PRSPによる市中肺炎では、ニューキノロンの筆頭はガレノキサシンだか、MSW仮説から有効性の説明を試みる。

以前の記事で、肺炎球菌に対してレボフロキサシン(LVFX)が有効であると書きました。JAID/JSC感染症ガイド2014では、ペニシリン感受性肺炎球菌の第二選択であるキノロン群の筆頭に、またペニシリン耐性肺炎球菌の第一選択として筆頭に挙げられているのは、ガレノキサシン(GRNX)です1)。この理由は何でしょうか。

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論文紹介:「臨床分離株におけるレスピラトリーキノロンの薬剤感受性調査とモンテカルロシミュレーションによる有効性の評価」

論文紹介:「臨床分離株におけるレスピラトリーキノロンの薬剤感受性調査とモンテカルロシミュレーションによる有効性の評価」
小阪直史ほか Feb. 2016 THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 69-127 (27)
http://jja-contents.wdc-jp.com/pdf/JJA69/69-1/69-1_27-40.pdf

要点:論文から、肺炎球菌に対するレボフロキサシン、ガレノキサシンの有効性(モンテカルロシュミレーションによるPK/PDターゲット値達成率)に関する記述を抜き出した。LVFX、GRNXのターゲット値達成率は、それぞれS. pneumoniae(86.9%,100%)だった。腎機能障害時に用いられる投与量について検討したところ、LVFXのターゲット値達成率低下は著しく、特にCLcrが50mL/min付近での達成率は減量前の6割程度まで低下した。一方で、GRNXはPK/PDターゲット値達成率への影響はほとんど認められなかった。

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