フェンタニル口腔粘膜製剤は、血漿中蛋白濃度で効果に差が生じるか。

フェンタニル口腔粘膜製剤は強オピオイド定時投与中の突出痛を有するがん患者のレスキューに用いられる製剤です。

血漿蛋白結合率が高い為、血清アルブミン濃度が低いと効果や副作用が強く出るのではないかと懸念されます。

実際、オピオイドスイッチングで他剤からフェンタニル貼付剤に切り替えた場合、血清アルブミンレベルの層別で効果に差があったとする報告があります1)。

薬物動態理論からはどのように分析されるでしょうか。

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SUR2受容体に親和性の高いSU剤は、虚血性心疾患のリスクとなるかも知れない。

SUR2受容体に親和性の高いSU剤は、虚血性心疾患のリスクとなるかも知れない。

要点:虚血性心血管の既往症があってSU剤を使用する場合、虚血プレコンディショニングを邪魔しないグリクラジドが安全性が高いかも知れない。

デンマークの観察研究の報告では、SU剤はメトホルミンと比して全死亡率や心血管死亡率との関連が認められました。

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抗てんかん薬の催奇形性、特に神経管開存は葉酸代謝阻害が一因と考えられ、妊娠前からの葉酸服用を指導する必要がある。

要点:抗てんかん薬の催奇形性、特に神経管開存は葉酸代謝阻害が一因と考えられ、妊娠前からの葉酸服用を指導する必要がある。

バルプロ酸(VPA)による特徴的な奇形として、二分脊椎が1~2%の頻度発生した事が報告されています。VPAの催奇形の危険度は投与量・血中濃度と相関があり、血中濃度が70ug/mL以下ではリスクの増大が見られない為、治療上可能であれば、この濃度以下に維持する事の重要性が指摘されています。

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