コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。



コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。

☑️はじめに

薬物療法と言うリスクを低減する取り組みによって、他の新たなリスクを増大させてしまう事があります。

これが有害事象です。

リスク学では代償リスクまたは対抗リスクと呼び、この行為をリスクトレードオフと呼びます。

一般に、リスクトレードオフの問題を含めて包括的にリスクを評価することで、リスクの不確実性は一層増大する事になります。

現実的にはゼロリスクは有り得ないですよね…

受け入れられるリスクと、そうでないリスクの間のどこかで線引きをして、それより小さなリスクを安全と見なす、と言った安全概念が必要になるね。

プロローグ

👨痛風だよ。
👨腎臓もよくないから飲んだ方がいいと言われたけど、副作用のある薬は飲みたくないなあ。

👧どうしたものやら…
👩リスクマネジメントの考え方が参考になるよ。

出典: twitter.com

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インチュニブはクラリスと安全に併用出来るでしょうか?PISCSで予測しました。




インチュニブはクラリスと安全に併用出来るでしょうか?PISCSで予測しました。

☑️はじめに

インチュニブ(成分名グアンファシン)服用中の児童にクラリス(成分名クラリスロマイシン)が処方された

インチュニブ錠1mgを服用中の児童(10歳、体重34kg)に、クラリス錠200mg 2錠 分2 朝夕食後 4日分が処方されました。

併用注意の記載があるため、新人のあなたは処方医に疑義照会したところ、処方通りとの回答を得ました。

併用によりグアンファシンの効果が増強されて過度の降圧が起こる事はないのでしょうか。

インタビューフォームにも併用に関する詳しい情報がありません。

そこで、既知の知見を統合することで、未知であるAUCの上昇度合いの推定を試みます。

この併用は、どれくらい安全なのでしょうか?

ふふーん、PISCSの出番だね!

プロローグ

👩‍🎓新薬は情報が少なく、相互作用の強度(AUC変化率などで表現される)も未知である場合が多くあります。

👩‍🎓大野らのPISCSは、寄与率と阻害率の2つのパラメータだけでAUC変化率を予測する手法です。

👩‍🎓これを理解すれば、未知の組み合わせでも併用リスクを定量的に判断可能です。

👩‍🎓なお、読んで頂くのは単なるPISCS紹介に留まることなく、小ワザを組み合わせた内容です。

👩‍🎓大野先生にもいいねされた記事、請うご期待。

出典: twitter.com

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生涯死亡リスクと比較することで、生涯に渡って服用する薬の副作用リスクを提示する。



生涯死亡リスクと比較することで、生涯に渡って服用する薬の副作用リスクを提示する。

☑️はじめに

前回はスタチンによる副作用リスクを、横紋筋融解症で年間に入院する確率が、交通事故で年間に死亡する確率よりわずかに低いと言う話をしました。

では、長期に渡って服用した場合はどうなるのでしょう。

今回、スタチンを40歳から生涯服用して横紋筋融解症で入院する確率を試算し、生涯のうちに道路交通事故で死亡する確率の約半分であつった、と言う話をします。

☑️生涯死亡リスクを導入する

リスクの程度を把握する為のリスク表現には、年間死亡リスクの他に生涯死亡リスクがあります。

生涯死亡リスクは、一個人が特定の原因により死亡する確率の事です。

“生涯死亡リスクと比較することで、生涯に渡って服用する薬の副作用リスクを提示する。” の続きを読む