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耳鼻咽喉科の前の薬局で、週一ヘルプとして働いていた時の話です。
ある日、Rp1)クラバモックス 2.0g ラックビーR散 2.0g 1日2回 朝夕 と言う処方箋を受けました。併用薬はカルボシステイン 1.2g 1日3回、年齢は6歳で体重20kg、用法用量に特別矛盾するところはありません。クラバモックスは食前服用の薬ですが、この医師は、用法に食前食後を書かない癖を持っている事を、経験上私は知っていました。
ただ、水に溶かして調剤する抗生物質のクラバモックスが、粉薬で分包するラックビーR散と同じ括りのRp1として処方箋が切られていることに僅かな違和感を感じました。
投薬前管理薬剤師のAさんに、「クラバモックスは朝夕食前として説明しようと思います」と聞いた所、Aさんは「念のためクリニックに確認しましょう。」と言われ、疑義照会となりました。
結果、×クラバモックス→○クラリスロマイシンとの事でした。どちらも耳鼻咽喉科で汎用される抗生物質であり、用法用量も変わらない為、決定的な間違いでないと私は考えてしまいました。リスク学で言う正常性バイアスが働いたのかも知れません。
この話の教訓としては、僅かでも違和感を感じた処方箋には迷わず疑義照会をすべし。これをしなければ、私たちの薬剤師の存在意義は無いと言っても過言ではないでしょう。