PL配合顆粒でひどい眠気が出た人が、受診時にそれを伝えなくてはいけない、たったひとつの理由。




PL配合顆粒でひどい眠気が出た人が、受診時にそれを伝えなくてはいけない、たったひとつの理由。

こんにちは。アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。

今日はバレンタインデーですね。娘は幼稚園から帰ったら、チョコレートを溶かしてトッピングした手作りチョコを作りたいと言っていました。女子力が高いです😸

さて。今日は薬を飲んだ時の作用の強さには、個人差がある、と言うお話をします。

やや長い記事ですが、お付き合い下さい。最後にPL配合顆粒の意味が分かると思います。

いつも、わたしの薬局を利用して下さるAさんは、慢性心不全で循環器科に通院しています。慢性心不全は、心臓のポンプ機能が徐々に低下していく病気で、心筋梗塞の後などに起こります。

治療にはACE阻害薬、β遮断薬、ループ利尿薬と呼ばれる薬などを用います。この中で、薬の効き目に個人差が大きい薬があります。

それはβ遮断薬です。心臓のアクセルを緩める薬です。以前は心不全に禁忌とされましたが、現在は大規模臨床研究で、予後を改善することが確立している、慢性心不全の治療薬です。専門医が、少量から慎重に使う薬です。

個人差が大きい理由は、心不全の程度等にも依ると思うのですが、薬剤師の立場から重視したいのは、β遮断薬の代謝に個人差が大きい事です。

β遮断薬の多くは、肝臓の酵素のひとつである、「CYP2D6(シップツーディーシックス)」によって代謝され、活性のないものに変えられます。ところが、「CYP2D6」は、代謝能が遺伝的に決まり、極めて個人差が大きい酵素です。これを遺伝子多型と言います。

わたしたちは、遺伝的に与えられた「CYP2D6」の代謝能に応じて、EM(代謝能は通常)、IM(代謝能は中程度低下)、PM(代謝能は欠損)の3グループに分けられます。

代謝能の小さい人は、より少量の薬でも期待する効果が得られると考えられます。通常の用量では作用が強く現れ、不都合な作用(副作用)が現れるかも知れません。

Aさんは、ある時β遮断薬が開始されました。少量でしたが、添付文書で推奨される開始用量の2倍からのスタートでした。循環器の専門医でしたが、この医師は開始用量はいつも、この用量であることをわたしたちは知っていました。そのため、担当した薬剤師は問い合わせはしないで、Aさんに薬をお渡ししました。

ところが、Aさんはこの薬が開始になってから足にひどい浮腫が出て、薬を続ける事が出来ませんでした。あまりにつらくて、とおっしゃっていました。

Aさんがお帰りになった後、わたしは電子薬歴を詳細に見返していて、あっ、と思いました。過去に風邪薬のPL配合顆粒を飲んで、起き上がれない程の眠気を感じたと書いてあったのです。

PL配合顆粒の眠気を起こすのは、抗ヒスタミンのプロメタジンです。プロメタジンは肝臓の酵素「CYP2D6」で代謝されます。

そうです、問題のβ遮断薬を代謝するのと同じ種類の酵素です。もしもAさんが、この酵素の代謝能が中程度低下、もしくは欠損しているとしたら、ひどい浮腫と、起き上がれない程の眠気の両方が、矛盾なく説明出来ます。確定するには遺伝子診断が必要ですが、その可能性は高いと思います。

今でも、Aさんのβ遮断薬を、もっと低用量から開始していれば、服薬が継続出来たかなと思う、苦い経験です。

PL配合顆粒は、ありふれた風邪薬なので、みなさんも飲む機会があるのではと思います。もし、ひどい眠気が出た方がいらっしゃれば、病院と薬局で教えて頂けないでしょうか。「CYP2D6」で代謝される薬を安全に、有効に使うための、重要な情報になる可能性があります。

そして、飲んでいる薬の事で、なにか疑問があれば、薬剤師にご相談下さい。薬物療法のリスクを最少限に、効果を最大限にするのが、わたしたちの仕事です。

授乳しているお母さんと、12歳未満の子どもさんのいる家は、家庭に置いてある市販の風邪薬に咳止め成分のコデインが入っていないか、確かめておきましょう。

風邪薬のPL配合顆粒を飲んで、とても眠くなったことがある人は、お薬手帳の副作用欄に、そう書いておいた方がよい深い理由✏

パキシル(一般名パロキセチン)を飲んでいる人が、眼科を含めて他の病院を受診するときにしなければいけない、たったひとつのこと。

鬱の薬のパロキセチンを飲んでいる人が、病院や薬局で風邪薬をもらう時に申告しないと行けないたったひとつの理由。風邪薬によってはひどく眠たくなる場合があり、危険です。

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