生涯死亡リスクと比較することで、生涯に渡って服用する薬の副作用リスクを提示する。

要点:スタチンを40歳から生涯服用して横紋筋融解症で入院する確率は、生涯のうちに道路交通事故で死亡する確率の約半分である。

リスクの程度を把握する為のリスク表現には、年間死亡リスクの他に、生涯死亡リスクがあります。生涯死亡リスクは、一個人が特定の原因により死亡する確率の事です。

例えば、交通事故の生涯死亡リスクは、個人が80年生きると仮定して、その間に交通事故で死亡しない確率は(1-4.5×10^-5)^80で求められ、およそ0.996です。1,000人のうち996人は交通事故で死亡しない、言い換えれば、1,000人のうち4人程度は死亡すると言う事になります。一方、スタチンを40年服薬すると仮定して、その間に横紋筋融解を発症しない確率は(1-4.4×10^-5)^40で求められ、およそ0.998です。

1,000人のうち998には、横紋筋融解症は発症しない、言い換えれば、1000人のうち2人は横紋筋融解症を発症すると考えられます。ただし、これは年間死亡リスクや年間発症リスクが一定であると仮定した場合の推定値であることに注意が必要です。

スタチンを初めて服用する患者さんに横紋筋融解症のリスクを伝える場合、生涯で発症するのは1,000人に2人程度であり、生涯に交通事故で亡くなる人の半分である、と説明すると、具体性を持って認識できるかも知れません。

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