腎機能低下している時のオグサワ療法を例にして、腎機能低下時の薬物投与量の監査に役立つサイトと書籍を紹介します。

はじめに

腎機能低下時の薬物の用法用量の妥当性をどんなソースで確認していますか?

わたしが日常業務で使っているサイトを紹介します。

オグサワ療法を例にして、腎機能低下時にどれくらい減量したらよいか考えて見ましょう。

腎機能低下時の薬剤投与量を調べられる2つのサイト

・腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧 2019年4月1日改訂(32版) 日本腎臓病薬物療法学会

https://www.jsnp.org/ckd/yakuzaitoyoryo.php

スピードが必要な業務中にも簡便に確認できます。

・透析患者に関する薬剤情報 白鷺病院薬剤科

透析患者に対する投薬ガイドライン

「透析患者への投薬ガイドブック 慢性腎臓病〈CKD〉の薬物治療 」平田純生/古久保拓 編著 じほう 2017年 8,640円

この書籍と同じ内容のデーターベースがウェブで無料で閲覧できます。登録も不要。情報は書籍の刊行後も更新されています。

薬物動態のプロファイルの他、豊富な文献が引用され、詳しく調べることが出来ます。

腎機能低下時のオグサワ療法について調べてみる

例として、腎機能が低下している時のオグサワ療法について調べてみました。

日本腎臓病薬物療法学会の一覧には、オーグメンチン配合錠、サワシリンカプセルの記載は見つけられませんでした。

白鷺病院のデーターベースにはオーグメンチン配合錠の記載がありました。

中等度~高度低下でアモキシシリン2/3~1/3量の減量を推奨している

保存期CKD患者への投与方法として、CLcr50~90mL/minではアモキシシリンとして500mgを8時間毎、CLcr10~50mL/minではアモキシシリンとして250~500mgを12時間毎としています。(出典:サンフォード感染症ガイド)

オグサワ療法減量の処方例はこのようになる

これを参考にすると、腎機能低下時のオグサワ療法は、次のようになると思います。

(1)CLcr50~90mL/minの場合、すなわち腎機能正常~中等度低下では減量せず、
オーグメンチン配合錠250RS 3錠
サワシリンカプセル250mg  3カプセル
1日3回 毎食後

(2)CLcr10~50mL/minの場合、すなわち腎機能中等度~高度低下ではアモキシシリンを2/3量に減量して、

オーグメンチン配合錠250RS 2錠
サワシリンカプセル250mg  2カプセル
1日2回 朝夕食後

またはアモキシシリンを1/3量に減量して、

オーグメンチン配合錠250RS 2錠
1日2回 朝夕食後

となるでしょう。(2)のケースで、どちらを取るかは、患者さんの腎機能や体格に合わせて変ると考えられます。

より詳しい情報を求めている場合は、上述の白鷺病院データベースをご覧になってください。

腎機能低下患者に腎排泄型の薬剤を使用する場合の簡単な減量法

クラブラン酸の減量について補足させて下さい。Guisti-Hayton法を応用して、考えて見たいと思います。次の式が成り立ちます。

投与補正係数=(健常者のT1/2)÷(腎機能低下患者のT1/2)

腎機能低下患者の投与量=常用量×投与補正係数
または
投与間隔=健常者の投与間隔÷投与補正係数

詳しくは成書をご覧下さい1)。

クラブラン酸は健常者のT1/2が1時間、腎不全患者のT1/2が3時間 2)なので、投与補正係数0.33

従って、オーグメンチン配合錠250は、健常者が3錠 1日3回なので
ClCr10mL/min付近では1錠 1日1回に減量してもよいと考えられます。

オグサワ療法の場合、~Clcr10付近では、
オーグメンチン配合錠250mg 1錠
1日1回朝食後
サワシリンカプセル250mg  1カプセル
1日1回夕食後

と言う選択枝もあるかと考えます。

1)腎臓病薬物療法ベーシック 編集平田純生 じほう 2015年
2)透析患者への投薬ガイドブック 改訂3版 慢性腎臓病(CKD)の薬物治療  編著 平田純生 じほう 2017年

参考書籍

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