童話「野菜保険」




野菜は健康に必要な食べ物ですが、時に高価で、皆がいつでも買えるものではありません。そこで国は、富の再分配を促し、国民の野菜を食べる機会が均等となるように、ある日、野菜保険を作りました。

収入に応じて野菜保険の保険料を納めていれば、定価の1割から3割で野菜が買えるようになりました。またお金に困っている人は、無料で野菜が買えるようになりました。

皆、喜びました。そして、こぞって、国産の無農薬野菜を買うようになりました。値段が手頃で残留農薬の基準を満たしていても、そういう野菜は売れなくなりました。

野菜保険は発足時の保険料では賄えなくなりました。次第に保険料は上がり、そのうちに税金も投入されるようになりました。税金の投入額は、徴収した保険料の総額と同じくらいの金額に膨らんで行きました。野菜保険の自己負担も4割、5割と上がって行きました。そしてある日、とうとう野菜保険は破綻してしまいました。

コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。



コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。

☑️はじめに

薬物療法と言うリスクを低減する取り組みによって、他の新たなリスクを増大させてしまう事があります。

これが有害事象です。

リスク学では代償リスクまたは対抗リスクと呼び、この行為をリスクトレードオフと呼びます。

一般に、リスクトレードオフの問題を含めて包括的にリスクを評価することで、リスクの不確実性は一層増大する事になります。

現実的にはゼロリスクは有り得ないですよね…

受け入れられるリスクと、そうでないリスクの間のどこかで線引きをして、それより小さなリスクを安全と見なす、と言った安全概念が必要になるね。

プロローグ

👨痛風だよ。
👨腎臓もよくないから飲んだ方がいいと言われたけど、副作用のある薬は飲みたくないなあ。

👧どうしたものやら…
👩リスクマネジメントの考え方が参考になるよ。

出典: twitter.com

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インチュニブはクラリスと安全に併用出来るでしょうか?PISCSで予測しました。




インチュニブはクラリスと安全に併用出来るでしょうか?PISCSで予測しました。

☑️はじめに

インチュニブ(成分名グアンファシン)服用中の児童にクラリス(成分名クラリスロマイシン)が処方された

インチュニブ錠1mgを服用中の児童(10歳、体重34kg)に、クラリス錠200mg 2錠 分2 朝夕食後 4日分が処方されました。

併用注意の記載があるため、新人のあなたは処方医に疑義照会したところ、処方通りとの回答を得ました。

併用によりグアンファシンの効果が増強されて過度の降圧が起こる事はないのでしょうか。

インタビューフォームにも併用に関する詳しい情報がありません。

そこで、既知の知見を統合することで、未知であるAUCの上昇度合いの推定を試みます。

この併用は、どれくらい安全なのでしょうか?

ふふーん、PISCSの出番だね!

プロローグ

👩‍🎓新薬は情報が少なく、相互作用の強度(AUC変化率などで表現される)も未知である場合が多くあります。

👩‍🎓大野らのPISCSは、寄与率と阻害率の2つのパラメータだけでAUC変化率を予測する手法です。

👩‍🎓これを理解すれば、未知の組み合わせでも併用リスクを定量的に判断可能です。

👩‍🎓なお、読んで頂くのは単なるPISCS紹介に留まることなく、小ワザを組み合わせた内容です。

👩‍🎓大野先生にもいいねされた記事、請うご期待。

出典: twitter.com

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