皮疹の出るタイプの溶連菌があり、昔は猩紅熱と呼ばれました。

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こんにちは。研修認定薬剤師の奥村です。今日は皮疹の出る溶連菌患者さんを経験した時の話をします。

以前、こんな患者さんがありました。4歳のお子さんで、昨日、発熱により小児科を受診しました。咽頭ぬぐい液での検査では溶連菌陰性でしたが、ペニシリン系抗生物質のアモキシシリンを3日分処方され帰宅しました。

ところが昨夜、全身に皮疹が発生しました。本日小児科を再受診、血液検査で数値が上がっているとの事。内容は薬局で確認出来ませんでしたが、細菌感染を示唆する白血球やCRPの上昇があったのでしょうか、やはり溶連菌感染症だろうと言う説明だったそうです。

お薬は、昨日のアモキシシリンに加え、外用抗ヒスタミンのジフェンヒドラミン軟膏が処方追加となりました。

さて、皮疹が出るタイプの溶連菌があります。溶連菌がウィルス感染を起こして、発赤毒素(Dick毒素とも言います)を産生するようになったものです。この溶連菌にかかることを、昔は猩紅熱と呼びました。

検査結果の解釈を、もう少し詳しく見て見ましょう。溶連菌の迅速検査の陰性尤度比LR-は0.11です。問診や身体所見、流行の程度等で、喉の拭い液の検査をする前の溶連菌ぽさが五分五分だった場合、すなわち検査前確率が50%ならば、検査が陰性であった場合の検査後確率9.9%です。すなわち、検査が陰性でも10%程度は溶連菌感染症の可能性が残ると解釈されます。

また、猩紅熱様皮疹は感度8%特異度98%で陽性尤度比LR+は3.9なので、これを昨日の検査結果に追加すると、検査後確率は30%迄上がります。そして、もし昨日の迅速検査の結果を反映させなければ、溶連菌感染症の確率は80%となります。

いかがでしたでしょうか。検査が単純なものでなく、医学知識や統計学の知識を駆使して、検査の解釈が必要なものであることを理解して頂けると思います。

いかがでしたでしょうか。家族の健康を守るための参考になさって下さい。そして、病気のお子さんがいらっしゃるお母さんは、お大事になさって下さい。

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参考文献

「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」