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コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。
☑️はじめに
薬物療法と言うリスクを低減する取り組みによって、他の新たなリスクを増大させてしまう事があります。
これが有害事象です。
リスク学では代償リスクまたは対抗リスクと呼び、この行為をリスクトレードオフと呼びます。
一般に、リスクトレードオフの問題を含めて包括的にリスクを評価することで、リスクの不確実性は一層増大する事になります。
現実的にはゼロリスクは有り得ないですよね…
プロローグ
👨痛風だよ。
👨腎臓もよくないから飲んだ方がいいと言われたけど、副作用のある薬は飲みたくないなあ。👧どうしたものやら…
👩リスクマネジメントの考え方が参考になるよ。出典: twitter.com
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☑️ゼロリスク希求
ゼロリスクが強く求められる事象が研究されています。
上位10項目のなかに、薬の副作用が挙がっています。
因子分析から「人工環境問題因子」に含まれ、人為的活動に基づく事故、産業活動に基づく事故については、ゼロリスクを求める傾向が強い傾向がありました。
また、そのリスクが対人紛争である場合も、強くゼロリスクを求める傾向がありました。
注目すべきは、病気そのものについてよりも、それに対処するための医療行為についてゼロリスクを求める程度が高い点です。
どんな薬でも必ずリスクは伴うと言う事実にも関わらず、人々は医療行為に対して非常に高いレベルでの安全性を求めています。
☑️コストの提示
しかしながら、コスト条件提示を変えた実験において、人々はいかなる時でも同じようにゼロリスクを追究する訳でないことも示唆されています。
具体的には、段階的にコストを提示しながらリスク減少を説明した場合、最初に全てを提示した場合よりも、ゼロリスクを求める程度が少なくなりました。
ゼロリスクの求め方を含めたリスク受容は、リスク低減とコスト提示の仕方によって多様です。
☑️具体例
具体例を挙げます。
尿酸低下療法を行う場合のアロプリノールとフェブキソスタットは、薬価と安全性の観点から、リスクコミュニケーションを行う事が出来ると考えます。
アロプリノールは英国NICEの分析で、通風の治療薬として医療経済的に見合うとされています。
しかしながら、アロプリノール不耐性であれば、フェブキソスタットを選択するケースもあるでしょう。
フェブキソスタットでも、有害事象のリスクはゼロに出来ませんが、コストはアロプリノールの数倍です。
薬物療法の安全性の線引きを行うに当たっても、コストを段階的に提示するこの手法は、有効ではないかと思われます。
☑️まとめ
薬物療法には有害事象が付き物です。
しかしながら、コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促すことができると考えられます。
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最終更新日2022年6月17日
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