食中毒とO157感染症についてまとめました。

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食中毒とO157感染症についてまとめました。

・明確な基準はないが、発症から2週間以内を急性と考えるのがひとつの目安。
食中毒は食餌摂取歴、随伴症状でほとんどの症例で推定可能。1週間前まで遡る。
・食事48時間前~1週間はcampylobacter(鶏肉、生卵)、腸管出血性大腸炎(EHEC)(牛肉)の2つ。
・潜伏期が長いほど発熱、血便傾向があるが、腸管出血性大腸炎だけは発熱が少なく、無熱性血便が典型的。
・食中毒の原因として、腸管出血性大腸菌が占める割合は、0.4%(厚生労働省発表 平成16~18年の食中毒患者報告数より)。

・腸管出血性大腸菌(EHEC)の潜伏期は2~9日。感染源は牛肉、肥料から汚染された農作物や水源。5~10日で寛解する事が多い。O157:H7が70~90%と多い。腹痛は初期から激しく、1~2日後に出血性大腸炎を起こし、肉眼的血便になる。しかし、ほとんど無症状なこともある。菌数が100~1,000個でも感染する事があるので、二次感染に注意。毒素原性大腸菌の場合は10^6~10^10個必要。
遅発性に溶血性尿毒症症候群(HUS)を来しうる。ベロ毒素は感度79%、特異度100%と有用。培養は発症後2日間の感度は90%以上だが、発症7日後では30%と低下する。

・HUSは腸管出血性大腸菌(EHEC)の下痢を発症後、6~9(2~14)日目、腸炎症状が鎮静化して2~3日後に続発する、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全の事を言う。年齢(小児、高齢者)は発症リスクを高める。抗菌薬投与は一定の見解が定まっていないが、海外ではリスクを高めるとして非投与が推奨される。国内では、感染初期の投与はHUS発症リスクの低下と関連したとする報告がある。過去のO157感染を証明するには大腸菌O157LPS抗体が有用。感染5日目から検出可能で、感度は90%、1ヶ月程度は高値を示す。

参考文献

「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」