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こんにちは👋😃アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。今日は少し真面目な話を書いてみます✏
社会心理学の視点から、薬を飲むと言う行為について考えてみたいと思います。私たちは、本当に心から望んで薬を飲んでいるのでしょうか?
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ロバート・チャデルーニと言う人の書いた「影響力の武器」と言う本に、セールスをするためのテクニックとして、6つの方略が挙げてあります。そして、この方略が成功しやすい状況と、成功しにくい状況についても書かれています。
成功しやすい状況とは、セールスされた人が、自動的で簡便な方法で判断する場合です。反対に、成功しにくい状況とは、セールスされた人が、様々な情報に対して自分で十分に分析した上で判断する場合です。
これは、何となく分かりますね。
次にセールス・テクニックの実例をいくつか挙げて見ましょう。
「社会的証明の原理」と呼ばれる方略があります。
他者が正しいと考えているであろうことに基づいて、人が物事の正しさを判断すると言う事です。社会的証明の原理は、状況が不確かな時や、人が自分の取るべき行動に確信が持てない時に働きやすいと考えられます。
もう一つ実例を挙げて見ましょう。
「権威の原理」と呼ばれるものです。
私たちは権威を持つ人や専門家の意見に従いやすい傾向があります。しかしながら問題なのは、権威の指示が不適切と思われる場合でも、従い過ぎてしまう場合があることです。
この二つの実例を組み合わせると、薬を飲むかどうか迫られた場合、わたしたちは次のような行動を取ると説明出来ます。
わたしたちは、本当に薬を飲んだらいいのか確信が持てない場合は、周りの人に合わせて飲むと言う行為を選ぶ傾向があり、また医師やガイドラインと言った権威の意見に従って薬を飲むと言う行為を選ぶ傾向があり、その場合、権威の指示が不適切でも、薬を飲んでしまう場合があると言えます。
私が真っ先に考えた具体的なケースは、心筋梗塞や脳卒中を発症していない、合併症やリスク因子のない健康な人が、予防的に飲むコレステロールを低下させる薬です。
10年の内に心筋梗塞を起こす確率は、合併症やリスク因子等によって100倍の差があることをご存知でしょうか。あなたは薬を勧められた時に、この事実を説明されましたか?
元気で自覚症状もないけれど、健康診断で指摘されて、病院でもガイドラインに従って薬を飲みなさいと言われるし、周りの同僚も飲んでいるので飲むかな…と言った感じでしょう。
でも、もし企業が経営上の理由で、医療経済的にペイしないような、薬を飲むメリットがあっても極僅かな、ベースラインリスクの低い人にも薬を飲むことを勧めているとしたら?
医療資源には限りがあるので、医療政策的にも好ましい状況ではありません。最近も、かなり加入者の多い健康保険組合が財政的な理由で解散した事は、記憶に新しいと思います。
私たちは立ち止まって、本当にこの薬が必要なのか考えてみる時が来たのではないでしょうか。医療を提供する者は十分に情報を提供し、医療を消費する者は納得行くまで説明を聞いて自分で判断する、そのような社会になればと思います。
参考
社会心理学 森津太子 放送大学教材
薬局2018年4月号 所得格差時代の薬物療法 南山堂
なんごろく-脂質異常症
http://spell.umin.jp/nangoroku/nangoroku_dyslipidemia.html
コレステロール論争資料
http://jsln.umin.jp/guideline/index.html
コレステロール論争に対する当機構としての見解―個々の危険因子や性差を考慮した基準づくりが必要― J-CLEAR理事長 桑島厳
http://j-clear.jp/teigen1.html
速報2 開き直った? 低リスク者へ服薬の勧め(新ガイドライン)
http://tandtresearchinc.blog.fc2.com/blog-entry-106.html
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