論文紹介:「臨床分離株におけるレスピラトリーキノロンの薬剤感受性調査とモンテカルロシミュレーションによる有効性の評価」

論文紹介:「臨床分離株におけるレスピラトリーキノロンの薬剤感受性調査とモンテカルロシミュレーションによる有効性の評価」
小阪直史ほか Feb. 2016 THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 69-127 (27)
http://jja-contents.wdc-jp.com/pdf/JJA69/69-1/69-1_27-40.pdf

要点:論文から、肺炎球菌に対するレボフロキサシン、ガレノキサシンの有効性(モンテカルロシュミレーションによるPK/PDターゲット値達成率)に関する記述を抜き出した。LVFX、GRNXのターゲット値達成率は、それぞれS. pneumoniae(86.9%,100%)だった。腎機能障害時に用いられる投与量について検討したところ、LVFXのターゲット値達成率低下は著しく、特にCLcrが50mL/min付近での達成率は減量前の6割程度まで低下した。一方で、GRNXはPK/PDターゲット値達成率への影響はほとんど認められなかった。

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腎機能中等度低下時にアテノロールを反復投与すると、最高血中濃度は単回投与時の1.5倍になる。

要点:腎機能が中程度以上低下した患者にアテノロールを反復投与した場合、最高血中濃度は単回投与時の1.3~1.5倍になる。服用中であればただちに減量迄しなくとも、徐脈や低血圧のアセスメントを慎重に行うことで対応可能かも知れない。

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レボフロキサシンのPKと用量設定について

レスピラトリーキノロンは、市中肺炎のエンペリックセラピーにおいて、高齢者や肺に基礎疾患を有する患者の場合、使用を積極的に考慮してよいとされます1)。

レボフロキサシン(LVFX)は、ガイドラインでキノロンの筆頭に挙げられています。

肺炎の主な起因病原体である肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラに有効ですが、ここでは肺炎球菌に有効である事を、PK/PDの観点から検証してみようと思います。

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