要点:薬物療法には有害事象が付き物だが、コストを段階的に提示することで、患者のゼロリスク希求を少なくし、リスクの受容を促す。
薬物療法と言うリスクを低減する取り組みによって、他の新たなリスクを増大させてしまう事があります。これが有害事象で、リスク学では代償リスクまたは対抗リスクと呼び、この行為をリスクトレードオフと呼びます。一般に、リスクトレードオフの問題を含めて包括的にリスクを評価することで、リスクの不確実性は一層増大する事になります。現実的にはゼロリスクは有り得ないので、受け入れられるリスクとそうでないリスクの間のどこかで線引きをして、それより小さなリスクを安全と見なす、と言った安全概念が必要です。