 16;158(8):JC4. Diabetes Care. 2014;37(1):e21. Diabetes Care. 2014;37(1):e19-20.

OBJECTIVE: The two major classes of antidiabetic drugs, sulfonylureas and metformin, may differentially affect macrovascular complications and mortality in diabetic patients. We compared the long-term effects of glipizide and metformin on the major cardiovascular events in type 2 diabetic patients who had a history of coronary artery disease (CAD). RESEARCH DESIGN AND METHODS: This study is a multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. A total of 304 type 2 diabetic patients with CAD, mean age = 63.3 years (range, 36-80 years), were enrolled. Participants were randomly assigned to receive either glipizide (30 mg daily) or metformin (1.5 g daily) for 3 years. The primary end points were times to the composite of recurrent cardiovascular events, including death from a cardiovascular cause, death from any cause, nonfatal myocardial infarction, nonfatal stroke, or arterial revascularization. RESULTS: At the end of study drug administration, both groups achieved a significant decrease in the level of glycated hemoglobin (7.1% in the glipizide group and 7.0% in the metformin group). At a median follow-up of 5.0 years, 91 participants had developed 103 primary end points. Intention-to-treat analysis showed an adjusted hazard ratio (HR) of 0.54 (95% CI 0.30-0.90; P = 0.026) for the composites of cardiovascular events among the patients that received metformin, compared with glipizide. The secondary end points and adverse events were not significantly different between the two groups. CONCLUSIONS: Treatment with metformin for 3 years substantially reduced major cardiovascular events in a median follow-up of 5.0 years compared with glipizide. Our results indicated a potential benefit of metformin therapy on cardiovascular outcomes in high-risk patients.

PMCID: PMC3631843 PMID: 23230096 [PubMed – indexed for MEDLINE]

糖尿病の薬のレパグリニドとピロリ菌除菌のクラリスロマイシンで重症低血糖を生じた例。

こんにちは。今回は薬の飲みあわせの話です。糖尿病で通院中のAさんはレパグリニドと言う薬を飲んでいます。膵臓からインシュリン分泌を促す薬です。この地域では珍しい処方でしたので、業務の合間に、インターネットを利用して、後学のために医薬品情報を収集しました。その中で、PUBMEDで気になる論文を見つけました。

レパグリニドと抗生物質のクラリスロマイシンを併用する事で、重症低血糖を生じたと言う症例報告です。レパグリニドの添付文書にクラリスロマイシンの相互作用は記載されていませんでしたが、薬物代謝酵素のCYP3A4と、薬物トランスポーターのOATP1B1を介した相互作用として、免疫抑制薬のシクロスポリンは記載があり、おそらくクラリスロマイシンも同様の機序により、レパグリニドの血中濃度を上げた事に起因する副作用と推察されます。

論文によれば、症例はピロリ菌除菌療法の途中で生じた有害事象であり、クラリスロマイシンの用量は1,000mg/dayでした。ちなみに日本の適応ではピロリ菌除菌の際のクラリスロマイシンの用量は400mg/dayまたは800mg/dayです。

クラリスロマイシンのCYP3A4を介する相互作用は用量依存的であり、400mg/dayは比較的安全なのかも知れません。しかし、トランスポーターも関与している可能性もありますので、もしAさんが除菌療法を開始することがあれば、低血糖を生じる恐れがあることを伝えた方が良いでしょう。800mg/dayで処方せんが来た場合は、処方医にこの論文に基づいた情報提供をしなくてはいけないケースと考えます。

このように、添付文書に書かれていない副作用は常に有り得ますので、私たち薬剤師は、日頃から最新の情報収集を怠らない努力が必用です。それも命に関わるような情報を扱っていますから、知らなかったでは済まされません。英文で書かれた最新の医学論文のチェックは、日本語の情報はタイムラグが有るため、今や必須の業務です。

最後に皆さんにお願いなのですが、どんな些細と思われる薬でも、併用する薬はカウンターで教えて下さい。薬物治療のリスクを最小限に、効果を最大にする為に、重要な情報です。

いかがだったでしょうか。ご家族の健康を守るために、ご参考になさって下さい。

1. Pharmacotherapy. 2008 May;28(5):682-4. doi: 10.1592/phco.28.5.682.
Severe hypoglycemia from clarithromycin-repaglinide drug interaction.

Khamaisi M(1), Leitersdorf E.

Author information: (1)Department of Medicine and the Diabetes Research Unit, Hadassah Hospital, Ein Kerem, and Hebrew University Medical School, Jerusalem, Israel. murir@hadassah.org.il

Many drugs have been reported to interact with repaglinide in patients with type 2 diabetes mellitus, resulting in hypoglycemia. However, to our knowledge, an interaction between clarithromycin and repaglinide in these patients has not been previously reported. We describe an 80-year-old man with end-stage renal disease and well-controlled type 2 diabetes (hemoglobin A1c < 7%) who was hospitalized for treatment of severe hypoglycemia. He had been receiving repaglinide 0.5 mg 3 times/day for the previous 2 years. Clarithromycin 500 mg twice/day had been started for Helicobacter pylori infection several days before admission. Within 48 hours of starting the drug, he developed severe hypoglycemia, which resolved with intravenous glucose administration. However, 48 hours later, the patient again experienced hypoglycemia and was unresponsive. Intravenous glucose administration again resolved the problem. Repaglinide was discontinued, and no further hypoglycemic episodes occurred. Clinicians should be aware of this possible clarithromycin-repaglinide interaction; in particular, in elderly patients with type 2 diabetes who are taking repaglinide and begin clarithromycin therapy, blood glucose levels should be monitored closely for potential dosage adjustment of repaglinide.

PMID: 18447665 [PubMed – indexed for MEDLINE]

2型糖尿病の患者では多くの薬物がレパグリニドと相互作用し、低血糖を引き起こすことが報告されている。しかし、我々の知る限りでは、これらの患者におけるクラリスロマイシンとレパグリニドとの相互作用はこれまで報告されていない。重度の低血糖症の治療のために入院した、末期腎疾患および2型糖尿病の良好なコントロール(ヘモグロビンA1c <7%)を有する80歳の男性を説明する。彼は過去2年間にレパグリニド0.5mgを1日3回投与していた。入院数日前にヘリコバクター・ピロリ感染のためにクラリスロマイシン500mgを2回/日投与しました。薬物投与開始から48時間以内に、彼は静脈内グルコース投与で解決した重度の低血糖を発症した。しかしながら、48時間後、患者は再び低血糖を経験し、反応しなかった。静脈内グルコース投与は再び問題を解決した。レパグリニドは中止され、それ以上の低血糖症は発生しなかった。臨床医は、この可能性のあるクラリスロマイシン – レパグリニド相互作用を知っていなければならない。特に、レパグリニドを服用しているクラリスロマイシン療法を開始している2型糖尿病の高齢者では、レパグリニドの投与量を調整するために血糖値を注意深く監視する必要がある。

糖尿病の治療は厳格より中庸が良いですか?

こんにちは。今日は糖尿病のAさんの話をします。

Aさんは67歳の男性、糖尿病の治療を受けています。脳卒中や心筋梗塞の既往はありません。治療の目安になる検査値は、本日もらった検査票でHbA1C7.2とのことです。

薬の確認が終わったところで、Aさんから「正常値は5とか6とかって書いてあるけど、治療について、どれくらい頑張れば良いのかな」と、相談を受けました。

処方はSU剤のグリメピリド1mg、DPP4阻害薬のアログリプチン25mg、レニン・アンジオテンシン系阻害薬のバルサルタン80mg、スタチンのプラバスタチン10mgです。

Aさんの疑問に答えるために、論文を検索して、台湾の観察研究を見つけました1)。

【サマリー】2型糖尿病患者で、HbA1c7.0-8.0%、収縮期BP130-140、LDL-C 100-130の群が総死亡率が最も低かった。12643人のコホート研究。

これをみると、効果が最大になりそうなHbA1Cの目標値は、ずいぶん緩やかです。他の臨床研究でも、厳格治療は重症低血糖リスクが上がり、死亡率も上昇すると言う報告が散見されます。

熊本スタディと言う臨床研究で、HbA1Cを7未満にすることで、網膜症や腎症と言った微小血管障害をある程度予防する効果が知られていますが、心筋梗塞のような大血管障害に関して、血糖値を厳格に管理することによる治療効果はあってもごく僅かのようです2)。

ガイドラインである「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」でも、65歳以上75歳未満でSU剤を使用している場合は、HbA1C7.5未満、下限6.5と設定されています。

Aさんの年齢になれば、微小血管障害を予防する治療の利益は、若年の方に比べて相対的に低くなっているので、重症低血糖を予防するためには緩やかなコントロールの方がBetterと思われます。

いかがだったでしょうか。ご家族の健康を守るためのご参考になさって下さい。

1)All-cause mortality in patients with type 2 diabetes in association with achieved hemoglobin A(1c), systolic blood pressure, and low-density lipoprotein cholesterol levels. PMCID: PMC4210124 PMID: 2534771
2)「CQ3 糖尿病に対する厳格な血糖管理の効果は?」 CORE Journal 循環器 no.1 2012

CKDにおいて乳酸アシドーシスのリスク上昇があると言う結果は得られなかった。

前回のブログで、腎機能低下している患者にメトホルミンを投与する場合は注意が必要と書きました。2002年にCKDと言う概念が提唱され、腎臓病診療の標準化がなされています。「ビグアナイド薬の適正使用に関するRecommendation」においては、eGRR<30mL/min/1.73m^2の患者には投与禁忌とされていますが、腎機能がそこまで低下していない患者において、メトホルミンを投与すると、乳酸アシドーシスの発症は増加するのでしょうか。

CKDへのメトホルミン投与を評価したメタ分析が報告されています1)。この検討では、CKDにおいて乳酸アシドーシスのリスク上昇があると言う結果は得られませんでした。このメタ分析の結論は、以下のように要約されます。

①標準化eGFR45-60mL/min/1.73m^2で、腎機能が安定していれば、メトホルミンは使用可能である。
②腎機能が不安定であったり、増悪傾向があれば、メトホルミンの使用は避けるべきである。
③徐々に腎機能悪化し、それが糖尿病が原因と考えられる場合、標準化eGFR30-45mL/min/1.73m^2程度まではメトホルミンの継続は可能である。ただし、腎機能に応じた減量は必要である。
④標準化eGFR<30mL/min/1.73m^2では、メトホルミンは使用しない方がよい。

以下に、引用文献の英語・日本語(機械翻訳)アブストラクトを掲載しておきます。

1)[JAMA.2014 Dec 24-31;312(24):2668-75]PMID:25536258
出典「ホスピタリストのための内科診断フローチャート」

See comment in PubMed Commons below
JAMA. 2014 Dec 24-31;312(24):2668-75. doi: 10.1001/jama.2014.15298.
Metformin in patients with type 2 diabetes and kidney disease: a systematic review.
Inzucchi SE1, Lipska KJ1, Mayo H2, Bailey CJ3, McGuire DK4.
Author information
1Section of Endocrinology, Yale University School of Medicine, New Haven, Connecticut.
2Health Sciences Digital Library and Learning Center, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas.
3School of Life & Health Sciences, Aston University, Birmingham, United Kingdom.
4Division of Cardiology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas.
Abstract
IMPORTANCE:
Metformin is widely viewed as the best initial pharmacological option to lower glucose concentrations in patients with type 2 diabetes mellitus. However, the drug is contraindicated in many individuals with impaired kidney function because of concerns of lactic acidosis.

OBJECTIVE:
To assess the risk of lactic acidosis associated with metformin use in individuals with impaired kidney function.

EVIDENCE ACQUISITION:
In July 2014, we searched the MEDLINE and Cochrane databases for English-language articles pertaining to metformin, kidney disease, and lactic acidosis in humans between 1950 and June 2014. We excluded reviews, letters, editorials, case reports, small case series, and manuscripts that did not directly pertain to the topic area or that met other exclusion criteria. Of an original 818 articles, 65 were included in this review, including pharmacokinetic/metabolic studies, large case series, retrospective studies, meta-analyses, and a clinical trial.

RESULTS:
Although metformin is renally cleared, drug levels generally remain within the therapeutic range and lactate concentrations are not substantially increased when used in patients with mild to moderate chronic kidney disease (estimated glomerular filtration rates, 30-60 mL/min per 1.73 m2). The overall incidence of lactic acidosis in metformin users varies across studies from approximately 3 per 100,000 person-years to 10 per 100,000 person-years and is generally indistinguishable from the background rate in the overall population with diabetes. Data suggesting an increased risk of lactic acidosis in metformin-treated patients with chronic kidney disease are limited, and no randomized controlled trials have been conducted to test the safety of metformin in patients with significantly impaired kidney function. Population-based studies demonstrate that metformin may be prescribed counter to prevailing guidelines suggesting a renal risk in up to 1 in 4 patients with type 2 diabetes mellitus–use which, in most reports, has not been associated with increased rates of lactic acidosis. Observational studies suggest a potential benefit from metformin on macrovascular outcomes, even in patients with prevalent renal contraindications for its use.

CONCLUSIONS AND RELEVANCE:
Available evidence supports cautious expansion of metformin use in patients with mild to moderate chronic kidney disease, as defined by estimated glomerular filtration rate, with appropriate dosage reductions and careful follow-up of kidney function.

Comment in
Metformin Use in Type 2 Diabetes Mellitus With CKD: Is It Time to Liberalize Dosing Recommendations? [Am J Kidney Dis. 2015]
Metformin should not be contraindicated in patients with type 2 diabetes and mild to moderate renal impairment. [Evid Based Med. 2015]
PMID:
25536258
PMCID:
PMC4427053
DOI:
10.1001/jama.2014.15298
[PubMed – indexed for MEDLINE]
Free PMC Article

以下、Googleによる機械翻訳。

抽象
重要性:
メトホルミンは、2型糖尿病患者のグルコース濃度を低下させるための最善の初期薬理学的選択肢として広く見られている。しかし、この薬物は、乳酸アシドーシスの懸念から、腎機能障害を有する多くの個体において禁忌である。

目的:
腎機能障害を有する個人におけるメトホルミン使用に関連する乳酸アシドーシスのリスクを評価すること。

証拠開示:
2014年7月、私たちは、1950年から2014年までの間、ヒトのメトホルミン、腎臓病、乳酸アシドーシスに関する英文記事をMEDLINEおよびCochraneデータベースで検索しました。レビュー、手紙、論説、症例報告、小文字シリーズ、トピック分野に直接関係しなかったか、または他の除外基準を満たした原稿。元々の818項目のうち、薬物動態学/代謝研究、大規模症例シリーズ、後ろ向き研究、メタアナリシス、および臨床試験を含む65件がこのレビューに含まれた。

結果:
メトホルミンは腎臓から排除されるが、薬物レベルは一般的に治療範囲内にとどまり、軽度から中等度の慢性腎疾患(推定糸球体濾過率、1.73m 2あたり30〜60mL /分の推定値)で使用すると乳酸濃度は実質的に上昇しない。メトホルミン使用者における乳酸アシドーシスの全発生率は、研究によって約3人/10万人年から10人/10万人年で変化し、一般に糖尿病患者全体のバックグラウンド率と区別できません。慢性腎臓病のメトホルミン治療患者における乳酸アシドーシスのリスクの増加を示唆するデータは限られており、腎機能が著しく低下した患者のメトホルミンの安全性を試験するためのランダム化比較試験は行われていない。人口ベースの研究では、メトホルミンが、2型糖尿病患者4人中1人(殆どの報告では、乳酸アシドーシス率の増加に関連していない)における腎臓リスクを示唆する優良ガイドラインに反して処方される可能性があることが示されています。観察研究は、その使用のための慢性腎臓禁忌を有する患者においてさえも、大血管の結果に対するメトホルミンの潜在的利益を示唆している。

結論と関係:
利用可能な証拠は、推定糸球体濾過率によって定義されるように、軽度から中等度の慢性腎疾患患者におけるメトホルミン使用の慎重な拡大を援助し、適切な用量の減少および腎機能の慎重なフォローアップを支援する。