経口ブドウ糖負荷試験の解釈と前糖尿病。

スキルミックスと言う言葉をご存知でしょうか?
医療者が、自分の職種以外の職種の技術を習得し、活用出来る事、と私は理解しています。例えればサッカーで複数のポジションがこなせる選手のような存在でしょう。
私は薬剤師ですが、糖尿病診断のゴールドスタンダードである、経口ブドウ糖負荷試験のデータを基に、アセスメントと、治療介入のプランについて考えました。

75gOGTTの結果
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検査前 血糖値114
30分     201
60分     172
90分     140
120分     108
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経口ブドウ糖負荷試験のアセスメント

空腹時血糖値110-126、OGTT2h値<140のIFG(impaired fasting glucose : 空腹時血糖異常)であり、prediabetes(前糖尿病)と考えられる。
OGTT1h値もDM発症のリスク評価や、耐糖能の評価に有用な可能性が高い。

EUGENE2:両親の片方のみType2DMであり、本人はOGTT2h値正常である301例を、さらにOGTT1h値 ≥155mg/dLとなる群、<155mg/dLに分類し比較。OGTT1h値>155ではインシュリン感受性の低下、膵β細胞機能の低下が認められた。[Diabetes Care 35:868–872, 2012]

CATAMERI: DM(-)でOGTTを施行した595例のOGTT1h値と、その後フォローできた392例(5.2±0.9年)におけるDM発症リスクを評価。
OGTT1h値<155、空腹時血糖値<100と比較して、OGTT2h値<140、空腹時血糖値100-125はDM発症リスクがハザード比で1.91[0.44-8.29]。
[J Clin Endocrinol Metab 100: 3744–3751, 2015]

前糖尿病のフォロー:
生活習慣、リスク因子への介入を行い、6カ月後に耐糖能の再評価を行う。改善傾向にあればそのまま介入を継続しつつ、1年毎に耐糖能をフォロー。不変であれば介入を継続しつつ、6カ月毎に耐糖能をフォローする。
[N Eng J Med.2012 Aug9;367(6):542-50]

生活習慣の改善:
現体重の5%の減量、食事量の制限、動物性脂肪の制限、単純糖質の制限、食物繊維摂取の促進、間食への配慮、運動の奨励、飲酒習慣の是正、禁煙など。

リスク因子への介入:
高血圧、高LDLコレステロール血症、高TG血症、低HDLコレステロール血症の改善を評価し、生活習慣の改善で効果が得られない場合には、薬物療法を考慮する。
[日本糖尿病学会編著 2016-2017糖尿病治療ガイド 24-25]

増悪傾向があればメトホルミンやα-グルコシダーゼ阻害薬の使用を考慮する。これらの薬剤はType2DMへの移行リスクを有意に低下させた報告がある。
[Can Fam Physician.2009 Apr;55(4):363-9]
[Lancet.2009May9;373(9675):1607-14]

如何でしょうか?

カナダの薬剤師は処方権を持ち、米国でも慢性疾患については薬剤師が処方する動きがあるようです。日本もいずれは薬剤師が処方権を持つ時代が来るでしょう。

その日の為に、研鑽を積んで行きましょう。

参考文献「ホスピタリストのための内科診療フローチャート」

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