テグレトールを飲んでいたら、グレープフルーツジュースは飲まない方が良いですか?

こんにちは。これを読んでおられる中には、テグレトール(カルバマゼピン)を服用しているお子さんがある方もいらっしゃると思います。

今日は、テグレトールの意外な飲み合わせの話です。

テグレトールはグレープフルーツジュースと飲み合わせが良くない

テグレトールには、他の薬と注意が必要な飲み合わせがある事を、ご存知の方も多いと思います。

それだけでなく、飲食物にも注意が必要なものがあります。有名なのはグレープフルーツジュースです。

なぜジュースと飲み合わせが良くないのでしょう?

テグレトールとグレープフルーツの飲み合わせが良くない理由

グレープフルーツの果汁には、フラノクマリンと言うフラボノイドが含まれています。

ジュースを飲むと、小腸の粘膜にある薬を分解する酵素、専門的に言うとCYP3A4(シップ・スリーエーフォー)と呼ばれる酵素と、フラノクマリンが結合します。

すると、CYP3A4は、酵素としての機能を無くしてしまうのです。この効果は、酵素が新しく作られるまでの数日間、持続します。

テグレトールはこの酵素で分解されるため、ジュースを飲むと体内に吸収される薬の量が増える訳です。

テグレトールを飲んでいる間は、グレープフルーツジュースは飲まない方が無難

今見てきたような理由で、テグレトールとグレープフルーツジュースは時間をずらして飲んでも、やっぱり体内に吸収される薬の量は増えます。

また、過去に発表された論文のなかに、グレープフルーツジュースと一緒に飲むことで、テグレトールの血中ピーク濃度が1.4倍になったと言う報告があります。

テグレトールの至適血中濃度は4~12μg/mL(文献によっては4~10μg/mL)と幅が狭く、上限近くでコントロールしている場合は、グレープフルーツジュースの併用で至適濃度を超えることがあるかも知れません。

8μg/mL以上で、頭痛、嘔気、傾眠、活動性の低下、不安などが起こることが知られています。

テグレトールを服用しているお子さんは、出来ればグレープフルーツジュースの飲用は避けたほうが良いかも知れません。

柑橘類は、個別に薬剤師に確認すると安心

柑橘類の中には、類似の効果を持つものもありますし、影響の少ないものもあります。

これは食べても大丈夫かな、と思った時は、いつも薬をもらう薬局の薬剤師に聞いて頂ければ、適切な答えをお伝えする事が出来ると思います。

いかがだったでしょうか?家族の健康を守るご参考になさって下さい。

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セフジトレン細粒をどうしても戻してしまうのですが。

小児科から、セフジトレン細粒の処方箋が来たのですが、事務さんが耳打ちしてくれました。以前、セフジトレン細粒が処方された時、3回飲ませたが3回とも吐いてしまって、どうしても飲めなかったと、申し送りにあったそうです。

医院でも申し送りはあるのでしょうが、代診医師だったので見落としたのかも知れません。常勤医師は、ペニシリン系のアモキシシリン細粒と、マクロライド系のクラリスロマイシンドライシロップは飲めるので、いつもそれを処方されています。その事を電話で伝えました。

結果、セフカペン細粒に変更になりました。セフジトレンもセフカペンも、第3世代セフェムと呼ばれる薬です。この高齢の代診医師は、第3世代セフェムを大変好んで処方されるので、驚きませんでしたが、確実に飲める薬にすれば良いのに…と言う思いがひとつ、で、そこまで第3世代セフェムにこだわるのか…と言う思いがひとつありました。

第3世代セフェムは問題のある抗生物質です。粉薬などを口から飲む場合の吸収が悪く、体内に入る薬の量は飲んだ量の半分~数10%です。医療人の間ではDUと呼ばれることもあります。

DUとは、だいたい・うんこの頭文字で、飲んでもほとんどうんこになって出てしまう、と揶揄したものです。日本では大変好まれて処方されてきた抗生物質ですが、血中濃度が中途半端にしか上がらないので、耐性菌を生み出す温床になっていると言われてきました。

耐性菌は近年の世界的な問題です。ようやく国が動き出し、政策で第3世代セフェムも数値目標をあげて削減に取り組むことになりました。大学病院の中には、外来での第3世代セフェムの採用を廃止したところもあります。今回はその流れに逆行するような出来事です。

今日のような事の後は、いつも自問します。薬局薬剤師として何が出来るだろう、と。カウンターを離れて、医療者でない人にも分かりやすい情報を伝えていく事が、自分の良心に従う行為だと思い、今日もブログを書きます。

薬局で検査値や身長、体重を聞かれたら。

Aさんは不整脈でピルシカイニドと言う薬を飲んでいます。処方箋では、1日3回ですが、主治医の了解のもと、1日2回で、動悸のある時だけ、3回飲んでいるそうです。

ピルシカイニドは腎消失型と言って、要らなくなった薬はおしっこから出て行きます。ですから、飲む量や回数は、飲む人の腎機能に応じて調節しています。そして、腎機能は歳をとるにつれて衰えていくので、若い頃にちょうど良かった量が、歳をとって減らさないといけなくなる事があります。Aさんも、狭間にいるのかも知れません。

薬には、効いている量と効き過ぎになる量の幅が、広いものものあれば狭いものもあって、幅が狭い薬は、飲む量や回数に注意が必要です。ピルシカイニドは注意が必要な薬に入ります。

ですから、ピルシカイニドが初めて処方された時は、私達薬局薬剤師も特別な注意を払っています。直接ピルシカイニドの血中濃度を測る事も出来ますが、まだ飲んでいないので、患者さんの身長、体重、腎機能から、適切な量を推定します。腎機能は、血液検査の血清クレアチニンと言う検査値から推定します。

血清クレアチニン値が分からない時は…年齢から腎機能を推定します。体格が分からない時は…国の統計から、その年齢の標準的な身長、体重を得て、利用します。推定値ですから、あくまでも、これくらい…と言う目安です。

ですから、皆さん、薬局で腎機能の検査値や身長、体重を聞かれた時は、教えて下さい。安全に薬を飲むために必要な情報ですので、ご協力をお願いします。検査値なんて分からない、と言う方は、病院でもらう検査値の紙を、お薬手帳に糊で貼って下さい。何かの折りに、きっと役に立つと思います。



シミの治療は保険診療でよいですか?

耳鼻咽喉科の前の薬局で働いていた時、皮膚科からトラネキサム酸、ビタミンCの処方箋を持って来局された方がありました。初老の女性Aさんです。市販のトランシーノ、しみの一種である色素性肝斑の治療薬と類似した処方です。

Aさんに話を伺うと、色素性肝斑ではなく、老人性色素斑のような説明を受けて、それでも何か薬は無いでしょうかと、お願いしたのだそうです。

老人性色素斑は腫瘍なので、レーザーで治療するしかありません。それでも内服薬を処方されたのは、混在する色素性肝斑の治療効果を期待したのかも知れません。

女性にとって見た目が大事な事はとても分かります。一方、美観を得る為の、しみの治療を保険診療で行うことには、微妙な気持ちがします。本来自由診療として、自費で行うものでしょう。

何故なら、保険診療は、収入の多い少ないに関わらず、病気の治療が受けられるように作られた、相互扶助の制度ですから。

それを考え出すと、ニキビの治療はどうなのでしょう。ニキビは保険で治療する病気でしょうか?境界が曖昧になっていく気持ちになった午後でした。


0.625㎎が6錠、5㎎が1錠で合っていますか?

内科の前の薬局で働いていた時の事です。Aさんのご主人がAさんの処方箋を持って来局されました。Aさんは高齢の女性、心房細動と慢性心不全の既往があって、総合病院の循環器科に通っています。この病気の性格上、薬の種類が多く、飲み方も複雑なので、薬局で一包化してお薬をお渡ししています。そのため時間がそこそこかかります。Aさんは疲れやすいので、処方箋のFAXをあらかじめ送っておいて、薬が出来上がった頃に車でご夫婦で来られ、車で待っている間にご主人が薬の受け取りをされる、と言うのが、最近のパターンでした。

既に一包化され、鑑査の済んだ薬を前にして、私は固まってしまいました。β遮断薬と呼ばれる薬の処方が、何かとてつもなく変なのです。β遮断薬は、心臓のアクセルを緩め、脈をゆっくりにしたり、心臓のポンプの押し出す力を緩める薬です。昔の医学常識では心不全に使ってはいけない薬だったですが、近年の研究で、少量をうまく使えば心不全の治療成績を上げることが分かったので、循環器の専門医師が使われる、諸刃の刃の薬です。

Aさんは、それまでβ遮断薬を0.625㎎ 6錠で服用されていました。それに加えて、今回5㎎ 1錠が追加されていました。増量幅が、常識から考えて異常ですし、そもそも違う規格(ミリ数)の薬を合わせて使うのも不自然です。私は、何としてもこの薬をそのままお渡しすることは出来ないと思い、行動を開始しました。

まずご主人に、「お医者さんから薬の変更について何か説明を聞いていますか?」と確認しましたが、薬の事は分からないとの事でした。そこで了解を頂いて、駐車場の車まで行って、奥様に再度尋ねて見ました。「何か薬を変えると聞きましたが、具体的には分かりません。何か病院に確認が必要ですか?お手間をかけますが、薬剤師さんにお任せします。」とのお言葉を頂きました。

疑義照会です。「お世話になります。◯◯薬局の薬剤師、奥村と申します。Aさんのβ遮断薬ですが、1回の増量にしては多いと思うのですが?」「外来看護師のBです。大丈夫ですよ、今回3.75㎎から5㎎への増量とカルテにも書いてあります。」ここで理解しました。0.625㎎ 6錠は削除されていないと行けなかったのです。その旨を看護師さんと確認し、β遮断薬の処方は5㎎ 1錠のみとなりました。Aさんに処方変更となった事を説明し、申し訳ないですが、作り直しをする時間の猶予を下さいとお願いしました。Aさん夫妻は快く待って下さいました。

今回の処方箋は、処方箋どおりに調剤していれば間違いなく重大な健康被害が発生したケースです。最後の砦として機能出来た事に感謝するとともに、薬剤師として一層の研鑽を積まなければ、と気持ちを引き締めた出来事でした。

クラバモックス 朝夕の謎。

耳鼻咽喉科の前の薬局で、週一ヘルプとして働いていた時の話です。ある日、Rp1)クラバモックス 2.0g ラックビーR散 2.0g 1日2回 朝夕 と言う処方箋を受けました。併用薬はカルボシステイン 1.2g 1日3回、年齢は6歳で体重20kg、用法用量に特別矛盾するところはありません。クラバモックスは食前服用の薬ですが、この医師は、用法に食前食後を書かない癖を持っている事を、経験上私は知っていました。

ただ、水に溶かして調剤する抗生物質のクラバモックスが、粉薬で分包するラックビーR散と同じ括りのRp1として処方箋が切られていることに僅かな違和感を感じました。

投薬前管理薬剤師のAさんに、「クラバモックスは朝夕食前として説明しようと思います」と聞いた所、Aさんは「念のためクリニックに確認しましょう。」と言われ、疑義照会となりました。

結果、×クラバモックス→○クラリスロマイシンとの事でした。どちらも耳鼻咽喉科で汎用される抗生物質であり、用法用量も変わらない為、決定的な間違いでないと私は考えてしまいました。リスク学で言う正常性バイアスが働いたのかも知れません。

この話の教訓としては、僅かでも違和感を感じた処方箋には迷わず疑義照会をすべし。これをしなければ、私たちの薬剤師の存在意義は無いと言っても過言ではないでしょう。


カルシウム強化ウェハースを箱買いしたいのですが。

耳鼻咽喉科の前の保険薬局で働いていた時の事です。耳鼻咽喉科のクリニックの処方箋を持ってこられた老婦人Aさんが、カウンターに並べられた健康食品の棚をしばらく眺めておられました。そして、カルシウム強化ウェハースを箱買いしたいとおっしゃられました。「前にも食べた事があって、美味しくて食べやすかったから」との事でした。

事務員さんが在庫を確認される間に、お薬手帳を確認していると、整形外科から骨粗鬆症の治療薬としてエディロールカプセル0.75μgを服用されている事に気付きました。

エディロールはビタミンDに類似した作用があり、小腸からカルシウムの吸収を増やす作用があります。その為、カルシウムの摂りすぎには注意しなくてはいけません。とくに腎臓の働きの衰えた高齢の方には注意が必要です。

Aさんに「ウェハースはどれくらいのペースで食べられますか?」と尋ねると、「多い時は1日5枚くらい食べています。」との返答でした。ウェハースには、1枚につきカルシウム200mgが含まれていて、これはコップ1杯の牛乳に相当する量です。ウェハース5枚なら1000mgで、これは牛乳1リットルに相当する量です。

カルシウムサプリメントの1日量で参考になるのは、厚労省が「栄養機能食品」の上限としている600mgです。また、ガイドラインを見てもビタミンDを飲んでいる場合は特に注意するように、と勧告されています。食欲不振や便秘、多飲などが症状となる、高カルシウム血症を起こす可能性があります。

また、ウェハースを5枚食べている事を、お菓子だからと医師に伝えず、便秘改善を目的にマグミットのような酸化マグネシウム製剤が処方されれば、ミルク・アルカリ症候群を起こし、最悪の場合腎機能不全を起こす可能性もあります。

Aさんには、このように伝えました。「骨粗鬆症でカルシウムを摂った方がよいとお考えだったのですね。ですが、サプリメントとして摂るにも適量があって、とくにAさんのように、お薬を飲まれている方には注意が必要です。1日1枚程度に留めてはいかがでしょうか?」

Aさんは分かりましたとおっしゃって下さいました。ありふれた薬やサプリメントでも、使い方によっては重大な健康被害をもたらすことがあります。サプリメントを飲んでみたいと言う方は、私たち薬剤師に相談して下さい。私たちはそのために居ます。

関連記事です。

病院の複数・重複受診は落とし穴がいっぱい、と言う話をまとめました。

参考文献
「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」
「日常診療に潜むクスリのリスク」上田剛士 医学書院 2017年

血便が出たのですが。

先日、ビオフェルミンのみ、7日分の処方箋を持って薬局に来られた患者さんがいらっしゃいました。50代の女性です。不安そうな様子で、こうおっしゃいました。「実は血便が出て、3日前に救急外来に行きました。その時は抗生物質もでていたけれど、今日は出ていないでしょう?まだうっすら血が混じるのに、大丈夫かしら?」

お薬手帳を見ると、広域抗生物質のクラビットと整腸剤のビオフェルミンが3日分、吐き気止めのプリンペランが頓服で3回分、処方されていました。

何らかの細菌による胃腸炎と診断された事が伺われます。熱もなく、腹痛もなく、重症感がないことを確認しました。

細菌の特定は出来ませんが、過去の食中毒の頻度の報告からは、鶏卵などによるサルモネラ、鶏肉などによるカンピロバクター、海産物による腸炎ビブリオなどが可能性が高いと考えられます。何れも、クラビットはある程度有効であり、そもそも免疫力が落ちる病気などがなければ、自然に回復する病気です。

患者さんには、このように声をかけました。「血便が心配なのですね。大丈夫です。血便は、サルモネラやカンピロバクター等のよくある食中毒でも起きることが有ります。抗生物質は有効ですが、あまり長く飲むと、腸の正常な細菌叢にも影響してしまいます。血便は治って来ている様子ですので、ビオフェルミンで様子を見て頂いて大丈夫と思いますよ。もし血便がひどくなったり、腹痛や熱が出た時には、また受診して下さいね。」

患者さんは、安心しましたと言って帰られました。不安な気持ちを抱いて処方箋を持って来られる患者さんは、少なくないと思います。私たち保険薬局の薬剤師が、その気持ちを安心に変えるお手伝いが出来れば、こんなに嬉しい事はありません。薬で治すのは病気ではなく、患者さんのLIFE(生活・人生)です。