シンバスタチンとフルコナゾールは安全に併用出来ますか?

シンバスタチンとフルコナゾールは安全に併用出来ますか?

1 はじめに

シンバスタチン(商品名リポバス)とカンジダ治療薬のフルコナゾール(商品名ジフルカン)は薬物相互作用がある

シンバスタチン5mg服用中の80歳女性に、食道カンジタ症の治療でフルコナゾール50mgが処方されました。

併用禁忌のイトラコナゾール(商品名イトリゾール)と異なり併用注意と添付文書に記載されている

両剤は添付文書で併用注意とされています。一方、類薬のイトラコナゾールは併用禁忌です。イトラコナゾールの併用で、シンバスタチンのAUCが19倍になったという報告があります。

シンバスタチンとフルコナゾールは安全に併用できるでしょうか。

2 相互作用の機序はシンバスタチンの肝代謝が阻害され、血中濃度が上昇すること

シンバスタチンとフルコナゾールの相互作用について概観します。

2-1 スタチンとアゾール系真菌薬併用は、PISCSによる定量的予測が出来、今回は2.7倍と推定される

シンバスタチンは主として肝臓の薬物代謝酵素CYP3A4で代謝されます。一方、フルコナゾールはCYP3A4を中程度阻害します。

PISCSによれば、シンバスタチンのCYP3A4寄与率CR0.9、またフルコナゾールのCYP3A4阻害率IC0.7です1)。

同時に服用することで、シンバスタチンのAUC2.7倍の上昇が理論的に予測されます。PISCSの精度を考えると、3~5倍の上昇です。

2-2 シンバスタチンとフルコナゾールの服用により、副作用の横紋筋融解症を惹起した症例報告がある

Pubmedを検索すると、次の症例報告が見つかりました。

83歳白人男性で、シンバスタチン40mgとフルコナゾールの1週間の併用で横紋筋融解症を起こし、両剤の中止により回復しています。

PISCSではシンバスタチンが108mg(精度を考えると120~200mg)飲んだのと同じAUCになったと考えられます。

3 シンバスタチン
の用量が少なければ併用出来るかも知れないし、スタチンを休止または変更で対応出来るかも知れない

両剤が安全に使用できるか、薬を変更するならどうすれば良いか概観します。

3-1 シンバスタチンの用量についてインタビューフォームを見ると、米国添付文書では80mgでミオパチーリスク上昇としている

シンバスタチンの日本の用量の上限は20mgですが、米国での用量の上限は80mgです。

リポバスのインタビューフォームには、米国の添付文書が掲載されています 3)。

そこには用量に関する次のような注意事項が記載されていました。

・治療開始1年間は、横紋筋融解症を含むミオパチーのリスクが上昇するため、80mgの投与は、筋毒性の形跡がなく、慢性的(例えば、12ヶ月もしくは以上)に服用している患者に制限すること。

・すでに80mgを服用して禁忌もしくは、シンバスタチンの上限用量に関係している相互作用のある薬剤を服用する必要のある患者は、相互作用の可能性の少ないスタチン製剤に切り替えること。

・横紋筋融解症を含むミオパチーのリスクは、80mgの用量に関連して上昇するため、40mgでLDL-Cの目標達成できない患者には、80mgを投与するのではなく、LDL-C低下がより効果のあるその他のLDL-C低下薬を選択すること。

3-2 シンバスタチンが低用量であれば注意しながら併用できるかも知れない

シンバスタチンの国内の承認用量の上限は20mgであり、今回のAUC上昇は5mg x2.7=13.5mgと範囲内と考えられます。

筋症状の有無に注意しながら併用は可能かも知れません。

3-3 スタチンを休薬、または他剤へ変更してもよいかも知れない。

PISCSの予測精度を考えると、今回の併用は3~5倍のAUC上昇と表現されます。

より慎重にフルコナゾール服薬中のみシンバスタチンを休薬したり、他のスタチンに変更すると言う選択枝もあるでしょう。

変更候補はCYP3A4を介する相互作用が少ない、かつレギュラースタチンのプラバスタチンが提案できると思われます。

レギュラースタチンのフルバスタチンは、フルコナゾールとCYP2C9を介する相互作用があるため、プラバスタチンの方がベターと思われます。

3-4 もしも横紋筋融解症を起こしたらどうしたらよいか

フルコナゾールの半減期は長く、35時間程度です。

もし併用中に横紋筋融解症を起こした場合は、シンバスタチンとフルコナゾール双方の中止が望ましいと考えられます。

4 まとめ

シンバスタチンが低用量であれば、筋症状に注意しながらフルコナゾールを併用出来るかも知れません。

より慎重を期すのであれば、フルコナゾール服用中と服用終了後(フルコナゾールの半減期の5倍の)1週間程度はシンバスタチンを休薬しても良いでしょう。

もしくはCYP3A4の相互作用のないプラバスタチンなどに変更しても良いでしょう。

この対応が、より安全ではないかと考えられます。

参考文献

1)https://ptweb.jp/images/asset/PT_DDI_2019_Jap_A4_0219.pdf
2)Simvastatin-fluconazole causing rhabdomyolysis. Ann Pharmacother. 2003 Jul-Aug;37(7-8):1032-5. PMID:12841814
3)リポバス錠 インタビューフォーム

推薦図書

「これからの薬物相互作用マネジメント―臨床を変えるPISCSの基本と実践」

PISCSを実践するためのハンドブックです。薬局に一冊、備え付けておきたい本です。PISCSに初めてふれる方にお勧め。

「医療現場のための薬物相互作用リテラシー」

薬物相互作用の基本、ピットホールが網羅的に紹介されていて、通読すれば一通りの知識が身に付きます。

中でも、PISCSと言う理論を用いて、薬物相互作用を定量的に予測する方法は圧巻です。

PISCSの適用方法だけでなく、理論的背景まで触れられています。これは今まで発刊されたPISCSの記事に類似するものがなく、わたしは夢中になって読みました。

薬物相互作用のマネジメントは、薬剤師の職能そのものと思いますので、ぜひPISCSを技の1つに加えましょう。

定量的な予測が加われれば、疑義照会や処方提案も受け入れられやすくなると思います。

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1 はじめに

循環器内科でワーファリン服用中の患者さんに、耳鼻咽喉科からフロリードゲルの処方箋が来た。

先輩が耳鼻咽喉科に電話して、ファンギゾンシロップに変更になった。

「理由を調べておいてね」って先輩から言われたけど、薬歴が溜まってて調べる時間が取れない。

誰かタスケテ・・・。

そんなあなたに今回の記事が役に立ちます。

2 ワルファリンについて

2-1 ワルファリンは治療域が狭く、薬物相互作用も多い

ワルファリンは、心房細動などで血栓が出来やすい方が血栓予防で飲む薬です。治療域が狭く、量の厳密なコントロールが必要です。

ワルファリンの用量は、INRと言う検査値を指標に調節します。ガイドラインでは70歳未満ではINRを2.0~3.0に、70歳以上では1.6~2.6にコントロールすることが推奨されています。

ワルファリンは他の薬との相互作用が多く、製薬会社からは500ページに及ぶ適正利用の為の書籍が発刊されています。

膨大な情報をいかに評価して、重要な相互作用を見逃さずマネジメントするかが重要です。

2-2 ワルファリンはCYP2C9の相互作用が臨床的に重要

ワーファリンは光学異性体であるS-ワルファリンとR-ワルファリンの等量混合物です。S-ワルファリンはR-ワルファリンに比べ、5倍の抗凝固作用を有しています。

そのため、薬効の本体は殆どS-ワルファリンと考えられています。S-ワルファリンはほぼ薬物代謝酵素CYP2C9で代謝されます。

一方R-ワルファリンはCYP3A4、CYP1A2など複数の酵素で代謝されます。

そのため、主な薬効を担うS-ワルファリンの代謝酵素、CYP2C9に大きな影響を及ぼす薬は、相互作用を考える際、重要になります。

3 ミコナゾールについて

3-1 ミコナゾールゲルは強いCYP2C9阻害作用がある

ミコナゾールはアゾール系の抗真菌薬で、食道カンジタの治療などに用いられます。アゾール系抗真菌薬の中でも、ミコナゾールは特にCYP2C9の相互作用が強い薬剤です。

ミコナゾールゲルは口腔~食道内での効果を期待する薬剤であり、単回投与時の血漿中濃度は定量限界(100ng/mL)未満とインタビューファームに記載されています。

しかし、定量限界が充分に低いと言えず、また反復投与時の肝臓中濃度がさらに高くなっている可能性があります。

ミコナゾールはCYP2C9で代謝される薬剤と併用した場合、5倍以上の変動を与える事が報告されています。これは併用禁忌レベルに該当します。

4 ワーファリンとミコナゾールは添付文書で併用禁忌とされている

併用による出血や著しいINRの延長が多数報告されています。前述のCYP2C9を介する相互作用と考えられます。

非常に重篤な事例が多く、ミコナゾール投与後に相互作用を生じた事例や、相互作用発現後にミコナゾールを中止しても数ヶ月に渡って相互作用の影響が遷延している報告が複数あります。

5 まとめ

ワーファリンとフロリードゲルは併用禁忌指定されています。CYP2C9を介する相互作用でワーファリンの効果が増強され、多数の症例報告がなされています。

併用は原則避けるべきであり、やむを得ず併用せざるを得ない場合に限って、頻回にINRを測定するなど、非常に慎重に行われるべきです。

代替として、ファンギゾンシロップが考えられます。薬効成分のアムホテリシンBは相互作用が少なく、また経口投与した場合、消化管からほとんど吸収されないので、安全に使用出来ると考えられます。

推薦図書

「医療現場のための薬物相互作用リテラシー」
薬物相互作用の基本、ピットホールが網羅的に紹介されていて、通読すれば一通りの知識が身に付きます。

中でも、PISCSと言う理論を用いて、薬物相互作用を定量的に予測する方法は圧巻です。

PISCSの適用方法だけでなく、理論的背景まで触れられています。これは今まで発刊されたPISCSの記事に類似するものがなく、わたしは夢中になって読みました。

薬物相互作用のマネジメントは、薬剤師の職能そのものと思いますので、ぜひPISCSを技の1つに加えましょう。

定量的な予測が加われれば、疑義照会や処方提案も受け入れられやすくなると思います。

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ニューキノロンとNSAIDSの併用は痙攣リスクがあると薬学部で習ったけれど、疑義照会は必要?

クラビットとマグミットは一緒に飲んだらいけないと聞いたけれど、どちらを先に間隔は何時間あけて服用したら良い?

とびひの抗生物質が鉄剤と飲み合わせが悪いと聞きました。何時間あけて飲んだら良いですか?

ニューキノロンとNSAIDSは併用すると痙攣リスクがあると薬学部で習ったけど、疑義照会は必要?

ニューキノロンとNSAIDSは併用すると痙攣リスクがあると薬学部で習ったけど、疑義照会は必要?

1 はじめに

国試ではニューキノロン系抗菌剤とNSAIDS(非ステロイド性解熱鎮痛剤)は、けいれんを起こしやすくなると習ったけれど、実際に薬剤師として働きだすと、併用を目にする機会は少なくありません。2つのケースを見てみましょう。

(ケース1)
歯科からタリビット錠100mg 1回1錠 1日3回とボルタレン錠25mg1回1錠頓用の処方箋が来た。患者さんは既往症のない若い男性。

クリニカルクエスチョン:併用注意で禁忌ではないけれど疑義照会すべき?

(ケース2)
腎盂腎炎でクラビット錠500mgとカロナール錠200mgが処方になった。

別の機会に、頭痛にロキソニン錠60mgが処方されている。カロナールが効かなかったら飲んでも良いかと質問あり。

患者さんはてんかん既往の若い女性。

クリニカルクエスチョン:併用注意だけど、飲んで良い?

今回のブログを読めば、薬理学や基礎研究の知識による推論だけでなく、実際に患者さんが薬を飲んでどうだったかを調査、統計処理した臨床研究を取り入れ、総合的に考える手法を身につけるきっかけが掴めると思います。

2 ニューキノロンとNSAIDs

2-1 痙攣(けいれん)を起こすメカニズム

ニューキノロンは単独でも痙攣を誘発する作用があります。

これは、抑制系の神経末端にあるGABA受容体に神経伝達物質GABAが結合するのを、ニューキノロンが妨げる為です。

その結果中枢神経の興奮が起こると考えられています。そして、NSAIDsの存在下でニューキノロンのGABA受容体結合阻害率が上がる事が基礎研究で報告されています1)。

2-2 添付文書の記載は禁忌と併用注意がある

ニューキノロンが有するGABA受容体へのGABA結合阻害率は、薬剤により程度が異なります。

けいれんを発生させる機序から考えると、GABA受容体へのGABA結合阻害作用が強いニューキノロンほど、痙攣をひき起こしやすいのではないかと言う仮説が立てられます。

GABA受容体へのGABA結合阻害作用の強さについては、

バクシダール>シプロキサン≧オフロキサシン、オゼックス、バレオン>クラビット
といった報告があります2)。

またNSAIDSの影響も、薬剤により程度が異なります。

添付文書では、シプロキサンとケトプロフェンの組み合わせを禁忌としています。

酸性NSAIDSであるフェニル酢酸系とプロピオン系は、クラビット、ジェニナック、グレースビット、オゼックス、シプロキサンと併用注意としています。

フェニル酢酸系は、ボルタレン、エトドラクです。プロピオン酸系は、ブルフェン、ロキソニン、ナイキサンです。

2-3 実臨床では併用の機会は多いが、安全性の高いアセトアミノフェン(カロナール)、ポンタールとクラビット(レボフロキサシン)の併用が多い

2003年に2病院を対象に行われた調査では、ニューキノロンが処方された際、30%にアセトアミノフェン/NSAIDsの併用がありました3)。

そのうち約半数がアセトアミノフェンで、次いでロキソニン、ポンタールでした。

また、処方されたニューキノロンの8割はクラビットでした。

アセトアミノフェンとポンタールは、添付文書にもニューキノロンと併用注意の記載がない、安全性の高い解熱鎮痛剤です。

次に、併用注意とされる組み合わせ、すなわちクラビット/グレースビット/ジェニナックとフェニル酢酸系/プロピオン酸系NSAIDSの併用で、痙攣を起こしやすくなるのか見て行きましょう。

2ー4 クラビットとロキソニン、ブルフェン(イブ)、ボルタレンの併用は痙攣は少ないが、クラビット単独より痙攣を起こしやすくなるか不明

クラビットとロキソニン、ブルフェン、ボルタレンの併用の安全性を調査した報告があります4)。

中枢神経系の副作用の発生率は、NSAIDSを併用しなかった群で 0.04%でした。フェニル酢酸系・プロピオン酸系 NSAIDSを併用した群で 0.07%でした。その他の NSAIDSを併用した群で 0.10%でした。

論文では、併用した患者群と併用しなかった患者群で、痙攣の発生率は統計的に差がなかったとしています。

解釈としては、「サンプル数が少なく検出力不足で、併用によってけいれんを起こしやすくなるかは分からない。

ただ、けいれんを起こす頻度は併用の有無に関わらず少ないと言える。」

と言った所と考えます。

2ー5 てんかん既往、腎機能低下(CLcr40未満)、高齢(75歳以上)はリスクがあるかも知れない。

この論文では、副作用を起こした患者に共通する因子を抽出しています。

因子は全部で3つ。すなわち、てんかん既往、腎機能低下(CLcr40未満)、高齢(75歳以上)です。

これらのリスク因子があれば、NSAIDSの併用に関わらず注意喚起をした方が良いでしょう。

また、ニューキノロンは腎排泄されるので、腎機能に応じた用量の調節を適切に行う必要があるでしょう。

2-6 グレースビットとフェニル酢酸系・プロピオン系NSAIDsとの併用で、けいれんを起こしやすくなるか不明

グレースビットに関して調べていて、次の論文を見つけました5)。

要旨は、以下です。
「2011年12月から2013年5月にかけて本用法・用量における使用成績調査を実施した。

全国226施設の医療機関から1,186例の調査票を収集し,安全性は1,089例,有効性は1,069例で検討した。

本剤と併用注意となっているフェニル酢酸系またはプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬は17.6%(192/1,089 例)で併用されていたが,併用例で中枢神経系副作用は認められなかった。」

「本調査では192例と限られた症例数での検討結果であるため,引き続き注意は必要であるが,過去に実施した使用成績調査においてもフェニル酢酸系・プロピオン酸系NSAIDsが併用された421例に中枢神経系副作用は認められず,臨床においても本剤はフェニル酢酸系・プロピオン酸系NSAIDsとの併用による中枢神経系副作用発現増強のリスクは低い可能性が示唆された。」

192例での検討と言うことですが、どれくらいの例数が必要になるのでしょうか。

2-7 3の法則

副作用を検出するために必要な例数は、3の法則(rule of three)が知られています6)。

「p=0.001 すなわち千人に1人の割でしか観測されない事象を1人以上の被験者で観測する確率を0.95以上にするには3000 人の被験者を必要とする。」

6)稀な事象の生起確率に関する統計的推測 Rule of Three とその周辺
Statistical Inference for the Occurrence Probability of Rare Events ~ Rule of Three and Related Topics ~
計量生物学Vol. 26, No. 2, 53{63 (2005)

これを知っていると、192人は如何にも少ない例数であることが分かると思います。

2-8 ジェニナックとフェニル酢酸系・プロピオン系NSAIDsとの併用リスクも不明

メーカーサイトには、ジェニナックとNSAIDS併用中に中枢神経系の副作用を起こした症例報告があるとアナウンスされていますが、統計的に意味があるかは不明です。

3 まとめ

クラビットやグレースビットにせよ、ジェニナックにせよ、てんかん既往、腎機能低下(CLcr40未満)、高齢(75歳以上)である場合は、NSAIDS併用の有無に関わらず、ニューキノロン服用によるけいれんリスクがあることに注意が必要と考えるべきでしょう。

それでは、ここまで見てきたことを踏まえて冒頭の2つのケースを振り返ってみましょう。

(ケース1)
健康な若い男性であれば、クラビットのラセミ体であるタリビットとボルタレンを併用しても、痙攣を起こしやすくする可能性は低いと考えられ、疑義照会までは必要ないのではないでしょうか。

(ケース2)
てんかん既往があり、クラビットによる中枢神経系副作用を発症するベースラインのリスクが高いです。

ロキソニンは別の機会に処方された薬であり、処方医は今回カロナールを選択しています。

今回クラビットと併用することはけいれんを起こしやすくなる可能性があり、避けるべきと考えられます。

4 推薦図書

今回参考にした書籍を推薦します。「副作用を考える時は対照が必要」と書いてあります。

今回の記事で紹介した論文でも、併用群の対照として非併用群が設定され、統計的に差があるかの検討がなされています。

科学的に副作用を考える手法を学びたい方は、ぜひ本書を手に取って下さい。

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3の法則を始め、論文解釈のピットホールが解説されています。読めば臨床研究を正しく評価できるようになること請け合い。


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6 参考文献

1)GABA受容体結合におけるキノロン薬と非ステロイド薬の薬物相互作用に関する研究― 非ステロイド薬からみた構造活性相関―
臨床薬理Jpn J Clin Pharmacol Ther28(1)Mar1997 437-438

2)Drug Metab Pharmacokinet. 2009;24(2):167-74.

3)市中病院における処方せんからみたキノロン系薬と非ステロイド性抗炎症薬・解熱鎮痛薬との併用に関する実態調査―中規模2 市中病院を対象として―
日本化学療法学会雑誌 第51巻第9号 SEPT.2003 561-581

4)Levofloxacin と非ステロイド性消炎鎮痛薬併用時の安全性
日本化学療法学会雑誌第54巻第4号 JULY2006 321-329

5)使用実態下におけるsitafloxacin 100mg 1日1回投与の安全性・有効性
THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 67‐3 175 ( 29 )June 2014

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クラビット(レボフロキサシン)とマグミット(酸化マグネシウム)は一緒に飲んだらいけないと聞いたけれど、どちらを先に間隔は何時間あけて服用したら良い?


クラビット(レボフロキサシン)とマグミット(酸化マグネシウム)は一緒に飲んだらいけないと聞いたけれど、どちらを先に間隔は何時間あけて服用したら良い?

1 はじめに 膀胱炎でクラビットを処方された

膀胱炎でクラビット錠500㎎を処方されたけれど、薬局でお薬手帳を見せたら、便秘で飲んでるマグミット錠と飲み合わせが良くないって薬剤師さんが言ってた。

時間をあけて飲んでって言われたけど、忘れちゃった。どっちを先に飲めばいいの?時間はどれくらいあけたらいいの?誰かタスケテ…。

そんなあなたに、飲み方とその意味合いを書きました。

2 クラビット(成分名:レボフロキサシン)と一緒に飲んではいけない薬がある。マグミット(成分名:酸化マグネシウム)は代表的

クラビットは金属カチオンと飲み合わせが悪い

医薬品の成分である、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸第一鉄など、消化管の中で金属カチオン(プラスの電荷をもつイオン)となる薬は、飲み合わせがよくありません。

同時に飲むと効果が落ちる

一般に、飲み合わせが悪いのには、薬が安全に使用出来なくなる場合と、薬が効果的に使用出来なくなる場合の2つがあります。

クラビットとマグミットは後者に該当します。

3 ニューキノロンと金属カチオンは相互作用があり、併用注意。つまり飲み合わせ・飲み方に注意が必要

難溶性のキレートを作る

ニューキノロン系抗菌剤であるクラビットと上記の金属カチオンは、同時に服用すると、消化管の中で難溶性のキレートを作り、吸収率が低下します。最高血中濃度であるCmaxが-45%、生体が利用できる薬の総量であるAUCが-19%低下します。

ニューキノロンは、効果を得るために血中濃度のピークが必要

ニューキノロンは、濃度依存の抗菌剤です。菌の増殖を抑える効果が最高血中濃度に依存します。この事は、Craigの理論で有名です。

Craigの理論

正確にはAUC/MICとCmax/MICが一定以上でないと、十分な効果が発揮されません。MICは最小菌発育阻止濃度と言って、細菌の増殖を抑えられる最小の薬物濃度です。

同時に飲むとクラビットのピークが下がり、効果が落ちる

このような理由で、同時に服用した場合、抗菌剤であるクラビットの十分な治療効果が得られない可能性があります。

4 間隔をあければ飲めるが、何時間あけたら良いか。

飲む間隔をあければ効果を損なわない

これを解決するには、同時服用を避けて、時間をずらして飲む方法があります。どちらを先に、何時間あけたら良いでしょうか?2つ仮説を提示します。

クラビットを先に飲む場合

①クラビットを先に飲んだ場合、2時間以上あけてマグミットを飲めばよい。クラビットの血中濃度が最大になるまでの時間であるTmaxは1時間なので、2時間後には大部分の吸収が終わっていると考えられます。

マグミットを先に飲む場合

②マグミットを先に飲んだ場合、3~6時間以上あけてクラビットを飲めばよい。金属カチオンは消化管からあまり吸収されず、長時間滞留するため、間隔を長くあける必要があると考えられます。

仮説を裏付けそうな研究がある

実際、この仮説を支持する研究報告があります。

レボフロキサシンに関するデータはありませんが、制酸薬との併用による他のニューキノロン系抗菌薬の相対的バイオアベイラビリティの変動を図1に示しました。

バイオアベイラビリティとは、服用した薬がどれくらい血流に乗るかの指標です。

併用を避けるべき時間が示唆された

ニューキノロン系抗菌剤の服用時間を0 時間とし、制酸薬の服用をずらして相対的バイオアベイラビリティを調べた結果、ニューキノロン系抗菌薬の服用3~6時間前、服用2時間後までは、制酸薬の併用を避けるべきであることが示唆されました。

図 1. 制酸薬投与タイミングによるニューキノロン系抗菌薬の相対的バイオアベイラビリティの変化。

図の見方

ニューキノロン薬の投与タイミングを 0 時間とし、制酸薬(酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等のこと)をその前後に投与しています。

結果の解釈には注意が必要

ただし、金属カチオンにはマーロックス、スクラルファート等が用いられ、投与量も研究間で差異が在るため、作用強度の比較には注意が必要です。

5 まとめ

ニューキノロン系抗菌剤のクラビットは、マグミットと同時に飲むと効果が落ちる事が分かりました。

クラビットを先に飲むなら、マグミットは2時間以上あけて下さい。

マグミットを先に飲むなら、クラビットは3~6時間以上あけて、下さい。

現実的なのは、クラビット先でしょうか…。難しい場合は、クラビットを変更出来ないか、相談しましょう。

6 推薦図書「医療現場のための薬物相互作用リテラシー」

今回参考にした書籍を紹介します。P192-199に「主に阻害薬・誘導薬として重要なもの ④キノロン系・カルバペネム系抗菌薬」と言う章があり、金属カチオンとの相互作用が解説されています。

薬物相互作用の基礎知識、ピットフォール、定量的なマネジメントの手法について解説されています。特にPISCSと言う手法で薬物相互作用を定量的に評価する方法の解説は圧巻で、ぜひ手に取って見られることをお勧めします。

7 関連記事

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ニューキノロンとNSAIDSの併用は痙攣リスクがあると薬学部で習ったけれど、疑義照会は必要?

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薬剤師必読。臨床報告のない相互作用をPISCS理論で定量的に評価。手計算も出来る簡単な式で、必要なパラメーターはAUCの他は2つだけ。

PISCSを応用して、クラリスロマイシン併用時のグアンファシンAUC上昇率を推定する。

8 参考文献

1)Shiba K et al.:Antimicrob Agents Chemother 1992;36(10):2270-2274
2)伊藤由紀 ほか:医薬ジャーナル 2001;37(12):3598-3603
3)川上純一 他, 病院薬学 18(1):1-12, 1992.
4)医療現場のための薬物相互作用リテラシー 南山堂 大野能之編 2019年
5)Craig WA et.al The Role of Pharmacodynamics in Effective Treatment of Community-Acquired Pathogens. Advanced Studies inMedicine,2:126-134,2002.

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電子薬歴でアラートが出て焦りましたが、検索の結果、エクセグランとトラマゾリン点鼻液はおそらく安全に併用できると考えました。


こんばんは🌙😃❗アロマ薬剤師🌿ゆき🌿です。
先日仕事をしていて、焦った話をします😅

その患者さんは、急性副鼻腔炎の治療で耳鼻咽喉科からトラマゾリン点鼻液0.018が出ていました。

鑑査を終えて、電子薬歴を開くと、電子薬歴のアラートが、次のように出ました。

トラマゾリン点鼻液0.118% エクセグラン錠100mg
1:禁止 【発現事象】急激な血圧上昇 【理由】本剤の血圧上昇作用を増強

???

トラマゾリンとMAO阻害薬は、添付文書にこのような禁忌記載のあることは知っていました。

けれど、エクセグランの添付文書にMAO阻害作用を有するとの記載はありません。

どうしよう。疑義照会しないといけないレベルの相互作用なのかな。

ぐるぐる考えながら、更なる情報を求めて検索しました。

「新しい抗パーキンソン病薬ゾニサミドの発見」と言うページがヒットしました。

「中等度のモノアミン酸化酵素阻害作用」「ゾニサミドはMAO 活性に対するIC50 はラットでは肝臓ミクロゾーム分画と線条体で著明な差があり、脳内では50% 程度のMAO 阻害作用を示すが、末梢ではほとんど作用しない」

これだ。ゾニサミドにもMAO阻害作用があるようです。エクセグランの添付文書には、パーキンソン病の適応はなかったけど…。

ともかく、血圧上昇は末梢でのMAO阻害によるノルエピネフィリンの増加と、トラマゾリンの直接的α作用による末梢血管収縮の相加作用と考えられるので、ラットのデータですが末梢でのMAO阻害作用のほとんどないエクセグランと、トラマゾリンとに臨床上有意な相互作用はないだろうと考えました。

投薬を終えて、もう少し検索していると、ゾニサミドにはエクセグラン錠100mgの他に、トレリーフ錠25mg・50mgと言うパーキンソン病が適応の商品が存在することが分かりました。

また、アルフレッサ学術に問い合わせたところ、MAO阻害薬の禁忌記載は類薬に揃えたものであること、エクセグランとの併用による急激な血圧上昇の症例報告はない、とのことが分かりました。

電子薬歴のアラート…もう少し賢くなってくれたらなあと思い、いやいや、それではわたしたちの存在意義がなくなってしまうじゃない、と思い直しました。



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シンバスタチン服用中にイトラコナゾールのパルス療法を受けて横紋筋融解症を来たした例。


Aさん(仮)64歳は、内科で高コレステロール血症の治療を受けていましたが、ある時皮膚科から爪白癬の治療を受けることになりました。

イトラコナゾール400mg/日(爪白鮮のパルス療法。)
シンバスタチン10mg/日

担当した薬剤師は、イトラコナゾールとシンバスタチンが併用禁忌に当たる為、疑義照会しました。けれど皮膚科医師からは処方通りとの返答で、調剤したとの事です。

イトラコナゾール服用3日目でAさんは顔面浮腫、体重も3~4kg増えました。血圧も低下していたそうです。Aさんは医師に電話で相談、イトラコナゾールとシンバスタチンを中止するように言われました。

中止したところ、浮腫みは治まったとの事です。

いったい、Aさんに何が起こったのでしょう。

イトラコナゾールはアゾール系の抗真菌薬です。薬物代謝酵素を阻害することが知られています。

機序として、薬物代謝酵素の活性中心であるヘム鉄にイトラコナゾールが配位結合することで、酵素を可逆的に阻害します。

そのため、阻害作用の発現にマクロライドのようなタイムラグがありません。飲んだ日から阻害作用が現れます。

阻害様式からは非特異的に複数のCYP分子種を阻害すると予想されますが、実際にはCYP3A4を強く阻害します1)。

そしてシンバスタチンの代謝はCYP3A4に強く依存します。

そうです。イトラコナゾールにより、シンバスタチンの代謝が阻害され、シンバスタチンの体内濃度が上昇したのです。

その結果、横紋筋融解症を発症したのでしょう。

浮腫は横紋筋融解症による腎不全によるものと考えられます。

横紋筋融解症は、骨格筋細胞の壊死や融解により、筋細胞内成分が血液中に流出した状態を言います。

流出した大量のミオグロビンが尿細管を閉塞し、急性腎不全を併発することが多いとされます。

それだけではなく、循環血液量減少にともなうショックや、高カリウム血症により突然の心停止をきたす危険があります。

早期大量輸液、高カリウム血症対策と尿アルカリ化、強制利尿が急性腎不全の治療およびその予防としておこなわれます。

Aさんには命に関わるような危険があったのです。

Aさんに起こったことは、予見できなかったのでしょうか。

PISCSと言う理論から、今回の併用でシンバスタチンの体内濃度がどの程度上昇したのか予測することが出来ました。

イトラコナゾールのCYP3A4代謝阻害率IR〉0.9

シンバスタチンのCYP3A4代謝寄与率CR=1.0

AUC上昇率=1/(1-IR・CR)・・・①

①式より、併用によってシンバスタチンのAUCは10倍以上になったと予測されます2)。

当時はPISCS理論はまだ発表されていなかったので、後知恵と言われればそうですが、添付文書で併用禁忌であること、症例報告を見れば危険な併用であることは分かったはずです。

Rhabdomyolysis-induced acute renal failure due to itraconazole and simvastatin association.  2011;26(2):79-80.

わたしたち薬剤師は、どうしたら良かったでしょう?

少し長くなりますが、以下の引用をご一読下さい。

・・・薬剤師に疑義照会義務を負わせている法の趣旨は、「医師等の処方の過誤を正し、医薬品使用の適正を確保し、過誤による生命、健康上の被害の発生を未然に防止する」ためにあります。薬学的に疑義が残り、医薬品の適正使用にならないような場合に、医師が対応しないからといってそのまま調剤してしまったとすれば、この目的が達成されないことは明らかです。

このような趣旨で設けられた義務である以上、形式的に医師に確認をしたとしても、薬剤師の薬学的疑義が解消され、適正に使用されることが確認できなければ、薬剤師は義務を果たしたとはいえないと解釈されます。

今回の質問のような場合、薬剤師には注意義務違反(過失)が認められ、損害賠償責任を負うことになります。また,刑事責任や行政責任に問われる可能性も否定はできません。

・・・医師が疑義照会に応じないことはありえます。「医師と薬剤師の関係から考えると仕方ないのではないか」、「薬剤師が責任を負うのはおかしいのではないか」という意見もあるかと思います。薬剤師が医師を介して患者に責任を負っているのであれば、そのような考え方もできるでしょう。

しかし、薬剤師はあくまで独立の専門職であり、患者に対して直接責任を負っています。薬剤師は医師のために調剤をしているのではなく、患者のために調剤をしているのであり、患者のために最善を尽くさなければ義務を果たしたとはいえません。医師が疑義照会に応じず、医師との関係から疑義照会をしにくいとしても、患者にその不利益を負わせてよいことにはなりません。

「患者に健康被害が起こるかもしれないが、医師が疑義照会に応じないから仕方がない」と考えて調剤することは,患者に対して「健康被害(最悪の場合は死に至る)が起きても仕方がない」と判断しているといわれかねません。このような場合、患者に対して最善を尽くしたとは到底いえませんので、薬剤師は責任を負うことになります。当然のことですが,薬剤師が患者に対する義務を果たしたかどうかの判断のポイントは、あくまで患者のために最善を尽くしたかどうかなのです3)。

重い言葉です。

今回書いたケースも、形式的な疑義照会と言われて仕方ないですし、司法のステージに進んでもおかしくなかった事例です。

司法的判断がすべてとは言いませんが、引用した赤羽根先生は弁護士であるとともに薬剤師でもあります。わたしには、薬剤師と言う職業に期待を込めた言葉と思えました。

あなたならどうしますか?

参考文献

1)Vol.50 No.7 2014 ファルマシア 655 https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/50/7/50_654/_pdf

2)薬物動態の変化を伴う薬物相互作用2015 鈴木洋史,大野能之

3)薬局・薬剤師のためのトラブル相談Q&A47 赤波根秀宣 じほう

パキシル(一般名パロキセチン)を飲んでいる人が、眼科を含めて他の病院を受診するときにしなければいけない、たったひとつのこと。

かかりつけ医院に黙ってほかの病院を受診し、同効薬のオメプラゾールとタケキャブが重複して処方されていた話。

皮膚科と耳鼻咽喉科を掛け持ち受診して、持ち込まれた2枚の処方箋で抗生物質が重複した話。

耐性菌の話。どこか遠い国の話ではなく、日本の日常診療でも耐性菌は溢れています。

ピロリ菌除菌の薬を飲む人が、他に飲んでいる薬を頓服も含めて全て病院と薬局で伝えたほうがよい、たったひとつの理由。

心房細動で薬を飲んでいる人が、花粉症の薬を病院でもらう時に、お薬手帳を持参した方がよい、たったひとつの理由。

コレステロールの薬を飲んでいるけれど、名前は正確に覚えていない人が、風邪で病院を受診する時にお薬手帳を持参した方がよい、たったひとつの理由。

シンバスタチンとフルコナゾールは安全に併用出来ますか?

シンバスタチン服用中にイトラコナゾールのパルス療法を受けて横紋筋融解症を来たした例。

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カルバマゼピンとグレープフルーツジュースの相互作用の強度を、理論から予測出来るか。


CYP3A4で代謝されるカルバマゼピンと、CYP3A4阻害作用を有するグレープフルーツジュース摂取についての考察

グレープフルーツジュース果汁に含まれるフラノクマリンと言うフラボノイドが、小腸粘膜にある薬を代謝する酵素CYP3A4と結合し、酵素としての機能を不可逆的に無くすことが、この相互作用の原因と考えられています。

阻害効果は酵素が新しく作られるまでの数日間持続します。併用により、カルバマゼピンのCmax及びAUCが1.4倍になったと言う報告があります1)。

テグレトールの至適血中濃度は4~12μg/mL(文献によっては4~10μg/mL)と幅が狭く、上限近くでコントロールしている場合は、グレープフルーツジュースの併用で至適濃度を超えることがあるかも知れません。

8μg/mL以上で、頭痛、嘔気、傾眠、活動性の低下、不安などが起こることが知られています。カルバマゼピンを服用している患者さんは、出来ればグレープフルーツジュースの飲用は避けたほうが良いかも知れません。

一般にグレープフルーツジュースは消化管における薬物代謝能を低下させるので、初回通過代謝における消化管の寄与が大きな薬物ほどグレープフルーツジュース摂取によって体内動態が大きく変動すると考えられます。

また、血漿蛋白結合率の大きな薬物は肝臓への移行が制限されることから、肝代謝の寄与が小さくなり、消化管代謝の寄与が相対的に大きくなります。

この考え方を利用すれば、薬物とグレープフルーツジュースの相互作用の大きさは、薬物の血漿蛋白結合率から推測できると考えられます。薬物を代謝する CYP3A4の小腸における含有量は、肝臓の80分の1程度です。

添付文書より、カルバマゼピンの血漿蛋白結合率は70~80%で、非結合率を20%と仮定すると、肝臓での代謝は80(酵素量比)x20(%、血漿蛋白質非結合率)=1600(任意単位)となるのに対して、吸収時の消化管内では血漿蛋白がないと仮定できますので、消化管での代謝は1(酵素量比)x100(%、血漿蛋白質非結合率)=100(任意単位)となります。

従ってこの場合、肝臓と小腸における代謝の寄与率は16:1となりますから、もしグレープフルーツジュース飲用によって、小腸におけるカルバマゼピンの代謝が完全に阻害されるとすると、体全体としてバイオアベイラビリティでの小腸と肝臓での代謝は94%に低下することになり、AUCは1.06倍程度に上昇すると考えられます2)。

このように実測値と理論値に乖離があります。論文ではTmaxは変化させなかったとの事なので、吸収速度に影響は与えなかったようです。

半減期について、アブストラクトには記載がなかったのですが、もし半減期が延長していれば、肝臓での代謝も阻害している可能性があります。25%程度阻害していれば、実測値と等しくなると考えます。

論文のコンクルージョンにも、” Grapefruit juice increases the bioavailability of carbamazepine by inhibiting CYP3 A4 enzymes in gut wall and in the liver” とありますので、その解釈で良いのかと思います。

1)Effect of grapefruit juice on carbamazepine bioavailability in patients with epilepsy.
2)月刊薬事、44:1587-1608 (2002)



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血漿蛋白結合率の高いリピトールは大量のグレープフルーツジュース飲用でAUCが2倍強上昇する。


リピトールの添付文書には、グレープフルーツジュース1.2L/日との併用により、本剤のAUC0-72hが約2.5倍に上昇したとの報告がある、と記載があります。

一般にグレープフルーツジュースは消化管における薬物代謝能を低下させるので、初回通過代謝における消化管の寄与が大きな薬物ほどグレープフルーツジュース摂取によって体内動態が大きく変動すると考えられます。

また、血漿蛋白結合率の大きな薬物は肝臓への移行が制限されることから、肝代謝の寄与が小さくなり、消化管代謝の寄与が相対的に大きくなります。

この考え方を利用すれば、薬物とグレープフルーツジュースの相互作用の大きさは、薬物の血漿蛋白結合率から推測できると考えられます。薬物を代謝する CYP3A4の小腸における含有量は、肝臓の80分の1程度です。

そこで、この仮定に基づいて、リピトールと大量のグレープフルーツジュース飲用時のAUCが、理論的にどの程度上昇すると予想出来るか、検証してみます。

リピトールの血漿蛋白結合率は、95.6~99.0%以上と記載がありますので、非結合率を1%と仮定すると、肝臓での代謝は80(酵素量比)x1(%、血漿蛋白質非結合率)=80(任意単位)となるのに対して、吸収時の消化管内では血漿蛋白がないと仮定できますので、消化管での代謝は1(酵素量比)x100(%、血漿蛋白質非結合率)=100(任意単位)となります。

従ってこの場合、肝臓と小腸における代謝の寄与率は4:5となりますから、もしグレープフルーツジュース飲用によって、小腸におけるカルバマゼピンの代謝が完全に阻害されるとすると、初回通過効果の小腸及び肝臓での代謝は44%にまで低下することになり、体内に移行する薬物量=バイオアベイラビリティx投与量(Ab=F・D)より、バイオアベイラビリティFがジュース飲用によりF’=F/0.44に上昇している、と表せます。

またGFJは小腸に限定されたCYP3A4阻害作用であり、全身クリアランス(CLtot)に影響を与えないと考えられるため、経口投与されて循環血に乗る薬物量Ab=F・D、Ab’=F’・D=F・D/0.44 CLtot=Ab/AUCevと言う式を適用すると、経口投与時のAUCevは2.3倍程度上昇すると考えられます。

これはケースレポートの数値とほぼ一致し、この仮定での予測に一定の妥当性があることが分かります。

グレープフルーツジュースと併用した場合のデータが無い薬剤の場合でも、CYP3A4の代謝寄与率が高く、血漿蛋白結合率が99%の場合、大量のグレープフルーツジュース飲用でAUCが2倍程度上昇することが予測されます。もしその薬剤の治療域が狭い場合は、休薬や減量などの注意が必要になると考えられます。




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ピロリ菌除菌の薬を飲む人が、他に飲んでいる薬を頓服も含めて全て病院と薬局で伝えたほうがよい、たったひとつの理由。

みなさんの中には、ご家族がピロリ菌の除菌を受けようと考えている方がいらっしゃるかも知れません。ピロリ菌除菌療法は、早期胃癌の方が内視鏡手術後に行うことで、胃癌の再発を抑制した、と言うエビデンスがあります1)。

治療については詳しいリーフレットが用意されていて、わたしの薬局にも常備されています。

手にとって見ると、除菌のリスク・ベネフィットや、除菌の成功率などについて、かなり詳しく書かれているのですが、薬剤師の視点からは重要なのに書いてない、と思うことがあります。

それは、薬の飲み合わせです。今日はピロリ菌除菌の薬の飲み合わせについてお話しようと思います。

ピロリ菌1次除菌のレジメンでは、胃酸分泌抑制薬+ペニシリン系抗生物質+マクロライド系抗生物質の組み合わせを、朝・夕食後に1週間飲んで頂きます。

このうち、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(商品名クラリス/クラリシッド)が、飲み合わせに注意が必要な薬です。

クラリスロマイシンは肝臓の酵素である「CYP3A4(シップスリーエーフォー)」で代謝されます。

その際に一部の代謝中間体がCYP3A4と結合して離れなくなり、CYP3A4が酵素として働かなくなってしまいます。結果、この酵素で代謝される全ての薬の体内濃度が高くなってしまいます。

この現象を「酵素が阻害(そがい)される」と言います。酵素阻害はクラリスロマイシンを飲み始めてから3、4日でピークに達し、飲み終わってからも3、4日は続きます。

クラリスロマイシンの阻害作用は、用量依存性があります。つまり、1日に飲む量が多い程、阻害作用が強くなります2)。

クラリスロマイシンは副鼻腔炎などの治療では1日量400mgですが、ピロリ菌除菌療法では、1日量400mgまたは800mgを服用します。800mgのレジメンで、より併用のリスクが高くなると考えられます。

ピロリ菌の除菌レジメンとは飲み合わせの悪い薬の代表として、シンバスタチンを例にとってみましょう。シンバスタチンはコレステロールの薬です。

ほぼ100%肝臓のCYP3A4で代謝されるので、クラリスロマイシンの影響を強く受けます。また、体内濃度が高くなると、横紋筋融解症と言う重篤な副作用を起こすリスクが高くなるので、飲み合わせに特に注意が必要です。

PISCS(ピスクス)と言う理論を用いる事で、仮にクラリスロマイシンとCYP3A4で代謝される薬を一緒に飲んだ場合、どれくらい体内濃度が高くなるのか、予測することが出来ます。

シンバスタチンを服用中に、クラリスロマイシン(1日量500~1,000mg)を服用した場合、AUC(エーユーシー、生体が利用できる薬の総量)が8.33倍と推定されました。

これは、シンバスタチン8倍量を飲んだような状況です。実際に、2剤を併用した結果、シンバスタチンのAUCが11.9倍になったと言う報告があります3)。

そして、実際にこの飲みあわせで横紋筋融解症を起こし、入院に至ったという症例が、複数報告されています4-8)。

リスクを回避するための取り組みが、日々の業務で行われています。シンバスタチンまたは類薬のアトルバスタチンとCYP3A4阻害剤の併用処方に関連するリスクについて、地域の薬剤師から知らされた時に、10人の医師のうち9人が処方を変更、または起こりうる副作用をモニターしました9)。

過去の報告から、一般に2種類以上の薬を処方されている患者の60%に、飲み合わせに問題がある可能性があるとされます10)。そして薬による副作用は、入院に至る原因の6.5%を占めていて、そのうちの17%は薬の飲み合わせが原因でした11)。

ですから、皆さんは薬局で必ずお薬手帳を作って下さい。そして病院と薬局の両方で提出し、薬の飲み合わせについてダブルチェックを受けて下さい。

使い方を誤れば諸刃の刃となる薬を、安全に、そして効果的に使用するための必須のツールとなるはずです。

参考文献

1)Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial. Lancet. 2008 Aug 2;372(9636):392-7. doi: 10.1016/S0140-6736(08)61159-9.

2)Dose-dependent inhibition of CYP3A activity by clarithromycin during Helicobactre pylori eradication therapy assessed by changes in plasma lansoprazole levels and partial cortisol clearance to 6β-hydroxycortisol Clin Pharmacol Ther. 72. 33-43 (2002)

3)これからの薬物相互作用マネジメント 臨床を変えるPISCSの理論と実践  大野能之・樋坂章博 編著 じほう

4)Wagner J, Suessmair C, Pfister HW. Rhabdomyolysis caused by co-medication with simvastatin and clarithromycin. J Neurol. 2009;256(7):1182–1183. [PubMed]

5)Molden E, Andersson KS, Jacobsen D. Interactions between statins and macrolide antibiotics. [Article in Norwegian] Tidsskr Nor Laegeforen. 2007;127(12):1660–1661. [PubMed]

6)Kahri AJ, Valkonen MM, Vuoristo MK, Pentikainen PJ (2004) Rhabdomyolysis associated with concomitant use of simvastatin and clarithromycin. Ann Pharmacother 38:719 [PubMed][Google Scholar]

7)Lee AJ, Maddix DS (2001) Rhabdomyolysis secondary to a drug interaction between simvastatin and clarithromycin. Ann Pharmacother 35:26–31[PubMed][CrossRef][Google Scholar]

8)Molden E, Andersson KS (2007) Simvastatin-associated rhabdomyolysis after coadministration of macrolide antibiotics in two patients. Pharmacotherapy 27:603–607[PubMed] [CrossRef] [Google Scholar]

9) Molden E, Skovlund E, Braathen P. Risk management of simvastatin or atorvastatin interactions with CYP3A4 inhibitors. Drug Saf. 2008;31(7):587–596. [PubMed]

10)Potential drug-drug interactions in the medication of medical patients at hospital discharge.
Egger SS, et al. Eur J Clin Pharmacol 58, 773-8 (2003)

11)Adverse drug reactions as cause of admission to hospital: prospective analysis of 18 820 patients. Pirmohamed M, et al. BMJ 329, 15-9 (2004)

パキシル(一般名パロキセチン)を飲んでいる人が、眼科を含めて他の病院を受診するときにしなければいけない、たったひとつのこと。

かかりつけ医院に黙ってほかの病院を受診し、同効薬のオメプラゾールとタケキャブが重複して処方されていた話。

皮膚科と耳鼻咽喉科を掛け持ち受診して、持ち込まれた2枚の処方箋で抗生物質が重複した話。

耐性菌の話。どこか遠い国の話ではなく、日本の日常診療でも耐性菌は溢れています。

ピロリ菌除菌の薬を飲む人が、他に飲んでいる薬を頓服も含めて全て病院と薬局で伝えたほうがよい、たったひとつの理由。

心房細動で薬を飲んでいる人が、花粉症の薬を病院でもらう時に、お薬手帳を持参した方がよい、たったひとつの理由。

コレステロールの薬を飲んでいるけれど、名前は正確に覚えていない人が、風邪で病院を受診する時にお薬手帳を持参した方がよい、たったひとつの理由。

シンバスタチンとフルコナゾールは安全に併用出来ますか?

シンバスタチン服用中にイトラコナゾールのパルス療法を受けて横紋筋融解症を来たした例。

PISCSで臨床報告のない相互作用を定量的に評価。簡単な式で必要なパラメーターはAUCの他は2つだけ。


ISCSで臨床報告のない相互作用を定量的に評価。簡単な式で必要なパラメーターはAUCの他は2つだけ。

はじめに

未知の組み合わせの薬物相互作用も、PISCS理論で定量的に評価できる

添付文書に併用注意の相互作用は沢山書かれています。でも、一体どれくらい注意したら良いのか、困る事はありませんか?

そこで紹介したいのが、PISCS理論です。薬剤固有のパラメーターを利用して、臨床報告のない組み合わせの相互作用も定量的に評価する理論です。

東大病院薬剤部の大野先生が発案された理論で、成書も出版されています。厚労省の相互作用の評価にも採用されています。

相互作用を表記する用語を概観した後、PISCS理論を紹介しようと思います。

薬物相互作用を表記する用語

基質薬、阻害薬って何?

酵素で代謝される薬のことを基質薬、酵素を邪魔する薬のことを阻害薬と呼びます。

基質薬の肝臓(及び小腸)の酵素での代謝を、阻害薬が邪魔することで、相互作用が起こります。

基質薬の体内濃度が高くなることで、副作用が起こりやすくなります。

相互作用は、酵素のサブタイプごとに決まる

CYP(シップ)分子種で表される酵素ごとに、相互作用が規定されます。

AUCって何?

併用で薬の効果がどれくらい高くなるかは、一般にAUCと言うパラメーターを指標にされることが多いです。

AUC(Area Under the blood concentration-time Curve)は、日本語にすれば、血中濃度-時間 曲線下面積です。血中濃度の推移を時間で積分して求めた数値(面積)です。

そのため、AUCは、最高血中濃度(Cmax)と半減期(t1/2)の双方の要素を含む、総合的な指標になります。一般的にAUCが大きいことは薬をたくさん利用できることを意味し、具体的には高い効果が得られる、あるいは副作用が強く出るといったことを意味します。

PISCS理論について

AUC、CR、IRの3つのパラメーターで予測

PISCSは、臨床報告のない組み合わせでもAUCの変化を予測する理論です。

阻害薬の併用による経口投与時の基質薬のAUCの変化率は次の式で表されます。

阻害薬の併用時のAUC/AUC=1/(1-CRxIR)

CR、IRって何?

CRは、Conribution Ratioの略です。CYP分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率を表します。

IRは、Inhibition Ratioの略です。阻害薬の阻害率を表します。

予測出来るのは、肝臓(及び小腸)での代謝阻害で起こる相互作用

ただし、この式が適用できるのは、基質薬の未変化体としての尿中排泄の寄与が大きくない場合、すなわち肝臓(または小腸)での代謝がメインである薬に限られることに注意して下さい。

PISCS理論の実例

「薬物動態の変化を伴う薬物相互作用」掲載のデータで計算

実例をいくつか挙げます。CRとIRは、「薬物動態の変化を伴う薬物相互作用2015」から数値を得ました。

CYP2D6が関与する相互作用

・メトプロロール(CR:0.8)をパロキセチン(IR:0.9)と併用した場合、メトプロロールのAUCは3.6倍。

・デキストロメトルファン(CR:0.9)をパロキセチン(IR:0.9)と併用した場合、デキストロメトルファンのAUCは5.3倍。

CYP3A4が関与する相互作用

・カルバマゼピン(CR:0.8)とグレープフルーツジュース(IR:0.8)を併用した場合、カルバマゼピンのAUCは2.8倍。

・カルバマゼピン(CR:0.8)とクラリスロマイシン(IR:0.8)を併用した場合、カルバマゼピンのAUCは2.8倍。

・カルバマゼピン(CR:0.8)とエリスロマイシン(IR:0.7)を併用した場合、カルバマゼピンのAUCは2.3倍。

まとめ

このようにPISCS理論を利用する事で、未知の相互作用によるAUCの理論値を求める事が出来ます。

ここで得たAUCの増加率は、未知の組み合わせによる相互作用を経た場合も安全な血中濃度域に留まるかの、有力な判断材料になると考えます。

実測値を文献で調べる事が一番ですが、新薬等の理由で情報が少ない場合には、非常に有効な手法と考えます。

これからの薬剤師は、身につけたい理論です。大野先生の書籍を手に入れて、精読することをお勧めします。

推薦図書

「これからの薬物相互作用マネジメント―臨床を変えるPISCSの基本と実践」

PISCSの運用方法が書かれています。薬局に一冊備えておきたい本です。

「医療現場のための薬物相互作用リテラシー」

薬物相互作用の基礎、ピットフォール、定量的にマネジメントする手法について解説されています。

薬物相互作用を勉強したい方にお勧めです。

特にPISCSの理論的背景については類書に無い内容ですので、更に詳しく学びたい方は、ぜひ本書を手に取って下さい。

薬物相互作用のマネジメントは、薬剤師の職能そのものと思いますので、ぜひPISCSを技の1つに加えましょう。

定量的な予測が加われれば、あなたの疑義照会や処方提案も受け入れられやすくなると思います。

参考文献

「これからの薬物相互作用マネジメント 臨床を変えるPISCSの基本と実践」大野能之 じほう

「薬物動態の変化を伴う薬物相互作用2015」

関連記事

ピロリ菌除菌レジメンとシンバスタチンの相互作用のリスクについて書きました。

PISCSによるAUC上昇率に加えて、実際に併用して横紋筋融解症を起こした症例報告の論文等を紹介します。

ピロリ菌除菌の薬を飲む人が、他に飲んでいる薬を頓服も含めて全て病院と薬局で伝えたほうがよい、たったひとつの理由。

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