甲状腺機能亢進症(バセドウ病)でメルカゾールを飲んでいる女性が妊娠したら、しないといけない、たったひとつのこと。

おはようございます。アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。

今日は、甲状腺機能亢進症のAさんの話をします。Aさんは20代後半の女性です。甲状腺機能亢進症の一種であるバセドウ病と診断され、メルカゾールと言うお薬を飲んでいます。

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンか過剰に分泌されるために起きる病気です。代謝や交感神経が亢進するため、体重が減ったり、胸がどきどきしたり、手など細かく震えたり、汗をかいたりします。

その代表的な原因はバセドウ病で、6割から8割を占めます。そして、若い女性に多い病気です。若い女性に多いと言う事は、妊娠する可能性が常にあると言う事です。

その日、Aさんはいつものメルカゾールの処方箋ではなく、産婦人科の処方箋を持ってわたしの薬局に来られました。聞くと、妊娠された、とのことでした。

これは大変、と思いました。メルカゾールは甲状腺機能亢進症の第一選択薬ですが、妊娠初期に飲んでいると、赤ちゃんに良くない事が分かっています1)。病状が安定していればメルカゾールは中断で経過観察、もしくは妊娠中も服用出来るチウラジールに変更する必要があります2)。

わたしはAさんがメルカゾールをもらっている病院に電話して、主治医のB先生に連絡しました。その足で受診してください、とのことで、Aさんにお伝えしました。

その後、Aさんは、薬なしで様子見となりました。妊娠すると、それまで飲んでいた薬が飲めなくなる場合があります。薬のことは、ぜひ薬剤師に相談して下さい。わたしたちはその為にいます。

1)POEMスタディと言う観察研究で、頭皮欠損などメルカゾール奇形症候群が起きる事が分かっています。
2)参考「ホスピタリストのための内科診療フローチャート」



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妊娠中のアセトアミノフェンとNSAIDsの安全性

アセトアミノフェンは、FDA薬剤胎児危険度分類基準でB:人での危険性の証拠はない、妊娠の全ステージにおいて比較的安全に使用出来る薬剤です。

添付文書に妊娠末期の動脈管収縮リスクが記載されていますが、根拠としている動物実験はラットに常用量の15倍を投与したデータであり、ヒトに常用量を投与した観察研究では結論が出ていません。

胎児性動脈管早期閉鎖は全分娩の0.6%に生じ、その2/3以上は特発性との報告があります。母体にアセトアミノフェンの服用歴があったとしても、因果関係があるとただちに結論する事は困難です。

また妊娠初期にアセトアミノフェンに曝露した9146例において、奇形等の増加は認められませんでした。1)

NSAIDsには流産リスクの報告があります。

米国カリフォルニア州のコホート研究で、妊娠中にイブプロフェン、ナプロキセンを服用した場合、20週までの流産リスクが1.8倍に高まりました。

特に妊娠初期や1週間以上の長期服用では、5.6~8.1倍と大幅にリスクが高まる結果でした。

一方で、アセトアミノフェンでは流産の相対リスクは1.2(95%CI:0.8-1.8)、妊娠1週間以内の服用と1週間以上の服用でも相対リスクはそれぞれ、0.8倍、0.7倍で、すべて有意差はありませんでした。

研究グループは妊娠を望む女性は妊娠初期のアスピリンやNSAIDsの服用は避けるべきと警告しています。2)

1)Perinatology.com/Drugs in Pregnancy and Lactation(Briggs GG)
2)Exposure to non-steroidal anti-inflammatory drugs during pregnancy and risk of miscarriage: population based cohort study BMJ 2003.8.16

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