中薬をアドオンすると関節リウマチ患者の冠動脈疾患リスクはどうなりますか
はじめに
関節リウマチ(RA)患者では、冠動脈疾患(CAD)のリスクが高いことが知られています。RAは全身性の慢性炎症を引き起こし、この炎症が動脈硬化の進行を促進すると考えられています。特に、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインがCADのリスクに関与しています。
従来のRA治療薬は抗炎症作用があるものの、NSAIDsやコルチコステロイドはCADのリスクを高める可能性が報告されています。一方、DMARDsはCADリスクを低下させることが示唆されています。
近年、RA患者は中成薬(CHP)などの補完代替医療を併用することが増えていますが、これらがCADのリスクにどのように影響するかは未解明のままです。
今回紹介するのは台湾の国民健康保険データベースを用いた観察研究で、CHPと従来薬を併用した場合、RA患者のCADのリスクがどうなるかを検討したものです。
櫻姐姐、関節リウマチへの中薬がCADリスクと関連するんですね。調整ハザード比0.64ってすごい。
炎症と言う病態で共通するからと説明されているよ。考察で触れられていないけれど、結果の解釈には時間関連性バイアスの考慮が必要なことに注意してね。長期使用者のaHRの広い信頼区間はサンプルサイズとイベント数の少なさを意味し、生存バイアスの可能性を示唆している。時間依存性Coxモデルを採用すべき。バイアスにより効果量が多めに見積もられている可能性が高いよ。
プロローグ
…CHP群、非CHP群ともに1:1マッチング後の患者数は4889人であった。CADのリスクはCHP群で非CHP群と比較して有意に減少した(aHR:0.59、95%CI:0.50-0.71)。CHPを180日以上使用した人は、CHPの使用期間が30日未満の人よりもCADのリスクがさらに低かった(aHR:0.64、95%CI:0.43-0.95)。さらに、桂枝芍薬知母湯、当帰拈痛湯、疎経活血湯などの処方頻度の高い処方は、CADリスクの低下と関連していた。
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